ES細胞コロニーピックアップ

 ES細胞のコロニーが適当な大きさになるのを見計らってピックアップをおこなう。ピックアップに適した期間はES細胞の特性上、当然短いので注意が必要。1日ずれると様相ががらりと変わってしまう。目安は200まいくろチップの尖端の半分くらいの大きさ。つやつやしていて形のいいものだけを選択的にひらう。すそ野の広がったコロニーは絶対に避ける。また、妙に小さいコロニーはネオ耐性遺伝子が入っていないことが可能性があり、ひらわない。逆に、大きなコロニーも染色体異常を起こしている可能性があるので避ける。一日のピックアップでは100個から150個くらいが限界。ES細胞はエレクトロポレーション後、7日目から10日目くらいに生えてくるので、2日に分けてピックアップする。例えば、7日目と9日目、あるいは8日目と10日目。無論、3日間連続して毎日ピックアップするのもいい。

(用意するもの)
*フィーダー細胞(96穴プレート):ESMに培地交換しておく。10mLピペットで1穴あたり1滴加える。
*顕微鏡をアルコール消毒してクリーンベンチ内に入れておく。
*滅菌乾燥済み20、200μlチップ
*96穴プレート
*ESM
*PBS(ー)
*0.25%トリプシン・EDTA−PBS

(方法)
1)培地をPBS(ー)に交換する。

2)20μlピペットマンを5μlにあわせて、顕微鏡を見ながらチップの先でコロニーをちょんちょんと何度かつつき、コロニーがプラプラと遊離し始めたらチップの先をコロニーに押しつけて一気に吸い取る。コロニーが跡地に残ってないかどうか確認。

3)96穴プレートに移す。乾燥をふせぐため、毎回ふたは必ず閉める。

4)この操作を12回(以内)行い、これを1ラウンドとする。

5)ピックアップを一通り終了したES細胞培養皿は、PBS(−)を、ESMに交換して、CO2インキュベーターに戻しておき、次回のピックアップまで放置。

6)96穴の各穴にトリプシン液を5μlずつ入れCO2インキュベーターで5分。

7)96穴の各穴に10mLピペットでEMSを2滴ずつ加え、200マイクロチップで15回程度ピペッティングを行い、あらかじめESMを1滴ずつ入れてある96穴フィーダープレートに移す。

8)1ラウンド分の操作終了後、96穴フィーダープレートはインキュベーター内に入れる。

9)以上の操作を繰り返し、すべてのコロニーをピックアップする。

10)できれば半日後に培地交換。できなければ24時間以内に培地交換。

11)96穴プレートが60%以上のコンフルエントになったら半分を24穴プレートで凍結、半分をゼラチンコートした24穴プレートに移す。これがコンフルエント(培養液が黄色くなる)になったらゲノムDNAを抽出する。

(96穴でのES細胞凍結)
1)同一の番号を書き入れた空の24穴プレートとゼラチンコートした24穴を用意する。それぞれ0・5mlずつの20%FCS/DMEMを加えておく。

2)96穴プレートの24穴分をPBS(−)で2回洗う。

3)10mlピペットで1滴ずつ0・25%トリプシン溶液を加える。プレートをとんとんとたたいて溶液を撹拌する。

4)37度、5分。

5)10mlピペットで2滴ずつ20%FCS/DMEMを加える。まずは12穴分だけ。

6)10回程度200μlピペットマンでピペッティングし、100μlを凍結プレートへ、残りをゼラチンプレートへ。これを12穴分繰り返した後に、残りの12穴も同じ処理をする。ゼラチンプレートはインキュベーターへ。

7)凍結プレートにDMEMを55μl加える。
8)プレートを回転させて溶液をよく混ぜる。

9)ビニールテープでシールして、発泡スチロール容器のなかへいれて、ー80度のディープフリーザーへ。このまま1カ月くらいは保存可能。その間にスクリーニングを終わらせる。

10)これをすべての96穴に対して行う。