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New エルツのおもちゃに会いに・・・  Report Vol.3
エルツおもちゃ博物館(軽井沢)  
春の企画展  「 華麗なるマイスターたちの饗宴
           ― おもちゃ工房をたずねて ― 
を訪ねて
  ( 会期 : 2001.3.3 〜 6.25 )  


Contents
 森の中の由緒ただしい博物館  企画展とミニチュアの作品に会える第二展示室へ
 まずは常設展示作品がならぶ第一展示室へ  第三の展示室 ミュージアムショップ



― はじめに ―

 新緑がとても清々しい5月の軽井沢へ、エルツおもちゃ博物館(軽井沢)の今春の企画展を見に行ってきましたこの博物館を1998年9月に初めて訪問して以来もう5回目になりますが何回訪問しても、入館する時はいつも期待と興奮でゾクゾクします
 我が家のある愛知県の市から軽井沢まではかなりの 距離で日帰りのドライブでは厳しいので今回は1泊することにしましたそのため、到着日とその翌日の2日とも博物館を訪ねいつもよりもさらにたっぷり見学できました

とくに2日目には、博物館の事務長さんとお会いでき、貴重なお話しをうかがったり、事務長さん
がザイフェンに行かれた時のお写真を見せていただいたり
そして何と、特別に取材という名目
で展示物の撮影許可までいただけたのです
撮影時には幸い私以外の見学者はいなかったの
ですが、グリーンの「取材中」と書かれた腕章をつけ
胸はドキドキ、かなり舞い上がった状態で
した。その時に撮った写真も併せて
今回のエルツおもちゃ博物館(軽井沢)行きの報告をさせていただきます


 森の中の由緒ただしい博物館 


 日本ロマンチック街道の名称がついた国道18号線から、
エルツおもちゃ博物館(軽井沢)がある塩沢方面に南下して
 
いくと、塩沢湖そしてエルツの森(?)が現れてきます

森を分ける道の右側にはエルツのおもちゃ博物館
左側
には絵本の森美術館への入り口がならんでいます

 エルツおもちゃ博物館は
ガラス張りの山小屋風建物で今回は、入り口で大きなくるみ割り人形が出迎えてくれました館内に一歩入るとそこからはもう、エルツのおもちゃ一色の世界で
 最初の展示室に入ってすぐの壁に1枚の調印書が展示してあります。
それは
エルツおもちゃ博物館(軽井沢)のオープンに際しドイツ・ザイフェンのエルツおもちゃ博物館Erzgebirgisches Spielzeugmuseum Seiffen) エルツおもちゃ博物館(軽井沢)とが正式に姉妹締結されたときの調印書でオープン前日の1998年4月19日に軽井沢のエルツおもちゃ博物館で調印式が行われたそうですザイフェンからは博物館館長の Konrad Auerbach 氏が来日し軽井沢町長の松葉 邦男 氏が署名人を務めエルツおもちゃ博物館(軽井沢)の土屋 芳春 館長ら名の署名がなされたものでした
 日本の軽井沢に、エルツのおもちゃ専門の博物館が、それもザイフェンの博物館と正式に姉妹締結されているということで私のようなものにはもう大変有難いことなのですが、どういう経緯でそれが実現なされたのかが以前からとても気になっていました
それで今回初めて
事務長の森泉さんに少しお話しを伺うことができました
 
館長の土屋さんは、まず海外の絵本の収集を始められ絵本の 
森美術館を開かれましたが
ドイツに住む日本人の知人の方からエルツのおもちゃを紹介されエルツのおもちゃにも大変興味を持たれるようになったそうですそれで、絵本の森美術館にエルツのおもちゃを少し展示したりミュージアムショップにもエルツのものを置かれたりしていたそうですがもっと本格的なエルツのおもちゃだけの博物館をということで1998年4月に現在のエルツおもちゃ博物館(軽井沢)を開館されたそうです

特大のくるみ割り人形がワクワク 
気分を盛り上げてくれます・・・!
おそらく館長の土屋さんも、エルツのおもちゃが伝統的な手法で丁寧に手作りされ、どこか日本
の郷土玩具と似通った懐かしい感じのする素朴なところに惹かれ
たのではないかと思います
そして
そのエルツのおもちゃの魅力を広く日本でも紹介したいという土屋館長の熱意がザイフ
ェン側にも伝わり
姉妹締結への運びとなったものと想像します

Good News 今回、最新情報を教えていただきました! 
来年4月の完成予定で、現在の駐車場のあたりに
エルツおもちゃ博物館の
展示室が新たに新築されるそうです
示スペースが大幅に増えることにより、
現在よりおもちゃの展示数がもっと増えるとのことで
今からとっても楽しみです!
                                                
