君主の行列の壁画近くにあるヒルトンホテルに、エルツの木工芸品の専門店があって、外からもガラス越しに
中の素敵なディスプレイが見える。息子に、「もう、お母さんは!」と文句を言われながらも、しっかり店内を見学。
午後には本場ザイフェンに行くというのに、それらの姿を見かけると、じっくり見ずにはおれない私。
そこだけでなく、また別の専門店を見つけて、そこでもけっこう長居をした。さすがに、何も買わずには出られ
ない雰囲気だったので、エルツ工芸・玩具製造者組合が出している簡単な冊子を買う。
朝方はけっこう涼しかったが、日が高くなるにつれかなり暑くなり、子どもはもう我慢の限界に達したようなので、
観光は打ち切り、昼食を兼ねてひと休みすることにした。その歴史地区を離れる前に、一目だけでもエルベ川を
見てみたいと思って、新市街に通じる橋のたもとに立ってみた。穏やかな静かな川だった。
息子がデパートの玩具売り場を見てみたいというので、昼食もデパートのレストランで取ることにした。
食事が終わってふと外を見ると、、空がひどく暗く見え、まるで夕立でも来そうな気配。窓ガラスの色のせい?
とも思ったがそうではなく、稲光までして、本当に今にも降り出しそうである。
雨具はホテルに置いてきたし、これは急いでホテルに戻らなければと、最高に早足で歩いた。が、しかし
やっぱり途中で降り出しきて、濡れながらやっとの思いでホテルにたどり着いた。
ザイフェンに向けて、オーベルンハオ行きのバスに乗るまであと約1時間。それまでにやんでくれることを期待して、
ホテルの玄関で雨宿りをする。しかし雨脚はひどくなるばかり。
私はその間中、幸いドレスデンは雨が上がっても、途中乗り換えのところが降っていたら困る・・・、
いっそのことタクシーでザイフェンまで行こうかと本気で悩んだ。長年の夢がようやく叶おうとしているのに、
大雨にたたられるとは、やはりよほど普段の行いが悪いのか?とも思ったり・・・。
時間はどんどん過ぎ、とうとうバスの発車時間が迫って、ついに決断。まだ雨は上がっていないけど、
少しは小降りになっている。予定通りバスで行こう!と。
気休め程度の小さな折り畳み傘を差して、息子と重いキャリーケースを引き引きバス停に急ぐ。
バス停で再度、乗り換え場所を確認していると、乗る予定のオーベルンハオ行きのバスが早めに来たので、
急いで傘を閉じ、キャリーケースを必死の思いで持ち上げて、バスのステップを昇った。
料金は先払いで、そのときに行き先を告げて切符を買う。
こうして私たちは、予定通り14時15分ちょうどにドレスデンを発って、乗り換え場所Sayda Marktに向かった。
ドレスデンの街を出ると、車窓の景色は一変し、見渡す限りのゆるやかな丘陵地に麦畑や牧草地が広がり、
エルツ山地を走っているのだと実感できる。いよいよ憧れのザイフェンに近づいている。
雨はその後降ったりやんだりしていたが、空がいくぶん明るくなり、Saydaの街に着くころには、
ほとんど上がってくれた。
ドレスデンを発って約1時間40分後、15時54分のほぼ定刻にSayda Marktに着いた。
道を渡って反対車線に移り、まもまく来るバスに乗リ換える。今度は、Mahoさんの下宿があるノイハオゼンまで
の約20分ほど。そのバスの運転手さんはとても親切で、ノイハオゼンからザイフェンまでのバスについて、
降り際に何度も繰り返し教えてくれた。
ノイハオゼンといえば、もうザイフェンとは目と鼻の先。Mahoさんの暮らしている街に今自分がいると思うと
ザイフェンに着いたのと同じくらい感慨深い。Mahoさんの都合がよければ、ザイフェンのバス停で私たちを
待ってくれているはず。ザイフェンに向かうバスを待つ間、初めてMahoさんと実際に対面するということに
緊張してきた。ほどなくバスがやってきて、乗り込む。緊張が持続しながらも、ちらほら見え出すエルツの
モチーフや写真などで見覚えがある風景に心が躍り出して、胸がいよいよ高鳴ってきた。
ノイハオゼンから10分くらいで、とうとうSeiffen Mitteのバス停に着いた。
ドレスデンを14時15分に発って、ザイフェンに着いたのが16時55分頃。ずい分時間がかかったが、
料金は、子どもの分を合わせても、わずか15.1ユーロ。バスは列車に比べてかなり安い気がする。
