長い間待ち焦がれたザイフェンへの旅立ちの朝。この日を無事迎えられた喜びを噛み締めて、いざ特大の
キャリーケースを引っ張り始めた瞬間、あまりの重さに驚く。張り切って、あれもこれもと詰め込み過ぎたせい
だろうけど、私の旅への期待も同じくらいの重さに違いない。
神戸に住む私たちは、関空からのフライトとなる。三宮から乗った関空行きバスが、
海上にある関空へ向かって延びる橋を渡り始めると、ワクワクする気分が一気に高まった。
余裕を持って空港に着いて、チェックインと出国手続きを済ませると、
しばらくは食べられないであろう「きつねうどん」を子どもと一緒に食べる。
今日の1日は長い。
いよいよウィーンまでのオーストリア航空機に乗り込んで、さっそく聞こえるドイツ語のアナウンスに耳を傾けたが
最初の"Guten Tag ! Meine Damen
und Herren・・・"しか聞き取れない。英語でのアナウンスでも同じ。
あ〜やっぱりと、落ち込む。今回の旅に備えて、少しでも言葉を勉強しておくつもりだったのに、
とうとう全く出来なかった。特にザイフェンやベルリンでお世話になるであろう方々に、感激と感謝の気持ちを
充分に伝えることができるだろうか?と不安なままの出発となったが、果たして結果は・・・。
およそ13時間近く乗って、やっとウィーンに着く。
ウィーン上空から見える景色は、ヨーロッパの街そのものだった。(当然だけど、私はいたく感激。)
ウィーン空港から、ドレスデン行きに乗り継ぐので、降りたゲートからずい分離れた別のゲートへ急いだ。
別に急ぐ必要はなかったのだけど、余裕が大切と、たくさん並んでいる免税店をチラチラとは
気にしながら、そこを通り過ぎてしまって、近距離路線用の少し寂しいゲートに着いた。
だけど、搭乗時間が過ぎても、いっこうに案内がなく、係員は同僚と世間話を続けている風。
たまりかねた別の日本人客が、その係員に尋ねるともうすぐとの返事。
出発予定時刻をとっくに過ぎてから、ようやくバスで駐機場まで行くと、初めて見るずい分小さなプロペラ機
がとまっていた。えっ?これ?と私も息子もちょっとがっかりしたけど、緊張して乗り込む。
結局ウィーンを1時間も遅れて離陸した。
その飛行機は、ライプチヒまで行く便で、ドレスデン空港に到着しても、ほとんど誰も座席から動かない。
私と息子は、まるで発車寸前のバスから飛び降りるように慌ててその飛行機から降りた。
ようやくたどり着いたドレスデン。疲労と緊張のためか、いまいち感激の記憶が薄いのが悔しい。
空港からは、Mahoさんから教えていただいた通りに、地下のSバーン(鉄道の近郊路線)の乗り場から
真新しい列車でドレスデン中央駅に向かった。切符の買い方もわかりやすく教えていただいていたので、すごく
助かった。神戸の自宅を朝の5時に出てから、すでに22時間が経過していて、疲労も極限。
それでも、予約してあるホテルにたどり着くまでは頑張らないと・・・。
空港から20分くらいで列車はエルベ川を渡り、まもなくドーム型のドレスデン中央駅に到着。
よたよたと重いキャリーケースをホームに下ろして、駅に降り立つ。
旧市街と反対側の出口を探さないといけないのだけど、それがわからない。ようやくそれらしき表示を見つけて、
ホテルの方へ歩き始めた。
すでに午後9時近いのにまだ薄明るい。だけどドイツなのに、その蒸し暑さときたら日本の熱帯夜並みに
思えた。ちょっと回り道をしてしまったが、実際は駅から100メートルほどのところにホテルがあった。
写真通りかわいらしい建物である。ホテルの入り口が通りの反対側にあって、そこまで歩くのさえも辛かった。
フロントのおじさんも、汗だくで疲れ果てた顔の日本人親子の到着にさぞ驚いたことだろう。
何とか、部屋のカギをもらって、部屋の入り口までたどり着いたのだけど、そこでハプニング。
カギがどうしても開かないのである。仕方なく、また下に下りて、フロントのおじさんにカギが開かないと訴えると、
笑いながら、日本人のお客の80%が同じことを言ってくるという。少しホッとしたものの、
器用な20%の方に入れなくてちょっと悔しい(笑)。開け方を何度も実演してもらって、私も試した。
回す方向さえ間違わなければ、さっと開くのである。その後は、どこのホテルに泊まってもほとんど苦労すること
なく開けることができて、主人の前でイバッてみたりもした。
もう食事を取る気力も無くて、シャワーを浴びると、すぐにベッドにもぐりこむ。明日は、ザイフェンへ!
こうして旅の初日の長〜い1日が終わった。 |
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