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比叡山
( 2003.05.04 )

 晴天に恵まれた今年のゴールデンウィークでしたが、休みの並びが悪くて、近場に出かける方が多かったと聞きます。 私もどーんと旅に出たりせず、ベガくんと比叡山に行ってみることにしました。 近くにあるのに実は一度も行ったことがないんですよね。 ケーブルに乗ろう、延暦寺を見よう、ということだけ決めて出発します。


 家からバスに乗って、叡山電鉄の八瀬比叡山口駅の近くのケーブル八瀬駅までやってきました。 比叡山越えのトップバッターは「叡山ケーブル」で、ゴトゴトと音を立てながらゆっくりと山を登っていきます。 ちなみにこのケーブルですが、高低差は561mもあって、日本一となっています。

 10分ほどでケーブル比叡駅に着きますが、ここで降りても何もありません(ハイキング?登山?をしている人はいますが)。 そのままロープウェーに乗り換えて山頂を目指します。 ただすぐに乗り換えてしまうのも芸がないといいますか、しばらくは眼下に広がる景色をのんびり眺めておりました。 新緑がまぶしいぐらいですね。

 「叡山ロープウェー」に乗るのはわずかに5分程度で、あっという間に比叡山頂駅にたどり着きます。 こうやって見ると、文字通りロープにぶら下がっただけのなんともおっかない乗り物ですよね。 こういうところにケーブルやロープウェーを作った技術者たちの努力に感心してしまいます。

 比叡山頂駅からすぐのところにあるのが、2年前にオープンしたばかりの「ガーデンミュージアム比叡」というところで、印象派の画家の作品を味わいながらフランス風の庭園を楽しめるようになっています。 そういうのがお好きな方にはいいのかもしれませんが、それでも入場料1000円は取りすぎのような・・・。 もう少し安ければ入っていたのですが。

 おなかがすいたのでこの辺りで何か食べようかという話になったのですが、そういうお店はほとんどなくてずいぶん困らされました。 そのうえ高いところではおなじみですが、缶ジュースは150円! お弁当をひろげるにはもってこいのスポットは結構あるので、食べ物・飲み物をちゃんと用意してから来るほうがいいですよ。
 ともあれ焼きそばがあったので二人で半分ずつ食べ、「バスに乗って延暦寺の西塔へ行く」→「東塔まで歩く」→「坂本ケーブルで滋賀県側に降りる」というプランにすることに決めたのでした。

 ところがバスがどうしようもない混雑ぶり。 比叡山内をシャトルバスが運行しているのですが、本数は決して多くありません。 若いし天気もいいし歩いても問題なかったですね。 10分ちょっとで西塔のところに着き、お金を払っていよいよ延暦寺を見ていこうとしていたわけなのですが、ここでとんでもないトラブルが・・・。

 なんとなんと、バスに財布を置き忘れたらしい! はじめ頭の中は真っ白でしたが、ベガくんが冷静に対応してくれたので助かりました。 あのバスは次で終点だから、きっと引き返してくる、そのときに聞いたら大丈夫、というわけです。 そわそわしながら待つこと20分ほどでしょうか、同じ運転手さんのバスがやってきました。 そしてそこには私の財布があったのです・・・本当によかった!

 ずいぶん脱線しましたが、とても落ち着いていて、かつ厳かな感じがするのが西塔の雰囲気でしょうか。 上の写真が「釈迦堂」というところで、左はその裏手にひっそりある「みろく石仏」というものです。 この石仏は一部が欠けていたり、表情が見えないほど朽ちていたりするのですが、それがまた味わいがあり、長い間見守ってくれているんだという気持ちにさせられます。

 西塔から東塔へと歩いていきます。 この日京都市内の最高気温は27度にもなったそうですが、こちらはそれよりもずいぶん涼しく、歩いていて気持ちよいほどでした。 西塔の近くには(だいぶ葉桜になっているとはいえ)桜も咲いており、この春もう会えないと思っていただけに幸せな気分になりました。

 東塔は延暦寺の中でもいわばメインの部分で、観光客も多くて「いかにも」という感じがします。 こちらは「大講堂」というところですが、正直どうということもなく。 大講堂の近くには「開運平和の鐘」という鐘があり、訪れた人たちが順番に鳴らしており、それがいい雰囲気をかもし出しておりました。

 そしてついにやってきたのが「根本中堂(こんぽんちゅうどう)です。 堂内には「不滅の法灯」とよばれる灯が、開創以来1200年以上もずっと燃え続けています。 言葉ではうまく言い表せないのですが、自分よりもずっと大きな存在の前に立たされる感じで、ここまで来てよかったと心から思いました。

 この後はケーブル延暦寺駅から「坂本ケーブル」で滋賀県の坂本へと山を下りていきます。 ちなみにこのケーブルですが、長さは2025mもあって、日本一となっています。 坂本では日吉大社などを軽く見物してから、京阪電車を乗り継いで京都まで戻ってきました。 往復でなくぐるっと見るタイプのお出かけは楽しいですね。

 そういえば延暦寺は焼き討ちにあったようなと思ったので、ちょっと調べてみました。 やはり1571年に焼き討ちに遭い、不滅の法灯は消えてしまっています。 そのときは立石寺(山寺)から灯を分けてもらい、それで今まで燃えているということです。 実は立石寺(山寺)で絶えず燃えている灯は、そもそも延暦寺から分けてもらったもので、「持ちつ持たれつ」でずっと続いているというわけですね。 「油断」という言葉も、毎日油を注いでいるからずっと燃えているということに由来するのだそうですよ。



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