天文学画像資料(天文と暦)
年中行事(2)
四季月令表
「猪飼按」二十四節氣と七十二候は、太陽の運行によってのみ決められたものである。この点をよく間違えやすい。農事には太陽の日照や季節の移り変わりの変化が正確に求められる必要があるから、その目的のために太陽暦が利用されたのである。現在の暦で、春分秋分が決まった位置にあるのでそのことがわかると思われる。旧暦(農暦)を使っていた人には、春分や秋分が暦の上で前後することが不思議であったようである。
【学習の目的】中国の四季には、それぞれの性格というものがあって、暦や制度が決まる。『周禮』には、「天官」「地官」「春官」「夏官」「秋官」「冬官」の制度があり、それぞれの季節に当てはめた官僚組織が構成されている。四季に3ヶ月ごとの月があり、それぞれの月は孟、仲、季の字をかぶせて、孟春(正月)とか仲春(二月)とか季春(三月)とか呼ばれている。また月には別名があり、それぞれの月に咲く花や季節感によって命名されている。月は節と氣とに別れ、二十四節氣と呼ばれている。一つの節と氣の間は、一五日間である。しかし暦の月は、天体の月の運行によっているのだが、二十四節氣は太陽の運行によっているために暦の上でずれが生じる。農作業の上では、一五日ごとの変化では作業上に不都合が生じるので、節氣の十五日間を三つに分けて、七十二候とした。四季のはっきりしている東アジアの温帯では、気候はおおむね五日ごとに変化し、季節の移り変わりが肌に感じられるのである。今日では、季節の変化が人工環境のために感じられなくなり、季節感の乏しい生活をおくらなければならない。もう一度、私たちの先人の季節感を学習して、感性豊かな文化を取り戻したいと思う
四季
「春産、夏長、秋收、冬臧(藏)、此彭祖之道也。」
「江陵張家山漢簡『引書』釋文」 江陵張家山漢簡整理小組編
『文物』一九九十年第十期 文物出版社
孟春正月建寅 端月
仲春二月建卯 花月
季春三月建辰 桐月
孟夏四月建巳 梅月
仲夏五月建午 蒲月
季夏六月建未 茘月
孟秋七月建申 瓜月
仲秋八月建酉 桂月
季秋九月建戌 菊月
孟冬十月建亥 陽月
仲冬十一月建子 葭月
季冬十二月建丑 臘月
新刊古今類書纂要卷之三>明・@(王へん據)崑玉編・葉文懋校 寛文九年(1669)山形屋印本>和刻本類書集成 第五輯 1976 汲古書院
時令部
春
[春、蠢也。物、蠢生乃動。故、爲春。日行東陸、斗柄東指、而天下知春。東方之神、曰太昊、秉震、執規、司春。]
夏
[夏、假也。假火、而宣平也。夏氣、赤而光明。故、夏曰朱明。日行南陸。斗柄、南指、而天下皆夏。陽徳在火。陽徳用事、和氣、皆陽建巳之月也。故曰正陽。其帝、炎帝。其神、祝融。秉衡、司夏]
秋
[秋、@(秋/手)也。物、@(秋/手)歛、乃成熟也。日行西陸。斗柄、西指、而天下皆秋。盛徳在金、其帝、白帝、少昊、太昊、西帝。其神、金神、蓐牧、秉兌、執規、司秋。]
「猪飼按」@(秋/手)は、集める意味である。歛はカンと読む。
冬
[冬、終也。萬物、所以終成也。日行北陸。天氣上騰、地氣下降、天地不通、閉塞而成冬。盛徳在水。其帝、@(瑞王なし頁)@(王頁)、其神、玄冥。秉坎、執権、而司冬。]
十干
[亦曰十母。]
甲
[甲者、言萬物剖符甲而出也。符甲、猶孚甲也。]
乙
[乙者、言萬物生軋軋也。]
丙
[丙者、言陽道著名、故曰丙。]
丁
[丁者、言萬物丁壮、故曰丁。]
戊
[戊者、固也。言陰、彰露物已、成固也。]
巳
