審判経験談(&雑談)
Last Up Date 2002.3.20
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Referee's Cafe より:2000年クラブカップ日記 活動報告
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「関西学連審判講習会」
今日、関西学連(関西大学バレーボール連盟)の学生審判員講習会の講師として、兵庫県立総合体育館に行って来ました。4年前と3年前、私はこの講習会を受けたことで、現在審判活動をしていると言っても過言ではありません。今日はそのときの恩返しと思いつつ、後進の指導に当たりました。
さて、この学連の講習会なんですが、毎年1回、この時期に行われています。その目的は、春季・秋季の各リーグ戦での審判員を育成するためです。関西では、1部の主審&副審、2部の主審までは日本協会公認の審判員が割り当てられることになっているのですが、2部の副審、3部以下の主副審はすべて学生審判で運営することになっています。ですので、年に一度このような講習会を行い、リーグ戦の運営がスムーズに行えるようにします。またこの講習会、成績優秀者には「日本バレーボール協会公認審判員C級」の資格が与えられることになっています(もちろん6人制のみの講習会なので、9人制では審判をすることができません)。ですので、学生審判で上を目指すのであれば、是非とも受講して欲しい講習会です。
さて、今日の講習会の内容ですが、もちろん実技講習です(私にはまだ講義を行うだけの知識がありません)。1セットの内に2組の主副審が審判を行い、その評価を私たち講師陣が行うわけです。で、この講習会を見ていると、自分自身でも気をつけなければならないなぁと思うことが多々見つかりました。
私の担当したコートでよくあったのが、ポジショナル・フォールトの間違い。よくあるケースは、セッターが後衛から飛び出してくる時、飛び出しが速くないかどうかというもの。これはほぼ全ての受講生が正しく見ることができていたと感じました。しかしながら、次のようなケースで失敗していました。
○−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−○
| |
| FL |
| BL |
| FR |
| FC |
| BC BR |
| |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−F:フロント(前衛) B:バック(後衛) L:レフト C:センター R:ライト
今、BLがセッターです。このように図に書けば一目瞭然だと思うのですが、BCとBLの左右の位置関係が逆になっています。実際にはBCの左足(左サイドライン寄りの足)と、BLの左サイドラインよりの足の位置関係のみが関係しています。BCの左足よりも、BLの左サイドラインよりの足がサイドラインに近ければ問題ないのですが、そうなっていないケースが何度もあり、全ての講習生がこの位置関係に疑問を持っていませんでした。
セッターがらみのポジショナル・フォールトでは、このような左右の位置関係は以外と見落としがちになります。特にこのケースの場合は明らかな反則だったので、取って欲しかったと思いました。
ではチームとしては何を気をつけなければならないのか。このようなポジションを取る場合、気をつけなければならないのはBCの人です。セッターはおそらくそこまで気が回らないので、BCが少し右寄りにポジションを取るなどすれば、ポジショナル・フォールトを防ぐことができます。
今回の講習会の感想(?)ですが、講習生を教えていると自分に果たしてそれが完璧にできるのか?という疑問がどんどん浮かんできます。そういった意味では、講習生に教えつつも自分自身にも言いきかせているといった感じだったと思います。ともかく、今日は貴重な体験をさせていただきました。
[2002.3.20]
「Vリーグ女子ファイナルラウンド(追記)」
前回書いたのは、自分の審判体験談。今回はそれ以外の話。
今回のVリーグ男女ファイナルラウンドには、日本と韓国による審判員の交流を行っていました。韓国バレーボールスーパーリーグの決勝ラウンドと、日本のVリーグ決勝ラウンドにおいて、1名ずつの交流を行っていました。大阪での女子決勝ラウンドでも韓国の国際審判員が1名、大阪に来ていました。で、今回戦評にしろ、ラインジャッジにしろ、割り当てのあった試合ではすべてこの方が主審or副審をしていました。
とりわけ何かがあったと言うことはないんですが、このような審判委の交流というのはとても意味のあると思います。Vリーグだけじゃなく、様々な大会でこのような試みを行っていけば、日韓の交流がさらに進んでいくと思う。どうせなら東アジア地区全体で、このような交流を行っていけばいいとも思う。特に、ナショナルチームの強さを見れば、中国との審判員交流も必要なんではないでしょうか。
