どこよりも詳しい(笑) ポータブルストレージシステム「Tripper」レビュー


ポータブルストレージのアドバンテージ

 サイバーショットの致命的な欠点のひとつが、記録媒体が「メモリースティック」ということだ。
 他の記録メディアと比べると高価(コンパクトフラッシュの同容量の3割増しくらいか?)で、
 しかも従来型のスティックは容量が最大で128MBまでしか無い
 だがデジカメの高画素化は進む一方で、画像一枚あたりの容量が2MB前後まで膨れ上がってしまった。
 128MBのスティックでさえ計算上では64枚程度までしか保存できない。
 一週間程度の海外旅行に行こうものなら、何枚ものスティックが必要になるだろうが、
 128MB一本につき現時点でだいたい8千円強の値段がする。

 実は256MB以上のスティックがこの春リリースされたのだが、これは最新の機種でしか利用できず、
 しかも価格もかなり高価とあって、おいそれと買い求めるわけにはいかない。

 結局、今までのデジカメユーザーの多くは、旅行に行く時には
 いくつかの画像を消すことで場を凌いでいくか、大枚はたいてメディアを大量に買うか、
 最後の手段として重いパソコンを持ち歩き、メディアが一杯になったらパソコンにデータを流すか…。
 どれかを選ぶしかなかったのだが、どの選択肢も現実的では無いのは明確だろう。
 だが、このジレンマを解消するような製品が昨年あたりから販売されるようになったのだ。

 それがここで紹介する「ポータブルストレージ」だ。
 直訳すると「持ち運びできる記憶装置」。
 海外メーカーのものを含めると結構種類はたくさんあるのだが、多くの製品は本体にハードディスクを搭載し、
 デジカメのメディアに記録されているデータを吸出しハードディスクに保存してくれるというスグレモノだ。

 PCカードスロットやコンパクトフラッシュスロットを搭載し、アダプターを利用すれば
 メモリースティックやSDカードなど他の種類のメディアのデータ吸出しにも対応する。
 単体で使えるのでパソコンを持ち歩く必要はなく、バッテリー駆動する機種が多いので
 電源を確保できない屋外でも問題なく利用できるのがポイントだ。

 使い方としては、デジカメで撮影していてメディアが一杯になったら、
 このポータブルストレージにメディアを挿入してデータを転送する。
 転送したらメディア内の画像を消して、カメラに戻せばまたメディアが空の状態から撮影できる。
 つまり、これがあれば大量のメディアを用意する必要はなくなり、
 旅行に行く時にも最小限のメディアだけ用意し、メディア一杯になる度にストレージに移せばよい。
 非常に経済的に大量の画像を撮影できるのだ。

 

 …で、数あるポータブルストレージの中から管理人が最も自分の用途に合っていると考え、
 購入したものがここで紹介する 株式会社 飛鳥社製の「Tripper」だ。


「Tripper」
※写真のメモリースティックアダプターとメモリースティックは別売り品です。

 大まかなスペックを列挙すると…
 ・20GBのハードディスクを内蔵。
 ・バッテリー駆動可能。
 ・電源を入れてから最短ワンタッチでデータ保存が可能。
 ・コンパクトフラッシュスロット搭載。アダプタ経由でメモリースティックにも対応可能。
 ・パソコンに接続すれば、外付けのHDDとコンパクトフラッシュスロットして利用できる。
 ・パソコンとの接続はUSB2.0。データをパソコンで取り出す時に、高速転送でストレスが少ない。
 ・ポータブルストレージ系では最安値の27,800円。

 この機種を選んだ最大のポイントは価格だろう。
 なんせ、これを買った当時(2002年8月)、パソコンショップではUSB2.0の20GB外付けHDDが
 だいたい2万円弱くらいで売られていたのだから、付加価値を考えるとかなり割安感がある。
 競合機種の中には、これよりももっと小さかったり、HDDの容量が大きかったり、
 出力端子で保存した画像をテレビに映し出すことが可能なモデルも存在したのだが、
 その多くが5万円以上の値段だったため、この価格だけでも大きなアドバンテージだったのだ。

 

とても好印象な「株式会社 飛鳥」

 正直、これをリリースしている「株式会社 飛鳥」という会社はそれまでまったく知らなかったため
 サポート面などで一抹の不安があったのだが、実際に使っている人の感想を聞いたところ
 非常に対応は親切ということであったし、さらにメールで同社に問い合わせてみたところ、
 対応は非常に紳士的で丁寧かつ、堅すぎない非常にいいイメージだったので
 これなら安心だろう、ということで購入に至ったわけだ。

 実は夏休みに家族で旅行に行く予定があり、それにあわせて本製品を購入したわけだが
 前年にパソコンを携帯して非常に苦労した経験から、今年はなんとかしたいという想いがあった。
 (メールで問い合わせたのは、この旅行予定日までに配送可能かどうか、
 メモリースティックをアダプタ経由なので使用可能か、ということだったのだが、
 すばやく動作確認の取れているアダプタを購入できるURL付きで教えてくれた上、
 旅行に間に合えばいいのですが…という心配までしていただいた(^^;

