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2006年8月10日(木),11日(金) 長野県安曇野 「仙人のスランプ」(その2)
堰堤の上から僕と一緒に釣り上がるのは仙人さん。彼は僕ら4人の中でフライの経験が一番長く、
釣り方、釣果においても常にトップに君臨する存在。とくに彼が流す毛ばりは
僕が流す場合よりも確実に長く流れる。なぜそんなに長くながれるのか?
毛ばりの巻き方がいいのか?流し方がいいのか?不思議である。
僕はその謎を開明する為にはまずは仙人さんの毛ばりを僕自身が投げてみれば解決の糸口を
見い出せるのではないかと考えた。しかしながれこれとて、「はいどうぞ!」と言って簡単に
毛ばりをいただけるかというとそうは上手くはいかない。
僕自身もそうだけど他人に毛ばりをあげるのはどうも気持ちのいいものではない。なんだか
自分の作戦というか秘策を盗まれるようで気持ちのいいものではないのである。仙人さんとて
それは同じらしい。そこで僕は仙人さんから毛ばりを譲り受ける為に色んな方法を考えるのである。
「あっ!フライボックス忘れた!」とか、「毛ばりよく浮きますよね〜!」とか言ってあゆみ寄る
のだけど今だに彼の毛ばりを頂戴できないのである。
そんな彼が去年僕ら4人の中で初めて尺ものを釣り上げみんなをびっくりさせた。しかも
その岩魚が36センチというとてつもない大物でこれまたびっくり。
この記録はとうぶん破られそうにない。
話しは本題に戻るが、そんな仙人さんと釣り上がる堰堤上なのだが、入渓してから100mほど
釣り上がるが反応は全く無し。ひらけた瀬の流れがほとんどでいまいちぱっとしない。
「もう少し上に行こう!」
と言う彼の言葉に連れられてそのまま途中をパスして
落差の出始める所まで歩く。すると支流との合流点にぶち当った。右側の流れが支流なのか左側の
流れが支流なのか良く分からない。地図で確認すると左側の流れが支流だと思うのだけど、
どうみても左側のほうが水量が多い。さて、この先をどう釣るか?二手に別れて釣り上がるか?
それとも地図を信頼して本流筋の右側を二人で釣り上がるか?
ここでしばし短い話し合いをした結果、この流れは単なる中州の分流に過ぎないという結論に到達した。
つまり、50mほど釣り上がれば流れが再び合流するという予想である。自分もその考えに賛成し、
右側が仙人さん、僕は左側の流れを釣り上がる事にして50m先で落ち合う事にした。
左側を釣り上がる僕に間もなくしてチビ岩魚。ここぞというポイントで出たのがチビ岩魚だったので
先行きが少々不安になってきた。かもなくしてかれこれ50m。そろそろ右側から仙人さんが現れる
はずなのだけど、現れるどころか合流するはずの川が無い、、、。
どうやら僕らの考えた分流説は間違いで、地図の通り僕は支流を釣り上がっているらしい。
100mくらい釣り上がって現れたのは3m級のお椀型の滝。到底乗っ越す事はできない。
仕方ないので無線で仙人さんを呼びながらの本流筋に戻る事にする。しかしながら、谷が深いせいか
仙人さんからの無線が返ってこない。コール信号を出してスケルチ解放で受信を待っても音沙汰なし。
もっと上流に行ってしまったのか?それともすでに諦めて車に戻ったか?
とりあえず、ここは無理はせずに自分は車に戻る事にした。
車に戻ると先ほどまでは僕らの車だけだった駐車スペースにもう1台の車が停まってる。
「こんな所に停めるのは釣り人だろうな〜。」
なんて考えながら車に近付くとどうやらまだ車中に人がいるようだ。
モゾモゾとなぜだか後ろの席で、いがぐり頭が動いてる。
あまり中を覗くのも失礼なので知らぬふりをして車の横を通り過ぎると、勢いよく扉があいて
中から男が飛び出してきた!(つづく)
日記:こいずみ
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