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中国雲南省から来た音楽家に出会った。
私は彼の言葉、中国語が話せないし、彼は私が少しは話せる英語が話せない。しかし、私たちが意思を伝えたいと思う限り、それは伝わるのだ。こんな単純な事実に衝撃を受けた。
中国と日本、私たちには、ほぼ共通のコミュニケーションツール、漢字がある。もちろん細かい話は無理かもしれないけど、「私」が「あなた」にどんなことを話したいのか、細かい文法など無くっても充分だ。
彼は訪問先のアジアの大都会で、建物の廊下にあぐらをかいて笛を吹いていた。群青色に澄んだ空のどこまでも響いていきそうな音を聞いていて、私は、その音色をここで聞いていることが正しいことなのか、わからなかった。彼が笛を吹くべき風景はここではないはずだ。
ただいえるのは、私がそれを体験できたということだ。彼の手の中で、ナイフで削られた笛から、ここではないどこかにある場所、そこについての物語を聞いているような。
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