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| 2 かいめ | |
| そしてまたその次の日、私はヴォルフガングを訪ねて、ザイフェンへ向かいました。 そう、ヴォルフガングとは、動くおもちゃを作っているヴェルナーファミリーの次男のことです。 たまたま、ベアテさんが紹介してくださった修行先がヴォルフガングのところだったので、前回の滞在の半年間、私は彼の工房でお世話になっていたのでした。 いつも通りに陽気なヴォルフガングに「いつから、また来る?」と聞かれ、それなら「明日から・・・」ということで、エルツへの到着の3日目から私の修行生活がはじまりました。 |
| 彼の工房の様子を簡単に紹介しましょう。 ヴォルフガングの工房は、ザイフェンの教会の 横をちょうど右に下っていった突き当りにあり、 眺めの良い、かわいらしい工房です。 そして、仕事は毎朝なんと6時半からはじまり、 眠い目をこすりながら、私は6時前には起床して、 同じノイハオゼンに住んでいるウベと6時15分に 待ち合わせ、彼の車でザイフェンに向かいます。 工房の職人さんは、奥さんのウテを合わせて 7人です。そのうちの3人の女性は、内職の日と 出勤の日と半々位で仕事をしていますが、いずれ の方も、8年、9年と彼の工房で働いているベテラ ンの職人さんです。 9時の朝食の時間に、それぞれが持参したもの を食べながら、しばしの休憩、そして12時から 12時半までが昼食時間です。なぜか私だけは 特別に、ヴォルフガングのお宅で奥さんのウテの 手料理を毎日いただいています。 |
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| そして、昼食の休憩後、3時におやつをいただいて、3時半には仕事が終わります。 (先日、生まれて初めてヴォルフガングが自分で焼いたケーキがでました・・・) 学校が休暇中は彼の娘や息子達も、朝の早い時間から仕事のお手伝いをします。 そうして、私が肌身に感じることは、小さな頃からこうしてお手伝いをしているうちに、立派な職人が生まれてくるのだなぁということです・・・。 ところで、ヴォルフガングはとても気さくな人で、工房で働く職人さんたちとのコミュニケーション をとても大切にしています。それは、かれの1つのモットーであるようです。また、まったく木工が 素人の外国人の私に対してもその精神は変わりません。 先日開館した、オールベルンハオというところにある、子どものための室内の遊び場「ストックハオゼン」の開館記念の式典に連れて行っていただいたり、彼の親類の誕生日会へ連れて行っていただいたりと、彼の心遣いは限りがありません。 それから、たくさんの注文に応えるために朝から晩までコンピューターにかじりついている 他の工房のシェフ達とは違い、どんなにシェフとしての事務仕事があろうとも、ヴォルフガングは必ずひとつひとつの製品のチェックを怠りません。 それは彼のおもちゃに表れているとおり、彼の誠実さとプライドの賜物だと思います。 さて、そこで私がどんなことを勉強しているのか?ということですが・・・ |
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| 色つけ、部品の組み立て、機械の使い方、ろくろ細工のやり方まですべてです。 まだまだ未熟で、一人前になるには相当の年月がかかりますが、親切に育ててくださる親方に応えて、ただただ努力するしかないと思っています。 |
| 実はまだまだ話がつきないのですが、きりがないので、 今回は工房の話をこのくらいにしておきましょう。 5月の半ばからは3週間の専門学校生活、そして6月にはヴォルフガングの紹介で、ポーバースシャオというところの2種類の工房へ、住み込みで修行に出る予定です。 その様子もできるだけ細かくお便りしたいと思いますので、ご期待ください! |
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| あともうひとつだけ報告しておきます。 4月30日は、ヴァルプルギスの日でした。ドイツのハルツ地方のブロッケン山で魔女達や魔物が集まって、踊ったり食べたりの大騒ぎをするというお祭りの日です。 確かゲーテの「ファウスト」にも書かれていましたが・・・ その日の晩に、我が家のインゲとアルミンと、ノイハオゼンの隣人達とが、それぞれクリスマスに飾ったクリスマスツリーのモミの木や雑木を持ち寄って、夜遅くまで火を燃やし、その火で ソーセージをあぶって食べたり、パンの種を木に巻きつけて焼いて食べたりしました。 そして、その焚き火を必ず全員ジャンプしましょうと決め、順に火を飛び越えて魔女のお祭りを楽しむのです。 |
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| ただ、このお祭りは古くからのエルツ地方のお祭りではないために、普段通り過ごす人も随分おり、まだ東西が統一される前はそのようなお祭りはなかったので自分は参加しないという人も結構いるようです。お祭り好きのドイツ人が、東西統一後に西ドイツに影響されて始めたお祭りでしょうか?それは謎です。 インゲの話では、東ドイツの時代から自分達はもう何年も続けているとのことですが・・・ 普段はあまり関わりの少ない近所の方がたと、年に1度集まって一緒にクリスマスツリーを燃やし、その火を囲んで楽しむというインゲ達の習慣も、私にはなかなか面白い、すてきなことだと感じました。 |
2001年 5月 6日 すっかり春爛漫のエルツ山脈にて Maho より |
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実はMaho さんから、ヴォルフガング ヴェルナー氏からのお願いを伝えてほしいとの メールをいただきました。 最近、Mahoさんのようにザイフェンで木工芸やおもちゃ作りを学びたいということで、 ヴォルフガング氏の工房を直接訪ねて行かれたり、 メールなどで弟子入りをお願いされる日本の方がとても多いそうですが、 ヴォルフガング氏も工房の仕事で大変忙しく、 8月からは、ドイツ人の青年を新しく弟子に取られるとのことで、 大変残念ながら、Mahoさん以外の外国人の方々を修行先として新しく受け入れることは、 今後はもう不可能で、 ほかの工房の紹介も、申し訳ないが時間が取れなくて出来ないと すべて断られているそうです。 そこでヴォルフガング ヴェルナー氏からのお願いとして、 せっかくエルツの木工芸に興味を持っていただいている方に大変申し訳ないが、 自分の工房の事情をどうか理解していただきたいとのことです。 私としても残念ではありますが、ここに伝えさせていただきました。 ( 2001.5.14 Kotani ) |
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