 さらに、このレビューを一般に公開する前に、同社に紹介してよいかをメールで尋ねたのだが、
 その際にもこの記事を確認してくれて、その上誤字なども指摘してくださった。
 

 

コレは(・∀・)イイ!! 考えられた利便性と直感的な操作性

 …で、使ってみてすぐにこの製品がかなりよく出来たものだと認識するに至った。
 20GBもの容量があるので撮りたいだけ撮れるし、失敗作を容量確保のために消さずとも
 Tripperに転送してしまえばメディアは空に戻るので、いちいち消さなくてもいい。
 これはかなり大きなことで、失敗を全く臆することなくひたすら撮影に専念できる
 メディアを2枚用意しておけば、片方のメディアのデータを転送中でも、もう片方で撮影継続でき
 移動中の風景撮影など常にカメラを構えていなければならない時でも
 撮影が中断されるのはメディアを引き抜いてしてTripperの転送ボタンを押すときだけ。
 単なるデータ保存装置ではなく、撮影者の機動力を大幅に高めてくれるアイテムなのだ。
 あると無いとじゃ大違い、一度使うと撮影の時には手放せない存在になるだろう。

 Tripper自体の操作性もよく考えられている。
 起動時間は約5秒だが、HDDを搭載することを考えればこの起動時間は立派だ。
 操作は液晶画面のガイドを見ながら行うのだが、これが非常に直感的で分かりやすい
 液晶画面の説明はすべて日本語で表示される。
 本体には4方向のキーとエンターキーだけしかボタンはついていないし、
 どのキーを押すとどうなるかがすべて液晶画面で案内される仕組みなので
 説明書を読まなくとも殆どの人がすぐに使えるだろう。
 メニュー構造は以下のようになっている。

 トップ画面から方向キーどれを押してもコマンドメニューへ移行する。
 コマンドメニューで行える全操作を以下に列挙した。

クイックバックアップ 選択すると即座にHDDへのデータコピーを開始する。
バックアップ 保存前にフォルダ名を変更できる。使える文字は英数字のみ。
HDDに移動 コピーを行った後、メディア内のデータを自動的に削除してくれる。※
CFへコピー Tripper本体に保存したデータをメディアに書き戻すことができる。
どのフォルダのデータを書き戻すかを指定し、コピーが行われる仕様だ。
CFファイル削除 メディア内のデータをすべて削除する。※
HDD領域情報 Tripper内のHDDの使用領域と残り容量を表示する。
液晶濃度 液晶のコントラストを調整できる。
オートパワーオフ 操作しないと自動的に電源を切る機能の設定。
バッテリー駆動時とAC駆動時でそれぞれ有効・無効を設定できる。
有効時の設定は1分・3分・5分から選択可能。
ビープ音 操作時のビープ音のオン/オフを設定可能。
日時設定 日付と時間を設定する。ここで設定した日付が画像を保存するフォルダ名に反映される。

 ※管理人はメモリースティックをアダプター経由で利用しているのだが、
   アダプタ利用による弊害だろうか、データ削除の際、実際にデータは削除されるのだが、
   Tripper側が削除完了を検知できないようで、いつまでも「削除中…」の表示が消えないという不都合がある。
   この場合は、強制的に電源を切るしかない。
  
画像の消去はカメラ側のフォーマット機能などを利用するといいだろう。

 さらに、トップ画面のエンターキーには、最後にコマンドメニューで行った操作が記憶されるため、
 一度コマンドメニューでクイックバックアップを選択しておけば、
 次回からはTripperを起動してからこのエンターキーを押すだけですぐにバックアップが開始される。
 まさに電源を入れたら「ワンタッチ」でデータ保存が行えるようになるのはありがたい仕様だ。
 また、意外と使えるのが「CFへコピー」の機能。
 一旦Tripperにデータを転送してしまうと、撮影した画像はTripper単体では確認できない。
 だがCFに書き戻すこの機能を利用すれば、デジカメの液晶で撮影画像を再び見ることができるようになる。
 旅行中、宿に到着して一日の行動を振り返る時などに、デジカメから映像ケーブルでテレビに出力すれば
 撮影した画像をみんなで確認することも可能。
 さらに、フォルダ名は例えば2003年3月31日なら、「030331.001」のようにいつ撮影したかが
 すぐに分かるように配慮されている。一日の間に複数回転送を行った場合には、
 後ろの3桁の数字が001、002、003…のように増えていく形式になっているので、
 順番にデータを転送していけばフォルダ名をみるだけで大体にどの画像が何処に入っているかが分かる。
 これは「CFへコピー」の機能を利用する際、お目当ての画像を探す目安にもなるので便利だ。

 このように、なかなか利用者の立場にたった細かい配慮がなされているのには好感が持てる。
 しかも、電源を切る際には「お疲れ様でした」という文字が。
 うーむ、多くのデジタル機器を触ってきたが、終了時に「Good Bye!!」などという製品は数あれど、
 「お疲れ様でした」と励ましてくれる製品はこれが初めてだ(笑
 メールでのサポート体制といい、この本体の仕様といい、なんかこの会社っていい感じだ(^^

