日本の年号が昭和から平成に変わった1989年、初代セルシオはトヨタのフラッグシップとしてデビュー
当時はいまでは想像がつかないほど超好景気な世の中。バブル成金が飛びつくようなゴージャスな装備と
ラグジーなスタイルがウリの、まさにバブルの申し子だった。
大排気量の新開発4リットルV型8気筒エンジン1UZ−FE型を搭載し、ボディは世界トップレベルのエアロ
ダイナミックスを実現。強いテーパーで絞り込んだフェンダーラインやルーフまで回り込んだプレスドアを採用し
エレガントなフォルムを生み出す。インテリアにはウォールナットをふんだんに使い、ドアトリムやシートには
本皮や高級ファブリックを使用するといった具合。
マイナーチェンジは約3年後の1992年(平成4年)8月20日に行なわれた。助手席エアバッグを新設定し、
エアコンには新冷媒を採用。基本機能ではタイヤサイズを15インチから16インチに大型化。フロントグリルと
アルミホイールの意匠を変更するなど、基本内容はそのままに安全装備の充実と環境への配慮などを中心に
行なわれた。
1994年(平成6年)セルシオはデビューから5年という、明らかに早いサイクルでのフルモデルチェンジを
実施した。これは円高の急激な進行で北米市場での価格競争力が失われたことや、安全や環境に対する
配慮の必要性が一段と高まるという時代背景があったからだ。セルシオのフルモデルチェンジは、内容の
充実と安全&環境への配慮がメインで行なわれた。
さらに2年後の1996年(平成8年)には一部改良を実施。SRSエアバッグを全車に標準装備したほか、
新衝突安全ボディGOAを採用。安全性が一段と向上している。ヨーロッパ仕様の足回りを装着するeRバー
ジョンも追加設定された。
一部改良から1年後の1997年(平成9年)にはマイナーチェンジを敢行。フロントマスクはグリルとヘッド
ライトを独立し、デザインを一新。エンジンパワーは280psにパワーアップ。新開発の5速ATも搭載すること
になる。30系のエピローグは一歩づつ進化を受けて、確実に始まっていた。
2000年(平成12年)初代、2代目とキープコンセプトできたセルシオは、3代目でかなりの大変身を遂げた。
正確にいうとコンセプトそのものが変わったわけではない。それを実現する技術やその見せ方が進化した
初代、2代目が築いてきた「セルシオのかたち」。具体的には横浅グリル、太目のCピラー、3段重ねの
テールランプなどの細部は、3代目にも受け継がれている。基本フォルムに大きな変更がありながら、明らかにセルシオに見えるのは、こういう遺伝子の継承があるからだ。