研究室の概要

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Last update: 2002.01.29


これまでの研究成果はこちらです.研究室の活動の記録とこれからの予定はこちらです.

溶射プロセスを利用した材料開発と,溶射機構の解明

高度に発達した現代社会の基幹をなしているのは,材料 である.また,社会の発展に伴って注目を集めるようになってきた環境の問題,資源の問題も,その解決の鍵は材料 が握っている.

私たちの研究室では,プラズマ溶射プロセスを利用した新素材の開発 に取り組んでいる.
プラズマ溶射は,高温・高速のプラズマジェット中に金属,セラミックスなどの 原料粉末を投入し,熱エネルギ−と運動エネルギ−を与えて基板に衝突・積層させ,皮膜をつくる技術である.この手法を利用して,過酷な環境に絶える材料,エネルギ−効率のよいエンジンを作るために必要な材料をはじめ,人間の骨の代わりになる生体材料などさまざまな材料の開発を行っている.

また,プラズマ溶射プロセス自身にもまだわからないことが多く残されてる.そこで,この手法をより高度で信頼性の高い技術にするため,溶射機構の解明 にも取り組んでいる.

さらに,機能性焼結材料の開発にも取り組んでいる.セラミックスや金属間化合物は優れた物性を持ち魅力的な材料ではあるが,加工が困難である.このため粉末の焼結によって製造されている.この焼結現象は,粉末表面の性状に強く依存する.そこで,粉末表面に焼結性のよい微粉末を複合化することによって,焼結性の改善が図れると同時に,新たな機能を付加することが出来る.このような,粉末の複合化による 機能性焼結材料の開発 も試みている.

プラズマ溶射プロセスと焼結プロセス.プラズマ溶射はミリ秒,焼結はキロ秒のプロセスであり,一見大きく異なっているように思われるが,どちらも粉末 を出発原料にするところに共通点がある.

私たちの研究室では,このようなプロセスを利用して,新しい物性,機能を持った材料の開発と機能発現機構の解明に取り組んでいる.

粉末の複合化による機能性焼結材料の開発


研究は,大きく分けて次の6つのトピックスからなっている.

溶射拡散法:溶射と熱処理を組み合わせた新しい表面改質技術

粉末の複合化による高機能溶射皮膜の開発

反応性プラズマ溶射による高窒素ステンレス鋼皮膜の開発

超高速ビデオカメラシステムによる溶射粒子挙動の解析

表面形態の解析による溶射皮膜形成機構の解明

粉末の複合化による機能性多孔質セラミックスの合成


溶射拡散法:溶射と熱処理を組み合わせた新しい表面改質技術

 Spray Diffusion Process


溶射後の熱処理によって溶射皮膜と基材との間で拡散合金化させると,溶射皮膜の欠点の一つである基材との接合強さが向上すると同時に,界面で生成した金属間化合物によって皮膜に新たな特性を付与することができる.

(カンメタエンジニアリング(株),大阪府立大学工学部 との共同研究)


粉末の複合化による高機能溶射皮膜の開発

 Hybridized Powder


溶射は,原料粉末が溶射ガンに投入されてから皮膜を形成するまで ms のオーダーで終了する非常に短時間のプロセスである.従って,この短時間のプロセスの間で初期の組織・特性の皮膜を得るためには原料粉末を最適化しておく必要がある.このような観点から,種々の複合粉末を開発し,粉末形態と皮膜組織の関係を検討している.

((株)奈良機械製作所,大阪大学歯学部 との共同研究) 


反応性プラズマ溶射による高窒素ステンレス鋼皮膜の開発

 Reactive Plasma Spray


これまでのプラズマ溶射では,プラズマジェットを熱エネルギー源と速度エネルギー源としてのみ利用してきた.しかしながら,プラズマは化学的に非常に活性な状態であり,反応場としても魅力的な存在である.そこで,このプラズマジェット中に窒素あるいは炭化水素系のガスを導入して,窒化物,炭化物をその場生成しようと試みられている.
本研究室では,反応性プラズマ溶射を利用したステンレス鋼の窒素富化を試みている.
窒素をステンレス鋼に添加すると,靭性を損なうことなく強さが増すばかりでなく,耐食性も向上する.しかしながら,高価な高窒素ステンレス鋼粉末を用いても,一般には溶射中に窒素量が減少する.本研究室では,溶射条件を選ぶことによって安価な通常のステンレス鋼原料粉末を用いて,溶射中に窒素を富化できることを示した.

(RWTH Aachen,Drexel Univ.,通産省 工業技術院院 大阪工業技術研究所 との共同研究) 


超高速ビデオカメラシステムによる溶射粒子挙動の解析

 High Speed Video Camera System


1992年,本学理工学部,江藤教授らのグループが世界最高の撮影速度 40,500 pps の超高速ビデオカメラシステムを開発した.本研究室では,このカメラシステムを利用して溶射粒子飛行挙動の動的観察と速度計測に成功している.また,同研究室と協力してカメラシステムをカラー化し,温度速度同時計測システムの開発に取り組んでいる.

(近畿大学理工学部土木工学科,近畿大学工業高等専門学校 との共同研究) 


表面形態の解析による溶射皮膜形成機構の解明

 Splat Morphology


溶射機構解明のために様々な取り組みがなされてきているが,これらの多くは個々のスプラット(溶着粒子)の扁平凝固過程に着目したものであり,実際の溶射皮膜形成機構を説明できるまでには至っていない.溶射皮膜は様々な速度・温度を持って飛行する粒子によって構成される.本研究では,溶射皮膜表面ならびにスプレーパターン表面をスプラット形態の分布に着目し,これらを解析することによって溶射機構を解明することを試みている.

 


粉末の複合化による機能性多孔質セラミックスの合成

 Ceramic Coated Ceramic Composite: C4


焼結現象は粉末の表面性状に強く依存する.したがって,粒径の比較的大きな粉末表面に焼結性の良い微粉末を複合化することによって,気孔形状と焼結性を独自に制御することができ,高強度多孔質セラミックスを創製できる.また,粉末表面に多種の粉末を複合化することによって,焼結性の改善,気孔内表面の修飾による新たな機能の付与などの効果が期待できる.

(福井県工業技術センター,(株)奈良機械製作所 との共同研究) 


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