そんなわけで、ファイナルラウンドの3日間、韓国から来た国際審判員の方には大変お世話になりました。今回のみで終わらず、今後もこのような交流が続いていくことを期待しています。
[2002.3.16]
「Vリーグ女子 ファイナルラウンド 審判レポート」
3月8日(金)〜3月10日(日)にかけて、大阪市中央体育館にてVリーグの女子決勝ラウンドが開催されました。修論発表会も終わり、時間的にも気分的にも余裕のあった私は、この3日間、中央体育館へ審判員として行ってきました。この決勝大会、実は直前まで下っ端には割り当てが全く知らされておらず、とりあえず先週の大会の時に全日程参加できると言うことのみを伝えていました。だから何に当たっているのか分からないまま、会場に行くことになりました。
ということで初日、割り当てはNECvs東レの戦評でした。で、いままで一度も戦評ってどんな物なのか詳しく書いたことがないので、今回はちょっとそのへんも書きたいと思います。私が戦評と言っている物は、正式には「試合会場レポートとして、Webその他の出版物に掲載されます(確かFaxサービスでも取り寄せることができたと思います)。これにはその試合の結果、試合開始時間、第1セット出場メンバー、各セットの得点と所要時間といったゲームのデータ。そしてMatch Comment、両監督のコメントが掲載されています。戦評というのは、この中のMatch Commentを書くことになります(昔は手書きで、全てのデータを戦評に当たった人が書くことになっていたのですが、現在はマッチコメントの部分のみをPC入力により書くことになっています)。
ちなみに、私がこの試合で書いたマッチコメントは以下のような物です(JVAから許可もらっていないので、消せと言われれば消します)。
レギュラーラウンド1位の東レ・アローズと4位のNEC・レッドロケッツの試合は、第1セット終盤までお互い一歩も譲らない戦いとなった。NECは終盤、東レのレシーブの乱れを突き、25−22でセットを取ると第2セットも竹下のサーブから一気に6連続ポイントを重ねた。その後も東レに対して攻撃的なサーブを放ち、レシーブ陣をかき乱した。東レは自分達の持ち味を生かせないまま、17−25でこのセットも落としてしまう。後のない東レは第3セット、1−4と離されてしまうが、エース熊前がここで奮起し、レフトから豪快なスパイクを次々と決め逆転に成功。その後は一進一退の攻防が続いたが、中盤からNECは熊前に対するブロックを強化した。これが功を奏し、一気に5連続ポイントを奪い、16−12と東レを突き放した。東レも終盤、木村、向井らを中心に4連続ポイントを取るなど反撃したがここまで。NECが25−22でこのセットを取ると、決勝ラウンドの大事な緒戦をものにした。
これを書くために、自分でいろいろなデータを取ります。たとえばサーブカットが返ったか返らなかったか、スパイクは誰がどこからどのようなスパイク(クイックなのか、オープンなのかなど)を決めたのか、連続ポイントは誰がきっかけになって取り始めたのかなど、結構細かく記載していきます。そしてセット間にチアが踊っているのも見ずに、少しずつ文章を構成していきます(ちなみに、現在の試合会場レポートには作成者の氏名が入るようになっています)。
とりあえず初日は、戦評をやったということで…。
3月9日(土)。実は初日の日に「3位決定戦のラインジャッジに当たってる。それまでは戦評でいくからそのつもりで」と告げられていました。ですので会場に行く前には、戦評を書く準備をある程度してから行きました。ですが実際には、なんと東レvs久光製薬のラインジャッジに当たっていました(すでにお気づきかもしれませんが、この試合はNHK総合にて録画放映されていました)。
この日の担当ラインは2番、久々のエンドライン担当でした。先週から2番と3番の担当ラインのコーナー(つまり2番の足下)判定についてもめるケースがいくつかあり、それをかなり気にしながら審判をしていました。ですが今回はそれ以外のケースで、難しいケースがいくつかありました。
まず一つ目。第1セット開始早々、手前側コートのネット際ではじかれたボールが副審側のアンテナに向かって飛んで行き、そのボールがアンテナ付近で手前に跳ね返りました。そのボールを見ていると、私はアンテナには当たらず、白帯に当たって手前に跳ね返ったように見えたので、フラッグは振りませんでした。このとき、反対側コートにいたラインジャッジ二人はアンテナに当たったというフラッグ・シグナルを送っていましたが、どうやら主審の先生も当たっていないと判定したようで、そのままゲームは続行されました。
