2007年5月4日(木)GW

遠征2日目、宿をチェックアウトし向かった先は、前回も訪れた烏川。

前回、土砂崩れで通行止めになっており、車止めの変なオッチャンから遊魚券を買い求め、
暑い中4人で歩いたことはまだ記憶に新しい。
今回も、車止めで人山チェックをしているオッチャンが近寄ってきた。
とても懐かしく感じ、オッチャンに覚えているか確認したが、残念ながら覚えていなかった。
オッチャンから1000円の遊魚券を買い山道を歩きだす。
途中、大きなダムを越えると雪の掛った槍ヶ岳が顔を覗かせ、
山肌には所々山桜が咲いていてとても美しい景色が見れる。
30分は歩いただろう、橋の架った人渓ポイントに着き、
べっぴはここから釣り上がるらしく、自分も歩き疲れたので、べっぴの後に付いて行くことにする。
D級は、大きなS字の山路をクリアーし、さらに上流から人渓する。

今だボウズのべっぴが、先行で釣り上がる。
途中で入れ変わり、23センチ程のイワナが釣れ、
またべっぴに先行が変わって直ぐの出来事である。

ふと10m程先、前方に目線をやると、べっぴが竿をしならせていた。
魚体を見ようと近づき声をかける。
お!釣れたじゃん、大きい?と話しかけると、小さいですね〜と返事が返ってくる。
ところが、言葉とは裏腹に竿を見ると、バットの部分から尋常じゃない曲がりかたをしている。

デカイじゃね〜かよ〜!!

ネット!!ネット!!竿寝かして!!
慌ててアドバイスを送るが、渓魚はべっぴに襲いかかり、テンションを張るので一杯一杯になっている。

それでも何とか陸に引きずり上げるが、また渓魚は自力で戻ってしまう。

すかさず、自分の持っている竿を投げ捨て、ネットを差し出し近づく。
竿、寝かして!!寝かして!!
ところが一歩遅く、岩に潜られてしまう。

やばい!!切れる!!

とっさの判断で、べっぴのリーダーを手で掴み、魚を引きずり出すが、
掴んだリーダーは手に食い込み、魚がもがいてる感触が強烈に伝わってくる。

ここで色々思った。
もし、ティペットが切れてしまったら、どうしよう。
べっぴに、一生恨まれるだろうな、などと一人冷静であった。
それでも何とか、魚を引きずり出す事に成功し、見事ネットに収まった。

渓流に、べっぴの獣の様な雄叫びがこだまする。

やっっったぁぁぁぁ!!!うおぉぉぉぉ!!!

尾びれがランディングネットからはみ出ており、まるまる太った、31センチの尺イワナである。
べっぴ、遠征初ヒットが尺イワナであり、それも自身初の尺越えである。
記念写真を納めるのに、興奮して手が震えているので代わりに自分が撮影をする。

その後、堰堤まで釣り上がり、ちょうど集合時間が近づき竿納となる。

車へ戻る帰り道、深緑の中二人は尺イワナに酔いしれていた。

車に戻り暫くすると、昔の喫茶店の扉の様な音がする、熊避けの鈴を鳴らしながら、
D級が肩を落とし帰ってくる。
でもどうやらイワナを一本上げボウズを免れたらしい。

ここで遠征2日目、烏川が終了する。釣果はイワナ3匹、べっぴ尺イワナ1匹、D級イワナ1匹。

これで楽しかった釣行も無事終わった。

昼食は、ここにきて長野らしいものを口にしていないので、
そば屋を探し手打ちそばを頂き、高速のインターに急いだ。
高速に乗りしばらくすると、GWのUターンラッシュが待ち構えていて、
ドップリ渋滞にはまってしまった。
それでも何とかD級宅に到着して、またの会う日を約束し、各々の帰宅に着いた。

今回の遠征を振り返ると、何といってもやっぱり、
逆転さよなら満塁ホームランのべっぴの尺イワナだと思う。

自分も忘れないと思うが、等の本人は、絶対一生忘れない思い出になったに違いない。

思えば、べっぴとはフライフィッシングで知り合った親友。
何度も釣行を共にし、互いに成長してきた。
最初の頃は、ボウズは当たり前、それでも辞めずにフライフィッシングをやってきた。
会社を辞め、まる2,3ヶ月一人であてもない釣りの旅をした事もあり、
caddisの誰よりも努力を惜しまなく、フライに対しての情熱、愛情が人一倍ある。
そんな彼だからこそ、今回の尺イワナに結び付いたんじゃないかと思う。
餌さ釣りやニンフの釣りなら話しは別だが、ドライで尺イワナを釣るというのは、
そう簡単に狙って釣れるものではない。
渓流に神がいるならば、一生懸命な彼にプレゼントしたに違いない。

日記:仙人

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