エポキシ樹脂とは?
定義:分子内に2ヶ以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物の総称である。通常硬化剤(フェノール、アミン他活性水素を持つ化合物)と併用して、3次元網状ポリマーを形成させて利用されます。
| エポキシ樹脂と聞いて思い浮かべるのは、2本のチューブ(主剤・硬化剤)に入った接着剤だと思います。よく混ぜてから金属やガラスなどを接着すると強固に接着でき、耐熱性もあります。硬化剤とエポキシ樹脂が反応することにより、熱に対しても不溶・不融の3次元不融ポリマー(ネットワークポリマー)を生成するためです。 実際にエポキシ樹脂は接着剤の他、その優れた特性(接着性、強靱性、耐熱性、電気絶縁性、耐食性等)を生かして、広く産業分野に使用されています。電器ソケットなどに使われているフェノール樹脂や家具の表面仕上げなどに使われるメラミン樹脂と同じ熱硬化性樹脂の仲間です。ただし他の化合物(硬化剤、変性剤等)と組み合わせて使用されることが多いことから、熱可塑性の他のプラスチックのように、単独では目に触れることが少ない樹脂です。 |
歴史:1938年8月スイスのPierre Castanによる特許が申請され、以後60年に及ぶ応用用途開発の歴史を持ちます。
| 発明者の狙いは歯科材料用でありましが、Ciba社は1948年この特許を買い取り、1948年頃”Araldite”の商品名で電気絶縁材料や接着剤として売り出しました。この樹脂の工業的な有用性が徐々に認識され、1960年初め頃から相次いで国内生産が開始されました。2000年度の国内需要は154千トンに達してます。 |
最も代表的なビスフェノールA型エポキシ樹脂はビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されます。出来たエポキシ樹脂はその分子量によって液状から固体までのものがあり、塗料、構造用接着剤、プリント基板、コンポジット、その他幅広い用途に硬化剤と組み合わせて供されます。また1980年頃からはLSIの絶縁封止剤用としてエポキシ化クレゾールノボラック樹脂の国内生産が本格的に始まりました。
化学構造式:ビスフェノール型![]() ![]() |
用途:エポキシ樹脂の用途はその種類と共に多岐にわたっていますが、その代表的なものを下表に示す。
詳しくは会員企業のホームページ等をご覧ください。
| 用途 | イラスト・写真 | 説明 |
| 電子部品 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
パソコンの中に必ず入っているプリント基板、その上に載っているメモリやCPUチップにもエポキシ樹脂組成物が使われています。集積回路の微細化と同時にエポキシ樹脂も高性能、高純度のものが要求され、半導体チップ用ノボラック系エポキシ封止材が開発されました。エポキシ樹脂はパソコンやプリンター等の重要な部品材料としてIT産業を支えています。 もともとエポキシ樹脂は優れた電気絶縁性を持つため、重電用の注型トランスに当初から用いられてきました。PCBを使わない変圧器として、50年の歴史を持っています。 |
| 塗料・接着剤 |
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エポキシ樹脂は防食工業用塗料原料として広い分野で使用されています。これらは管理された工場ラインにて塗装されます。 自動車の防食用電着塗料、家庭電化製品や事務用スチール家具等の水系または粉体塗料、ビールや清涼飲料の缶用水系塗料などとして私達の生活の身近にあります。また船舶やプラント用にもエポキシ系塗料は広く用いられています。 工業用接着剤は生産ラインに組み込まれ、いろんな製品、組立部品の耐久信頼性の向上、生産性の向上に寄与しています。 現在ではエポキシ樹脂と硬化剤を直前に混合する必要のない1液性の接着剤が開発され、多用されています。 |
| 土木・建築 | ![]() |
土木建築分野には防食用の塗料としてはもちろん、耐久性を向上するためのライニング、コンクリートのひび割れ等による劣化を防ぐための注入用、構造用の接着剤等としていろんなエポキシ樹脂が用いられています。 阪神淡路大震災のあと、高速道路の耐震補強が実施されましたが、橋脚の補強にはエポキシ樹脂を用いたカーボンファイバーコンポジットや鉄鋼板の接着補強が行われました。また橋梁等の酸性雨のコンクリート劣化の補修にも耐久性に優れたエポキシ樹脂が用いられています。 |
| コンポジット (複合材料) | ![]() ![]() ![]() |
航空機、鉄道車両等の部品材料は、高強度、高耐久性で且つ軽量であることが要求されています。軽量・高強度のカーボンファイバーやアラミド繊維等が開発されてきましたが、その接着マトリックスとしてエポキシ樹脂が重要な役割を果たしています。 これらのコンポジットは民生用(レジャー)としての用途開発がなされ、大きく生産量が伸びました。皆さんの周りにあるテニスラケット、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキーやスノーボード、アーチェリイ等、数多くのカーボンファイバーコンポジットにエポキシ樹脂が使用されています。 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー7社からなる工業会 (http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2006年1月〜12月のエポキシ樹脂の
日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 58,433 | 40.0 |
| 塗料用途 | 53,272 | 36.4 |
| 土木・建築その他 | 34,482 | 23.6 |
| (内需合計) | (146,187) | (100.0) |
| 輸出 | 29,058 | |
| 総合計 | 175,245 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー7社からなる工業会 (http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2005年1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 54,206, | 39.0 |
| 塗料用途 | 51,246 | 36.8 |
| 土木・建築その他 | 33,683 | 24.2 |
| (内需合計) | (139,135) | (100.0) |
| 輸出 | 27,065 | |
| 総合計 | 166,200 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー7社からなる工業会 (http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2004年1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 57,671 | 40.1 |
| 塗料用途 | 50,819 | 35.4 |
| 土木・建築その他 | 35,186 | 24.5 |
| (内需合計) | (143,676) | (100.0) |
| 輸出 | 31,749 | |
| 総合計 | 175,425 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー7社からなる工業会 (http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2003年 1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 51,523 | 38.2 |
| 塗料用途 | 49,258 | 36.5 |
| 土木・建築その他 | 34,151 | 25.3 |
| (内需合計) | (134,932) | (100) |
| 輸出 | 25,808 | |
| 総合計 | 160,740 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー8社からなる工業会、http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば
2002年 1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 52,800 | 38.8 |
| 塗料用途 | 47,750 | 35.1 |
| 土木・建築その他 | 35,420 | 26.1 |
| (内需合計) | (135,970) | (100) |
| 輸出 | 25,910 | |
| 総合計 | 161,880 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー8社からなる工業会、http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2001年
1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 47,730 | 35.9 |
| 塗料用途 | 48,310 | 36.3 |
| 土木・建築その他 | 36,940 | 27.8 |
| (内需合計) | (132,980) | (100) |
| 輸出 | 26,980 | |
| 総合計 | 159,960 |
需要量:エポキシ樹脂工業会(国内エポキシ樹脂メーカー8社からなる工業会、http://www.epoxy.gr.jp)の発表によれば2000年
1月〜12月のエポキシ樹脂の日本の需要量は以下の通りです。
| 用途 | 需要量(トン) | 内需にしめる比率(%) |
| 電気・電子用途 | 65,360 | 42.3 |
| 塗料用途 | 50,050 | 32.4 |
| 土木・建築その他 | 38,920 | 25.3 |
| (内需合計) | (154,330) | 100 |
| 輸出 | 42,780 | −− |
| 総合計 | 197,110 | −− |