アンテナに当たったのか、白帯に当たったのか、この判定はものすごく難しいと思います。どうすればいいのかというのは一概には言えませんが、直線上にいるラインジャッジよりも、その対角線上に位置するラインジャッジなどのほうが見やすいと言うことは言えるのではないでしょうか。
第2のケース。これはどうやらテレビでも使われていたようですが、ボールコンタクトをめぐっての争いでした。センターよりもやや副審寄りの反対側コートから放たれたスパイクが、レシーバーの上を通り越し、ちょうど私の足下、コーナー付近に落ちました。エンドラインとしてはボール・インだったのですが、サイドライン方向がかなり微妙だったので、とりあえずサイドライン(3番)の判定を待ちました。すると、サイドラインはボールコンタクトのフラッグ・シグナルを出していました。私には、ブロッカーのボールコンタクトが全く確認できなかったので、とりあえず判定を出さずにそのまま固まっていました。
すると、両チームが触った、触っていないでもめはじめました。結局私と3番のラインジャッジ二人が主審に呼ばれ、その確認を取りましたが、最終判定はボールアウトと言うことになりました。たしかにブロッカーは触っていないと思い、判定を出さなかったんですが…。
ゲーム終了後、ジュリーの先生や外のコートから見ていた先生方の話を聞くと、どうやらあのボールはレシーバーがワンタッチをしていたそうなんです。少し戻ってもらえば分かると思いますが、ボールがレシーバーの上を通過したとき、実はレシーバーがボールに触れていたんです。しかも私の近くで…。
全く気づきませんでした。というか「ブロッカーはワンタッチ無し」と思ったために見逃してしまったのかも…。これまたこのボールコンタクトに気づいたのが一番遠くにいた4番のラインジャッジ。レシーバーのワンタッチだったため、もちろんシグナルを出せばおかしい事になります。それで私たちが呼ばれたときも、主審の側に来ることは無かったのですが…。
上記二つ以外には特におかしな事はなかった(と思いたいです)。とある選手にライン判定で詰め寄られたことを除けば…(だめですね。まだまだ修行不足…)。そんなわけで、この試合が終わった後、はっきり言って3位決定戦のラインジャッジは無くなったと思っていました。
3月10日(日)。いよいよVリーグ女子も最後の戦い。私も最後のラインジャッジが当たっていることを願いつつ(昨日の失敗があったので)、会場に試合開始の3時間前ぐらいに行きました。会場に着き、しばらくしてからコート周辺の準備を行い、今日の戦いに備えました。
1時間前、運命の割り当て発表。初日に伝えられたとおり、私は女子ファイナルラウンド・3位決定戦のラインジャッジに当たっていました。審判活動3年目にして与えられた大舞台、割り当ての発表があった瞬間から、この場に選ばれたことに対するいろいろな気持ちが、一気に出てきました。初日に伝えられたときには、実感が湧かなかったんですが、当日に審判長から発表されると、その気持ちは緊張感という形で出てきました。
本当に私がこの場に立っていいんだろうかという不安。いままで十分任務をこなせてきたから大丈夫だという自信。私がこの場に立っているということは、私以外にはずされた人がいるんだという事実。そしてそうなった人たちよりも絶対にうまくやらなければならないというプレッシャー…。とにかくいろいろな考えが思い浮かびました。でもここまで来たら、自分の力を信じて全力を出しきるしかない。そう思ってラインジャッジに臨みました。
3位決定戦、対戦カードは東レ・アローズvsパイオニア・レッドウイングス。レギュラーラウンドを1位と2位で折り返した2チームが、3位決定戦で戦うという、なんとも皮肉な対戦カード。私はこの試合、3番を担当することになりました。たまたまですが、この試合のラインジャッジは4人中3人が先週、堺ブレイザーズのベスト4入りを賭けた試合のラインジャッジを担当していたので、その3人はそのときと同じラインを見ることになりました(あるいはそういうことが、この3位決定戦を任せられた事につながっているのかもしれません)。
試合のことはあまり覚えていません。特に難しい判定も無かったと思います。とにかくコーナーにおけるライン判定を、しっかり見るということを、4人でちゃんと打ち合わせしていたのがよかったんだと思います。いらない旗もたくさん出しましたし…(判定には全く関係ないんですが、そこまで出さなくてもいいだろうというケース)。
終わってみての感想は、「とりあえず疲れた」でした。もめるような判定も無かったのですが、やはり細かいミスはいくつかありました。ジュリーの先生などからは特別なにもいわれなかったのですが、全く反省すべき点が無かったといえば、もちろんウソになります。この大舞台でのラインジャッジ経験はとてもとても勉強になりました。
