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介護等体験(聾学校)
2004年5月20日と21日に、京都市内にある聾学校にて、介護の体験をしました。【 日記編 】
5月20日
まずは校長先生からのごあいさつ。 京都府が求める理想の教師像とは「豊かな人間性」「広い社会性」「高い専門性」の3点だが、この体験を通して前の2つを養うひとつのきっかけにしてほしいとのことである。 また学校についても説明があったのだが、ここが日本で一番初めに作られた聾学校で、今年で開校して126年になるのだそうだ。 明治の初期からすべての人が教育を受けられるように、という声があがっていたことには少々驚いた。
体験の始めは聴覚障害についての講座。 これがなかなか勉強になって、「聴こえる」とはどういうことか、どういう原因で「聴こえない」のか、ということを学ぶことができた。 外耳・中耳の不全による伝音性難聴(音が伝わらなくなる)と、内耳の不全による感音性難聴(音の受け取りが悪くなる)の大きく2つがあり、ひとりひとりこの複合の仕方が異なるため、同じ難聴でも人によって補聴器を調節する必要があるということである。 人によって眼鏡が違うのと同じなのだが、補聴器に関してもそれがあるとは知らなかった。 また聴覚というのはその後の成長に大いに影響があることも、今回初めて知った。 特に自分の声を聴くことができないというのは大きな障害になるのだそうだ。 生理的障害が言語的障害を生み、また知的障害につながるので、難聴を早い段階で発見することがハンディキャップを少なくするためにも大切だということである。
次に学校を見せていただいたのだが、素直に思ったことが「広い」のと「明るい」のと。 生徒数は幼・小・中・高と合わせても100人に満たないのだが、教職員は100人以上おり、ひとりひとり手厚い指導がなされているということだ。 また高等部は普通科のほかにもデザイン科や被服科といったものがあり、さまざまな選択ができるのだそうだ。 実際にデザイン科の生徒が作った作品を見せてもらったのだが、自分には到底及ばないような素晴らしい作品ばかりである。 耳に不自由がある分、見ることについて人一倍優れたセンスがあるのかもしれない。
午後からは2日目の野外活動の打ち合わせ。 学校の裏手にある「ふれあいの森」という森で、中学部の生徒(7人!)といろいろな活動をするというものである。 こうした課外活動的なものは多いのかと思いきや、この野外活動は年に一度のビッグイベントなのだとか。 そんな行事のお手伝いをさせてもらえるとは幸運である。
最後にその7人の生徒との顔合わせ。 実際に手話を使ってひとりひとりあいさつをすることになった。 「私の名前は・・・です」「私の好きなことは写真を撮ることです」というだけなのだが、なかなかこれが難しい、でも楽しい。 正しく手話ができるかよりも、気持ちが通じるかの方がずっと大切っていうのは、英語の学習にも通じるものがあるんだよなぁ。
5月21日
野外活動を始める前に、1時間目の授業の様子を見せていただいた。 中1の生徒3人と、担任(と思われる)の先生2人の授業。 授業といってもホームルームの時間で、中学生として守って欲しいルールを生徒に質問しながら確認をするだけなのだが、教育の原点がここにあるとでもいうか、いろいろと考えさせられるところがあった。 詳しくはまとめ編にて。
そしていよいよ野外活動に。 昼食のカレーを作り、食後に遊んだりゲームをしたりするものである。 ただあくまでも学生は補助的な役割で、どうしてもというときに手伝うという立場である。 もともと学生の数のほうが圧倒的に多いこともあって、正直結構手持ちぶさたであった。 それでも飯ごうでごはんを炊いて、さらにカレーを作るわけで、純粋に自分たちも楽しかった。 ただそのカレーを口にすることができなかったのは残酷というか何というか。 先生と生徒はそのカレーを仲良く食べるというのに、私はコンビニで買ってきたパンである。
ご飯を食べて後片付けをしたら、楽しい遊びの始まりである。 まずは宝探しで、森じゅうにばらまかれた宝を探して、その数を競い合うというもの。 そして自然探しで、森の中の植物や花を探すというもの。 さらに芝生の上で2チームに分かれてのバレーボール。 闘争心むき出しの生徒もいれば、何をしたらよいのか分からないままの生徒もいたのだが、それぞれが楽しんでいたし、楽しめるような雰囲気になったいたと思う。 それにしても自然のもとでこれだけの活動ができるのだから、本当に羨ましい。
最後に手紙を渡し、握手をしてお別れである。 ほんのわずかな間しか一緒にいられなかったが、彼らの記憶の中に自分たちは残ったのだろうか。 貴重な時間を過ごさせてもらったことに感謝する一方で、自分は何をしてあげられたのだろうかとも思ってしまった。