2002年8月11日 山梨県富士川水系N川

このN川への釣行の誘いを受けたのはちょうど1年前の事。誘い主は釣り友達のべっぴちゃん。

彼のブルー色の愛車”mini”が二人の男と二本のロッドを乗せブルンッ、ブルンッと雨上がりの中央高速を西へ向けてひた走る。
「俺は頑張ってるだッ!」と主張しているかのようなエンジン音、地面の段差を完璧に伝えてくれるちょっと固めのサスペンション。
決して乗り心地は良いとは言えないかもしれないけど、そこがまたいい。凄くいい。昔、ルパン三世カリオストロの城で見たあのワン
シーンを思い出す。気が付くといつの間にかに僕達はストーリーの主人公になっている。そんな物語りチックなべっぴちゃんの
miniが僕はとっても大好きです。

前日の台風18号の影響で勝沼ICからの国道20号は痛恨の通行止め。
仕方無くN川の左岸に位置する源次郎岳を迂回し、N川の上流へ回り込むようにして目的地を目指す。国道20号を通過出来きたならば
一時間弱で到着していたであろう目的地。かれこれ2時間近く「俺は頑張ってるだッ!」という叫びともとれる主張を聞き続けているが、
果てしなく峠道はクネクネと曲がり続ける。

地図上で見て、あと5キロの地点でminiの主張が完全に悲鳴に変わってしまった。
舗装道路から林道に変わった道はコブだらけのデコボコ道。車高の低いminiではこのデコボコ道を制覇するのは不可能に等しい。
それでもべっぴちゃんはminiの車高と車幅からライン取りを考えて、ゆっくりゆっくり進んでいく。きっとべっぴちゃんは二人
の釣り人の思いを無駄には出来ぬと一生懸命に運転をしてくれているのであろう。「なんだこの道ヨッー!」と文句を言いながら運転し
てくれるているべっぴちゃんの姿が嬉しくもあり、なんだかちょっと切なくも見えた。

そして、今、僕達は1年前に果たせなかったN川釣行の夢を果たすために中央高速を西へ西へとひた走っている。
ひとまわり力強く聞こえる「俺は頑張っているんだッ!」という主張を聞きながら...。