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 まずは常設展示作品がならぶ第一展示室へ 


左手前のペアは現代の作品右奥のペアが1915年製 

 博物館入り口を入ってすぐの部屋は第一展示室で、
主に常設展示の作品がならんでいます

 現在この博物館に展示してある最も古い作品は 
1915年に作られたくるみ割り人形 と 天使と鉱夫 で

それに次ぐ年代物として
1925年頃に作られたろくろ
細工
の動物やミニチュアのおもちゃなどが大切に展示 
されて
いますそれらは、最近作られた新しいものに比
べて
色のつけ具合や顔の描かれ方が非常に素朴で
いかにも家庭内の工房で一品一品手作りされたもので 
あるよう
に感じられます
 この博物館には、1965年製のくるみ割り人形も数多く展示されているのですがその頃のものになると、現在の作品とほとんど姿・色・顔立ちが同じで全く古さを感じさせません。つまり、それから35年以上も経った現在も伝統的な全く同じデザインで作られていることになります 
左端・中央は1965年の作品 右端が1915年製

以下は、第一展示室の作品の数々です
(展示室内の作品の写真は、特別に許可を得て撮らせていただきました) 


 19151965年頃の作品コーナー 
中段中央の2体は木彫りの作品その他は
すべてろくろを使って作られています


るみ割り人形の現代の作品が主に展示されているコーナー 
1965
年頃のものとほとんど雰囲気は変わりません
顔のつくり・彩色の具合が各工房ごとの特徴をあらわしています


      煙り出し人形が展示されているコーナー 
  現代の各工房のさまざまなモチーフがいっぱい揃っていて
  1つ1つの持ち物や姿からその人形の職業などがわかります

     天使と鉱夫のコーナー 
 1915年製の作品にはやはり86年の
 歳月を経た風格が感じられます
・・・ 

 第一展示室には、奥へ向かって、くるみ割り人形、シュヴィープボーゲン煙り出し人形、天使と鉱夫、そしてクリスマスピラミッドの順に展示されています
1番奥の窓際には、1メートルはある大きなピラミッドが2つもならんでおり
そのうち下の写真のものは、作られた年代はわかりませんがかなり古いもののようでした
もう1つは白木の木彫り細工のもので、こちらも非常に手の込んだ豪華なピラミッドですこれほどのものは、日本ではなかなかお目にかかれません


 そのほか、今回は5月の訪問ということで、イースターにちなんだウサギたちやイースター
エッグの作品も見ることができました

 また、今回初めて気が付いたものとして
映像でエルツ地方のクリスマスや木工芸品を紹介
する3種類のビデオが上映されていたのですが
残念ながらそれらをゆっくり見る時間までは
なくて、次回訪問までのお楽しみとなってしまいました

そこで、私からのお願いとしまして、それらのビデオを販売用に編集していただいて
博物館
のショップでも取り扱っていただければ
家庭でもじっくり楽しむことができますので、大変有り
難いのですが・・・
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 企画展とミニチュアの作品に会える第二展示室へ 

 第一展示室から第二展示室へと続く通路の展示パネルに、今回の企画展のテーマである
マイスターについて、次のような説明がありました
「マイスター制とは、1953年9月に法制化された職業訓練の社会制度である」 
イツのマイスター制は中世から続く大変有名な制度ですがそれが法制化されたのは、わずか50年ほど前のことであったとは、少し意外な感じがしました
現在では、コンピューター関係のハイテク部門にも
その制度を取り入れることが検討されているそうです

 さて、第二展示室への扉を開けるとまず目に入るのがザイフェンの教会や村の様子をあらわした雪景色のジオラマです
マイスターとして紹介されているWolfgang Glöckner の作品で構成されています



 また、この第二展示室では、企画展示も行われています。
今回は、「華麗なるマイスターたちの饗宴  おもちゃ工房をたずねて   
のタイトルのとおり、ザイフェンまで6人のマイスターを実際に訪ねそのときのインタビューの
内容が、彼ら
それぞれの代表作品と共に紹介されています

それらには、彼らのマイスターとしての確固たる誇りと信念そして手工業の伝統を後世に引き継いでいく強い使命感がみなぎっています
家に戻ってからも、私の手元にある彼らの作品をあらためて
感慨深く眺めてしまいました

 以下は、今回紹介されている6人のマイスターについて、企画展での紹介内容と私の手持ち
の彼らの作品写真を交えて簡単にまとめたものです

おもちゃ職人における
マイスター
 

(企画展の説明より) 


3年間親方のもとで見習い
 
さらに3年間職人として修行
 
 
マイスター試験に合格
 
 
マイスターとして独立
 
新しい工房を持つことができる
 


6人のマイスターの作品とその説明の展示は、このような雰囲気です・・・ 


Wolfgang Glöckner
(ヴォルフガング・グレックナー)
 
Volker Flath
(フォルカー・フラート) 
Volker Füchtner
(フォルカー・フュヒトナー)
 
