Erzgebirgische Volkskunst とは、ドイツ語で「エルツ山脈地方の民芸品」を意味します。
エルツ山脈地方はドイツの伝統的なクリスマスにゆかりの深い木工芸品の生産地として
名を知られ、
それゆえにドイツのクリスマスランドとも呼ばれています
 ルツ山脈は、旧東ドイツ、
現在のド
イツザクセン州の南部
からチェコとの国境付近にひろがる
 
比較的
なだらかな山系です
 エルツ
ドイツ語で鉱石の意味
の名が示す通りこの地方では、
銀や錫などの鉱石資源が豊富に
 
産出され
15世紀の後半から16
世紀の前半にかけて非常に栄え
 
ました

 しかし
16世紀の終わり頃には
採掘量が減ってしまい
鉱業に従事していた人々の生活はと ても苦しいものとなりました

 そこで
少しでも収入を得るためにもう一つの身近な資源であるエルツの森の豊富な木材を利用してもともと趣味で彫っていた木彫製品や女性たちの編んだボビンレース製品などを売ることで生活を助けました
 このように、エルツ地方の人々の生業が、しだいに木工細工やおもちゃ作りの仕事に移り

かつて鉱物を加工するのに使っていた道具や水車で動かしていた鉱物の粉砕機は、木材
加工用のろくろに変わっていきました

この木材加工用ろくろが最初に生まれたのが
かつて錫鉱業で栄えたザイフェン(Seiffen)1644年のことでした
その後、
ザイフェンがエルツ地方一帯の木製おもちゃ産業の中心となっていきます
 工用ろくろによって、いろいろな種類の
作品が作られてきましたが
とりわけ製法
のユニ
クさとその高い技術に感心させ 
のがろくろ細工の動物たちです
 まず木工用ろくろとノミを使って丸太を横
 
割りにしたものを器用にうまい具合に削っ 
いきます
そしてリング型に削り終えたもの
をノミと槌を使って、うすく割っていきます

すると何と
生き生きとした同じ動物が何匹
も現れました
この動物を1匹1匹手作業で
さらに削り
尾っぽなどをつけてから丁寧
に色を塗って出来上がりです

 
 この方法で
様々な種類や大きさの動物
が生まれ
ノアの方舟セットの動物などとして1900年前後からヨーロッパやアメリカにも多く輸出されました



現代のノアの方舟セット Christian Werner 
 こうしてエルツの名は、木工細工やおもちゃの生産地として、再びドイツ全土に知られるようになりましたが人々の生活は、なかなか楽にはなりませんでした
それでも、エルツのおもちゃのシンボル的存在であるくるみ割り人形
働く人々がテーマの煙り出し人形

エルツのクリスマスには欠かせないクリスマスピラミッド

窓辺に輝くアーチ型のろうそく立てシュヴィープボーゲン
天使と鉱夫のろうそく立てなど
エルツ地方オリジナルの作品が次々に生み出され
現代でもその伝統的なスタイルとあくまでも手作業による製作手法は幾世代を経ても忠実に受け継がれています
   
 一方、エルツの木工細工やおもちゃの特徴として木材資源を有効に使うためにミニチュア的なものも多く作られています

木工ろくろ細工による動物

小箱に収まる農場セットや村セット
マッチ箱のミニチュアシリーズ
クリスマスツリー用の木製オーナメント 
などが
それらを代表していると言えるでしょう


 これらエルツの木工細工、クリスマス用品、おもちゃなどは古くから毎年ドイツ各地の村や町ごとに開かれるクリスマス市で売られそこを訪れる人々の手に渡りました
 そうしてエルツ地方は
クリスマスをとても大切にするドイツ人の心をとらえクリスマスランドと呼ばれるようになりました

 
今日のエルツの町や村では、屋外にもそれぞれ自慢の大型クリスマスピラミッドが建っていたりドレスデンなどザクセン州内の大きな町でも、クリスマスシーズンには町のマルクト広場で開かれているクリスマス市の会場に、中には10メートルを超える高さの大きなクリスマスピラミッドが飾ってあるそうです
 また、夏季には、鉱業で栄えたエルツ地方の祭りの行事として
今でも、当時の衣装を身につけた鉱夫のパレードが行われているようです


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