エレクトロポレーション

(用意するもの)
*ES細胞:
 1セット 1 X 10^7 (培養1日から2日目のもので、50%から70%コンフルエントくらいのものが望ましい。 60mm培養皿で 5、6枚程度。エレクトロポレーションをかけるES細胞は培養48時間くらいのものを用いること。コンフルエントにまでもっていった物を使用してはいけない。培養48時間たった時点でもエレクトロポレーションに細胞数が足りないと判断したら、そこで継代をおこない後日改めてエレクトロポレーションをする。

*ターゲッティングベクター:
 QIAGENで精製した物を使用する。必ず制限酵素によって直線化をおこない、フェノール抽出後、エタノール沈殿をおこなう。エタノール洗浄は入念におこなう。下記HBSで600ng/ml とし、1セット 100ul 使用する。例えば、10kbのターゲッティングベクターの場合だと60ug、15kbだと90ug使用することになる。
 なお、ターゲッティングベクターが20kbくらいに長くなってくると通常のラージプレップ培養では効率よくベクターを回収できない時がある。あるいは妙に短い形のベクターに変質してしまうこともある。これは長いベクターがくみこまれた大腸菌の増殖速度が遅いためと考えられる。このときは培養温度を少し下げる(30度)。同時にアンピシリン濃度を2倍くらいに上げ、増殖速度を押さえる。この場合でも、増殖させすぎは禁物である。

*G418 耐性 フィーダー細胞;1セット 60mm培養皿 7枚程度。

*ESM

*HBS final conc.
Hepes 1 g 25 mM
NaCl 1.6 g 137 mM
KCl 74 mg 5 mM
Na2HPO4-12H2O 50 mg 0.7 mM
Glucose 0.2 g 6 mM
DWに溶解し pH7.05 に合わせた後、全量を 200 ml とする。濾過滅菌。室温保存。

*Gene pulser 用キュベット

*X 100 G418 (GIBCO) ; net weight 15 mg/ml in 滅菌水。 濾過滅菌、冷蔵保存。

*G418-ESM:ESMにG418を1/100量加える。

(方法)
1)エレクトロポレーション前2ー3時間に培地交換する。
2)ES細胞の培地を除き、EDTA-PBS 5 ml で一度洗浄。1 ml トリプシン液を加え、インキュベーター中5分間置く。
3)培養皿をゆすり、細胞を底面から遊離させる。
4)ESMを 4 ml/dish 加え、軽く揺すって混合させる。P1000ピペットマンでよくピペッティングして細胞を single cell にする。single cell になっていないと効率が減少する。
5)50 ml 遠心管に集めて 1000 rpm, 5 min 遠心する。
6)冷HBS 10 ml に細胞を懸濁し、一部をとって細胞数を数える。
7)1000rpm、五分間遠心する。
8)1X 10^7 cells/0.4ml となるように冷HBSで懸濁し、細胞液 0.4 ml とDNA溶液 0.1 ml をキュベットに入れて混合する。氷冷下で10分。
9)0.25 V, 950-975uFD, 抵抗無限(Gene pulser II, BIORAD)でエレクトロポレーションする。エレクトロポレーションの条件はいろいろあるが、これをいじると他のパラメーターにも影響が出るので基本的にはいじらない。終了後のパルス時間は40から45ミリ秒前後の値になる。
10)室温10分間放置。
11)35ー40 ml ESM に懸濁し、5 ml ずつ G418 耐性 feeder の上にまく。
12)36時間後にG418-ESMで培地交換する。それまではそっとしておく。
13)以降毎日培地交換する。細胞が死に始めるまでは培地が半日程度で黄色くなってしまうこともあるので、そのときは半日で培地交換を行う。死んだ細胞を除くため、培地交換の前に軽く培養皿をゆする。細胞がほとんど死んでしまったら培地交換は2日に一回にする。
14)約1週間でピックアップできるコロニーが生えてくる。