すでにメールで、Nitsche氏はエルツ地方のほぼすべての工房を訪問され、相当のコレクションをお持ちである
ことはお聞きしていたけれど、博物館クラスかそれ以上にも思えるこれほど多くの作品に再び出会えて、
私は、ザイフェンを離れてしまった寂しさが吹っ飛ぶほど感激した。"
Wundebar! Viel!" そしてもう日本語で
「すごい!」を連発しながら、さっそくに鑑賞を始めてしまったが、Nitsche氏は、これらは、全コレクションの一部
だと言われ、奥のリビングルームに私を促した。 |
リビングルームには、ヴァルター・ヴェルナー氏の鉱夫のピラミッド、
クリスチャン・ヴェルナー氏の吊り下げ式ピラミッドなど、豪華な大きな
作品がデンと飾られ、私は再び驚いた!
小さなミニチュア作品から大きなピラミッドまで、エルツの主だった作品は
すべてお持ちのようである。どうやら私は、ドイツでも有数のエルツの
木工芸品コレクターのお宅にお邪魔していることに気付き、Nitsche氏と
知り合えたことがいかに幸運な有り難いことで、よくぞ今回訪問の
チャンスを逃さなかったと自分の強運を心から喜んだ。
唯一残念なことに、ほかにも素晴らしいピラミッドやシュヴィープボーゲン、
くるみ割り人形などをたくさんお持ちなのだが、クリスマスシーズンでは
ないため、普段は大事に箱に保管されていて、私はすべてを見せていた
だくわけにはいかなかったのだけれども・・・ |

手に持たれているのは、私がおみやげに差し上げた
「ドイツ・クリスマスの旅」の本
中央のピラミッドがヴァルター・ヴェルナー氏の作品 |
私は、そのままNitsche氏のコレクションをずっと見ていたい気分だったが、まずベルリンの街を案内してくださる
ということで、Nitsche氏と私たち2人は外の駐車場に向かった。現在は、ごく普通の小型車をお持ちだが、
数年前まで、旧東ドイツ製の今や貴重なトラバントに乗っておられたそうで、それを売られたお金で、
リビングルームにあった、あの豪華なヴァルター・ヴェルナー氏の鉱夫のピラミッドを購入されたそうである。
ベルリンは、現在再びドイツの首都として、歴史に翻弄されたドイツの最重要都市なのだが、私は勉強不足で、
どこを見たいかと聞かれても、ブランデンブルク門とベルリンの壁としか答えられなかった。
行き先はすべてNitsche氏におまかせして、旧東ドイツ地域のおもな見どころから案内していただいたのだが、
とにかく街が大きくて、東から西へとどこまでも続いているように感じた。また、あちこちの歴史的な由緒ある建物
を1つ1つ教えていただいたり、写真を撮ったりして、ベルリンの現在の様子をほんの少し垣間見せていただいた。
私が勝手に想像していたような、旧東ドイツ地域と西ドイツ地域のあきらかな境目というか違いのようなものは
もう全く見受けられなくて、歴史の遺物としてわざわざ残してある壁の一部分や、ブランデンブルク門の存在で、
かろうじてそれを知ることができる程度だった。
ブランデンブルク門は、私たちが訪れたときにはあいにくまだ修復の最中で、実物大の門の絵が描かれた
工事用のカバーにすっぽりと覆われていて、実際の姿を見ることはできなかったのだが、この9月にも修復は
完了し、現在はすっかり化粧直しされたブランデンブルク門が姿をあらわしているそうである。 |