大学に入る前は「ひとり旅なんて」と思っていたのだが、いったん始めてしまうと、ひとり旅ゆえの気楽さにどっぷりはまってしまい、結局友達と行くよりひとり旅のほうが多かったのではないだろうか。 とはいえ、大学を卒業する記念の旅もひとりで、というのはいささか寂しい。 大学生活を通してお世話になった、やまと君とベガ君とスケジュールを合わせ、九州へと旅立つことにした。
 やまと君は私と同じマンションに住んでいて、しょっちゅう遊んだり話をしたりする人で、4月からは大学院で物理を専攻する。 ベガ君は一緒に飛騨・高山やオーストラリアに行った旅仲間で、4月からは私と同じく大学院で化学を専攻する。 やまと君とベガ君は初めは「友達の友達」の関係であったが、いつの間にか仲良くなり、3人で卒業旅行することも快諾してくれた。 ともあれ2人は私にとって、大学生活で得た大きな財産であることに間違いない。