自社株の贈与による移動


(1)株式の評価が必要


 事業承継にあたって自社株を移動する場合最もポピュラ−な移動手法が贈与によ

る移動です。オーナ−社長から後継者である息子への贈与を前提とした場合、まず

自社の株価の相続税評価額を算出することになります。評価は会社規模で異なる上

大変複雑ですので専門家の税理士に依頼することになります。


(2)贈与税と相続税の関係

 贈与税は年度ごとに非課税枠がありますが非常に低く、その範囲内で行おうとす

ると自社株の移動に長期を要することとなります。従って自社株以外の財産全体の

評価額を算出し、予想される相続税額の課税の税率を把握した上で、その範囲以内

での贈与税率の負担を覚悟して移動することが多くあります。

 例えば相続税の税率が30%であれは、20%の贈与税の負担で税金を前払いす

ることになっても得かどうかの判断をするということです。ただし、相続人への贈与

ついては相続の開始前3年以内の贈与は相続税で再計算となりますので早期の贈与

開始が重要となるわけです。


(3)贈与対象者の選定

 
 贈与対象者は後継者本人を基本としますが、株価が高額で期間的にも困難な場合

は後継者の家族へ贈与の対象を拡大することも考えられます。この場合、後継者

の配偶者や子供などは相続人では無いため相続開始前3年以内の再計算の対象とは

なりません。

 その他、後継者の家族以外にも親族関係者への贈与が考えられます。多くの対象

者に小口に毎年贈与することが贈与税負担を抑えるコツですが、事業承継を第一に

考えた場合は親族といえどもあまり多くの人に贈与することはお勧めできません。

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