 

メーカー公開の仕様よりも長持ち?! バッテリー関連

 なお、多くの人が気になると思われるバッテリー駆動時間とデータ転送速度についてだが、
 一枚の画像を転送するのにだいたい2秒弱かかる。私のカメラは一画像約1.5メガバイト程度なので
 計算上は128MBのデータを転送しきるのに3分強の時間がかかることになる。
 実際にはこれに加えてメディアへのアクセス時間が10数秒かかるので、トータルで大体3分半くらいか。
 ただ、管理人が利用しているメディアがメモリースティックということもあり、
 コンパクトフラッシュやマイクロドライブを利用した時はメディアの規格上、もう少し転送速度は速いはず
 次にバッテリー駆動時間だが、私が普段使っている64MBのメディアを用いた際で、
 12〜3回くらい転送した段階でまだバッテリーが余っているという感じだった。
 メーカー側は1GBマイクロドライブのデータを2回くらいは転送できるとしている。
 実は 飛鳥 からこれまで何度かファームウェアのアップデーターが公開されており、
 その中には転送速度がアップするというものも含まれていて、
 このあたりのサービスの良さもこの製品を利用する上での魅力といえる。
 (これらのファームウェアアップデートもメールで案内してくれる)  
 また連続利用だと比較的速くバッテリーを消耗するようだが、容量の小さいメディアを利用し、
 こまめ転送するスタイルであればほとんど丸一日バッテリーの心配はないと思われる。
 付属のACアダプタは比較的コンパクトなので、泊りの旅行なら宿泊先で充電する手もアリだろう。

 (追記:最近同社のHPを見たところ、従来機種向けの外付け電池アダプタも開発中とのこと。
 ヘビーユーザーもコレで安心だ。私も発売されたらひとつ買おうかな。)

 

ほぼ完璧な出来だが、惜しい点も

 管理人は他のポータブルストレージを使ったことがないから比較はできないが、
 単にデータを保存するだけに留まらない、非常に便利な商品だ。
 他のストレージと比べても価格は激安なのに、内容には殆ど妥協は無いといっていい。
 パソコンとの接続がUSB2.0というのも現状では一番無難だし、
 高速転送は出来なくなってしまうが、普通のUSBポートにも接続はできるから
 殆どのパソコンで問題なく利用できるだろう。
 外付け20GBのハードディスクとしても使えるので、旅行などにかぎらず
 日常的に応用が利くアイテムだ。
 だが、少ないながらも惜しいポイントがある。

 まず、パソコンでの利用には トリッパーツールという独自ツール必要になることだ。
 このツールはタスクバーに常駐することになるため、Win2000やXPなどを利用する場合はいいのだが
 Win95からWin Meなどを使っている場合はシステムリソースを消費する常駐アプリケーションは
 極力減らしておきたいはず。取り外しのときなどにもこのツールを介するのはちょっと面倒。
 できることなら、ドライバのインストールだけで動作するようにして欲しいところだ。

 また、おそらくコストダウンのためだろうが、取扱説明書は最小限のものだけしか付属せず、
 ドライバのインストール方法など詳細についてはCD-ROMに収録されたpdfドキュメントを参照する必要がある
 OSによってドライバのインストール方法が異なっているために、
 pdfファイルのあちこち見ながら作業するのはちょっと面倒で、もどかしいところがある
 (特に古いパソコンではPDFファイルを取り扱う際に満足な動作速度でない場合も多い)
 是非とも、CD-ROMではなく印刷物として取扱説明書を付属してほしいところだ。

 そして、実際の運用面で唯一の欠点といえるところは、液晶画面。
 バックライトなどの液晶を確認する補助装置が用意されていないので、
 暗いところでの利用は不便だ。
 バッテリーの消費を考えると、電力を消費するバックライトが厄介なのは納得できるのだが、
 できることなら暗いところでも利用できるような何らかの方法が欲しい
 
 

 だが、これらの欠点もはっきり言ってしまえば価格の安さで相殺か、と思えてしまうところもある。
 とはいえ、HDD自体はだんだん値下がりしているので、
 他の部品にもう少しコストを費やせば現在と同じ価格でも上記の欠点は克服できるかもしれない。
 このあたり、是非とも次期製品での改善を望みます。
 どうかよろしくお願いします>株式会社 飛鳥 様 と技術者の皆様

 なお、近くこのTripperの上位機種として40GBのHDDを搭載したバージョンが発売されるそうだ。
 価格は47,800円(予価)ということ。
 前述の外付けバッテリーケースやキャリングケースも付属するということで、
 これも容量と付加価値を考えればコスト比パフォーマンスは相変わらず高い。
 USBバスパワーにも新たに対応したということで、発売が楽しみだ。
 3月7日より同社HPで注文受け付け開始ということ。
 40GBという容量は外付けのHDDとして使うにも魅力的だし、
 長く使える一品なので思い切って投資してみるのもいいかも。

 参照:株式会社 飛鳥 のホームページ

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