バスの窓からMahoさんの姿を探すと、かわいらしい日本人女性が立っているのが見え、Mahoさんだと
すぐにわかる。思わず手を振ってしまった。バスから降りて、Mahoさんに声をかけたが、
ようやくザイフェンに無事着いた喜びとMahoさんにお会いできた感動で、頭で考えていた挨拶の言葉は
すっとんでしまって、なにやらつまらない挨拶しかできなかった。
それから、Mahoさんに予約してあるホテルまでご一緒していただいて、チェックインも手伝ってもらう。
そのホテルは、出発前に私がメールで希望の条件に合うホテルをMahoさんに尋ねて、紹介してもらった
ところで、最初の1泊だけの予定で予約もMahoさんに甘えている。
Mahoさんがドイツ語で、フロントの女性に声を掛けてくれて、部屋の希望まで伝えてくれた。
そのおかげで、最高にザイフェンらしい眺望が楽しめる部屋を取ってもらえたのだ。 |

部屋からの風景
教会へ続く通りの右側にあるピラミッドも見える |

Hotel Erbgericht Buntes Haus
私たちの部屋は、標識が見下ろせる3階 |
ホテルの名前は、Hotel Erbgericht Buntes Haus。降りたバス停から歩いて3分とかからない
ザイフェンのまったく中心に建っている。Hauptstr.とBahnhofstr.とが交差するあの角である。
その角には、ザイフェンのおもちゃで飾られた道案内の標識(Seiffener Wegweiser)が立っていて、
私はそれを実際に見るのをとても楽しみにしていた。そのザイフェンのシンボリックな標識を、ホテルの自分たちの
部屋から見下ろせて、さらに教会方面を見渡すことができる部屋に泊まれるとは、これ以上の幸運があるだろうか。
その日Mahoさんは、5時過ぎのバスで下宿に戻られるとのことで、ホテルの私たちの部屋で少しだけお話が
できた。翌日からの予定などについての話だったと思うけど、とにかく胸がいっぱいで、私はまだかなり緊張して
いた。今度は、私がMahoさんをバス停で見送り、翌日の再会を約束する。
雨はまだ少し残っていたけど、このままホテルで過ごすのは、もったいない。
さっそく、ザイフェンを散策することにする。まず最初に行くところは、やはりあの教会!
ところが教会をめざして緩やかな坂を上っていく途中、思いがけない光景に出会った。
通りの右側に立っている白い大きなピラミッドは、ホテルの部屋からも見えていて、特に驚かなかったが、
通りの左上に、何とクリスチャン・ヴェルナー氏の工房の大きなノアの方舟と動物たちが現れたのだ。
このことは、まったく想像外だった。クリスチャン氏の工房のそれらの存在は、すでにテレビのウルルン滞在記や
写真などを見て知っていたけれど、それらがその場所から撮影されたものとは・・・。
右手には白い大きなピラミッド、左側には大きなノアの方舟と動物たち、そしてその通りの奥には教会と揃えば、
私がどれだけハシャイだかは、ご想像にお任せしたい。
残念ながら、雨模様で薄暗かったので、写真はもう少し明るい時に撮ることにした。
そのあと、教会に向かってさらに坂を上っていったのだが、初めて訪れる場所なのに、余りそのような気がしない。
息子も同じことをいう。今まで憧れに憧れて、その風景を頭に焼きつけ過ぎたのが原因か・・・。
ザイフェンのあの八角形の教会は、全く思い描いていた通りの姿で、周りの風景に溶け込んでいた。
教会を後にして、今度は、中央通りを博物館方向に歩いてみた。
通り沿いにあるお店は、ほとんどがエルツの伝統工芸品を扱う店らしく、ライトアップされたショーウィンドウには
お店ごとに趣向が凝らされて、かわいいミニチュアから大きめの人形類、ろうそくのライトが点灯した天使と鉱夫
やシュヴィープボーゲンなどが魅力たっぷりに飾られている。
息子は、もう私に付き合いきれないと言い、先にホテルに戻ったのをいいことに、お店はすでに閉まっていたが、
どのウィンドウもたっぷり時間を掛けて1つ1つの作品を楽しんだ。
明日は、いよいよヴォルフガング氏の工房にMahoさんを訪ねることになっている。
息子が、「テレビ(ウルルン滞在記)に出ていた人に会うなんて、とても緊張する〜」という。
私も同じ!うまく、挨拶ができるだろうか〜? |
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