とりあえず3日間のレポートは以上です。最後はなんだかまとまりがつかなかったのですが、文章力無いので許してください。もう少し書きたいことがあるので、また後日書きたいと思います。
[2002.3.11]
「Vリーグ男子大阪大会」
3月2日、3日とVリーグ男子大阪大会(レギュラーラウンド最終戦)に行ってきました。今回のVリーグは最終週になるまで、ベスト4が一つも決まっていないと言う大混戦で、この大阪会場に来ていた全チーム(NEC、サントリー、堺、松下電器)にベスト4入りの可能性があり、全ての試合が接戦になると言う予想でした。2日の試合が終わった時点で、大分会場で試合を行っていた東レ、そして大阪に来ていたNEC、サントリーの計3チームが決勝ラウンド進出を決めました。残るはあと1チームで、この時点で可能性があったのはJTと堺の2チームでした。
3月3日、JTは大分会場で日立国分と対戦、そして堺は松下電器と対戦することになっていました。私は後者、堺ブレイザーズvs松下電器・パナソニックパンサーズの試合で、3番のラインジャッジを担当することになりました。前述の通り、堺にとっては決勝ラウンド進出を懸けた大事な試合です。この試合で、3番のラインという、ラインジャッジでは一番難しいとされる所を、主審の先生からの指名により担当することになりました。
(この試合は3日日曜日の午後7時からNHK-BSにて放送されていたので、もしかしたらご覧になった方もいるかもしれません。)
テレビ中継があると、体育館内の大型スクリーンにその画像が表示されることになっています。もちろん、リプレイなども出るわけですが(これが結構くせ者だったりします)、大阪市中央体育館の場合、3番、4番のラインジャッジからはこの大型スクリーンが簡単に見えるんです。だからリプレイが流れるとついつい目がそちらに行ってしまいます。
第1セットはほとんど何事もなく、無事に任務をこなすことができました。第2セット、前半で堺の甲斐選手がうったサーブが3番のライン上に落ちました。ライン上といってもかなりきわどく、私が見た感じではボールの中心がラインの左側4分の1ぐらいの所に落ちたんです。すぐさまボール・インのフラッグ・シグナルを出しました。すると松下電器の選手が私の方を見て「えぇ〜っ?今のイン?」という顔をしていましたが、直後にスローのリプレイが大型スクリーンに流れたんです。それを見ながら、やはりライン上左側に落ちていると言うことを確信し、心の中でガッツポーズをしていました。
(ちなみに、今日またそのときのビデオを見て、そのリプレイをさらにスローにして見ていました。)
閑話休題
第4セット、3番のライン判定で一番難しい(と思われる)ケースで、ワンタッチが分からないと言うことがありました。いわゆる「おつり」と言われる物です。
「おつり」というのは、スパイクしたボールがブロックされ、そのブロックされたボールがスパイカーにわずかに触れる事を指します。たいていの場合はそのままボール・アウトになるので、「ブロックアウトのはずのボールが、おつりをもらったために相手チームに得点が入った」というような使い方をします(たぶん…)。
で、縦のラインではこのケースの判定が瞬時に間違いなく出せれば、ものすごくかっこいい(と思っている)です。自分のコートから相手コートへの攻撃を行う場合は、まだ判定はしやすいです(ボールはものすごく速いんですが)。しかしながら、反対側コートから自分の方へ攻撃してくるとき、特にストレートを抜いて打とうとする場合は、ブロッカーは見えるのですが、スパイカーがその影になってしまい、「おつり」を見逃してしまう場合があります。
今回失敗したのは後者のケースです。確かにブロックされたボールの軌道は変に曲がったように見えたのですが、スパイカーに当たったかどうかという確信が持てなかったので、ボール・アウトの判定を出しました。ですが実際には2番のラインジャッジがこのワンタッチを見ていたようで、そのシグナルによって助けられました。
ちなみに、1番でもこのケースはラインジャッジ的にはものすごく分かりづらいです。ですが、主審側だと主審台から見えることが多いので、あまりもめることは無いと思います。3番の場合、副審はブロッカー側からボールを追う上、ブロック後はタッチ・ネット等の反則を監視しなければならないので、「おつり」が見えにくくなってしまいます。そういう意味で3番でのこのケースはかなり難しいと思っています。
さて、試合の方ですが、結局3−1で堺が勝ち、決勝ラウンドへと駒を進めました。これで4強が出そろったわけですが、いったいどうなるのか全く想像がつきません。今シーズンは波乱が多かっただけに…。
[2002.3.5]