 Wolfgang で工房の4代目。
 彼の代表作品が「村の生活」と
 
 名付けら
ミニチュアの建物や
 生き生き働く
村人などのシリーズ
 木肌を生かした仕上げが特徴
 
 父 Günter Flath (1905〜)の
 工房を受け継いだ2代目

 ろくろ細工を得意とするマイスター
 「くるみ割り人形の父」とよばれ 
 ている
Wilhelm (1844〜1923) 
 から5代目
 
企画展での展示の様子

企画展チラシの写真より
私の手持ちの作品より
私の手持ちの作品より
 彼の作品のモットーは、「素晴らし
 い伝統を 維持させつつ
その古い
 作品の奥底には新しさが息づいて
 
 いるもの」とのことです
 
    <彼のインタビューから>
 マイスター制度によって
我々の
 手工業は 発展し、維持されてきた

 マイスターであることは
作品に責任
 を持ち
手工業の伝統とこれらの
 階級制を引き継いでいくこと
 Füchtner のくるみ割り人形は、
 まっすぐで薄く1つの部分で出来て
 
 いる足と
緑色の四角の台が特徴
 だそうです



Gunter Schalling
(グンター・シャーリング)
 
Klaus Merten
(クラウス・メルテン)
 
Karl-Heinz Bilz
(カールハインツ・ビルツ)
 
 Gunter で工房の3代目
 彼の工房の主な作品は

 オルゴールやミニチュア食器セット

 およびナプキンリングなど
 
 Klaus Merten は、ザイフェンで
 煙り出し人形を初めて作り出した
 
 ハウシュタイン家の人形の特徴を
 
 引き継いで
非常に伝統的な作品
 を手がけている
 祖父 Richard Bilz(1923〜)の
 工房を受け継いだ3代目

 動物家族工房の
Bilzとよばれ、
 動物の家族をかたどったおもちゃを
 
 多く作っている

 そのほかの作品として

 ミニチュアのくるみ割り人形や帽子
 
 かぶり人形など
私の手持ちの作品より

チラシの写真より 

私の手持ち作品より
 
私の手持ちの作品より


 企画展の作品とならんで、幅が1メートルは
ある電気仕掛けの大きなシュヴィープボー
ゲン 
を今回も見ることができました
私の気に入りの作品の1つで、ザイフェンの雪景色
の下は、鉱山の坑道が再現され
鉱夫たちが作業
をしている様子を細かく表現しています

また
教会のイラストの周りを鉱夫のパレードが電気
仕掛けでグルッと1周するのですが
撮影のタイミン
グが悪くて
鉱夫のパレードが坑道のトンネルに
ちょうど隠れてしまっています
 鉱夫の作品といえば、様々な姿の鉱夫があしらわれたWalter Werner による見事なピラミッドの作品が、
以前こちらを訪れた時に展示されていたように思うのですが、今回は残念ながらお目にかかれませんでした

次回訪問の折には、それらにも再会できることを楽しみにしています

 第二展示室には、1925年製の木工用ろくろ
も置かれています
ろくろの台の上やそばの
には
ろくろを使って加工された大小いろいろな
ドーナツ状の木片が展示してあり
カットされた
断面には
馬をはじめ様々な動物の姿が見事に
あらわれていました

 木工用ろくろを見ていた家族連れの方が
 
「これっテレビのウルルンで見たよ!動物の形
に削っていくんだよ・・・!」
そして、そばのカット
された木片を見て
「ほんとだ!動物の形になっ
ている・・・!」とひどく感心した様子でした
 もし叶うなら、本物のエルツの職人さんがろくろを使って木片をカットしていく様子を実際に
この目で見てみたいです


エルツおもちゃ博物館(軽井沢) 次回 夏の企画展は、

「パイプ人形七変化 ― ドイツの香りをはこぶ使者」
 6月29日(金) 〜 10月8日(月)

が予定されています。
 

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 第三の展示室 ミュージアムショップ 

 最後に、私のもう1つの楽しみ、ミュージアムショップの様子をご紹介します。
このショップには
館内の展示作品をはじめ、他ではなかなか見られない貴重なものが揃って
いますので
展示室と同様、数々のエルツの作品を楽しめます



Volker Füchtner もあります! 

大きさ価格ともに豊富にそろっています! 

珍しい煙り出しハウスです! 

上段のミニチュアは、Karl-Heinz Bilz 
ものだと思うんですが・・・ 

下段左はろくろ細工の木片をカットした
ものから動物が
出来上がる行程がわか 
ようになったセットです。 




Vielen Dank !

今回、エルツおもちゃ博物館(軽井沢)の訪問レポートを
書かせていただくにあたり

事務長の森泉さんをはじめ
スタッフの方々には
大変お世話になり
また
企画展の内容や展示作品の写真撮影及び当ホームページへの掲載を
 
特別にご許可いただきましたこと

心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました






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