2006年8月10日(木),11日(金) 長野県安曇野 「仙人のスランプ」

台風7号が日本大陸を横断しようとしているまさにその時に僕達4人は
そのど真ん中の長野への釣行に出発しようとしていた。テレビのニュースでは
山や川へは危険だから近付かないようにと警告を発しているが
僕達にとってはなんの忠告にもならないのである。

クライマーが命を賭けて断崖絶壁の山を登攀するように、
釣り人にとっては川は自分と向き合う一種の命の洗濯の場なのかもしれない。
ましてや時間に束縛されるサラリーマン4人がやっとの思いで
休みを合わせたからにはそう簡単には、はい中止とはいかない
のである。中止とは来年を意味してしまう事に他ならないのである。

今回の釣行は長野県安曇野地方。この地は2年前に釣行経験のある場所。
その時にはなんの下調べも無しで訪れたにもかかわらずかなりいい思いをした川。
穂高町から中房温泉に向かう山道と並行して
流れるのが犀川水系中房川。中流域には尺クラスの岩魚が数多く棲息していると聞きますが、

道から100m近く下を流れる川へは到底降りる事はできません。ここを釣るとしたら
穂高川の合流地点から川沿いに遡行する必要があります。
ただし、そこはロッククライミングの技術を必要とする世界。
一般の釣り人では遡行は到底無理。下手をすれば怪我ではすまない。
実際、今までに何人もの人が命を落としてきたと聞きます。

2年前の入渓ポイントに到着したのは辺りが明るくなり始めた午前6時前。
台風一過で暑くなるのを覚悟していたけど、
車のドアを開けると冷たい冷気が長時間のドライブでなまった体を引き締めます。
その場所は上流域に位置するちょっとした小さな橋。橋の脇には上流の中房温泉から
引いてきていると思われるパイプがあり、蒸気を逃がす為の弁が「ピーッ!」と
勢いよく悲鳴をあげている。そう!確かに2年前にも聞いた音。おそらくその弁は
この2年の間、ずっと「ピーッ!」という音を鳴らし続けてきたのであろう。

その橋から見る上流には2mほどの滝があり、この川の遡行の難しさを想像させてくれます。
この場所にはべっぴ君とD級さんが入渓。仙人さんと僕はここから1キロ程先の堰堤の上の
車2台分ほどの駐車スペースに車をとめてそこから入渓。
午前11時にその場所に集合する事で時計を合わせて、さて開始です!!
(つづく)

日記:こいずみ

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