[巳者、巳也。止也。言陰氣殺物。物、將收成也。]
庚
[庚者、言陰氣、庚萬物、故曰庚。]
辛
[辛者、言萬物、辛氣方生、故曰辛。]
壬
[壬之爲言、任也。言陽氣任養于下也。]
癸
[癸之爲言、揆也。言萬物可揆度也。]
十二支
[又、名十二子。]
子
[子者、滋也。言萬物滋干下也。]
丑
[丑者、組也。言陽氣在上、未降萬物厄組、未敢出也。]
寅
[寅者、言萬物始生@(虫寅)然也。@(虫寅)音引。]
卯
[卯之爲言、茂也。言萬物茂也。]
辰
[辰者、言萬物之@(虫辰)也。@(虫辰)音振。律暦志曰、萬物振羨于辰。]
巳
[巳者、言陽氣之巳尽也。]
午
[午者、陰陽交而愕布、故曰午。]
未
[未者、言萬物皆成、有滋味也。]
申
[申者、言陰用事、申賊萬物、故曰申。律暦志云、物堅于申。]
酉
[酉者、萬物之老也。故曰酉。律暦志云、留熟于酉。]
戌
[戌者、言萬物尽滅。律暦志云、畢入于戌。]
亥
[亥者、該也。言陰雜陽氣、蔵寒爲萬物、作鍾、故該也。]
[其歳値十二支、並列前月建下。]
歳
[遂也。郭璞曰、木星謂之歳星。以其一年、行一次、十二次而周天、故曰歳星。此星行一次、而四時之功畢。少年謂之歳。從歩者、躔度之行、可推歩也。○又云、自子至亥、而化成一日。初一至三十、而化成、一月至三月、而一時成爲、自春至冬、而成一歳。]
2、二十四節氣(にじゅうよんせっき)
立春正月節 雨水正月氣 啓蟄二月節 春分二月氣 清明三月節 穀雨三月氣
立夏四月節 小満四月氣 芒種五月節 夏至五月氣 小暑六月節 大暑六月氣
立秋七月節 処暑七月氣 白露八月節 秋分八月氣 寒露九月節 霜降九月氣
立冬十月節 小雪十月氣 大雪十一月雪 冬至十一月氣 小寒十二月節 大寒十二月氣
「猪飼按」二十四節氣は、十二節と十二氣とで成り立っている。節と氣は、原則として各月に一づつあることになっているが、ときによってはずれることがある。
3、七十二候(しちじゅうにこう)
「猪飼按」七十二候の名称は固定的でない。『呂氏春秋』や『禮記・月令』が一応の基準となっている。以下にあげた中でも、名称に前後がある。現代の農暦に見るものをのせておく。
立春正月節
東風解凍 蟄蟲始振(揺) 魚陟負冰(魚上氷)
雨水正月氣
獺祭魚 候雁北(鴻雁來) 草木萌動
啓蟄二月節
桃始華 鷹化爲鳩※ 金庚鳴(倉庚鳴)<ひばり>※前後するか
春分二月氣
元鳥至(玄鳥至) 雷乃發聲 始電
清明三月節
桐始華 田鼠化@(如/鳥<うずら>) 虹始見
穀雨三月氣
萍始生 鳴鳩拂(其?)羽 戴勝降桑
立夏四月節
螻@(虫國)鳴(ろうかく<あまがえる>なく) 蚯蚓出 黄瓜生(王瓜生<ひさご>)
小満四月氣
苦菜秀 靡草死(びそう<なずな>しす) 麥秋至
芒種五月節
螳螂生 @(貝鳥<もず>)鸚始鳴 反舌<うぐいす>無聲
夏至五月氣
鹿角解 蜩始鳴(蝉始鳴) 半夏生
小暑六月節
風至(温風至) 鷹始摯(鷹乃学習)※ 蟋蟀(しつしゅつ<きりぎりす>)居壁※前後あり
大暑六月氣
腐草化螢 土潤溽暑 大雨時行
立秋七月節
涼風至 白霜降 寒蝉<つくつくほうし>鳴
処暑七月氣
※禾<いね>乃登 天地始肅 鷹乃祭鳥※前後あり
白露八月節
鴻雁來 元鳥歸 群鳥養羞
秋分八月氣
雷鳴収聲 啓蟄坏(胚)戸 水始涸
寒露九月節
鴻雁來賓 雀入大水化蛤 菊有華黄
霜降九月氣
豺<おおかみ>乃祭獸 草木黄落 蟄蟲咸俯
立冬十月節
※雉入大水化蜃 水始冰※前後あり 地始冰(凍)
小雪十月氣
虹藏不見 天氣上升(騰)(地氣下降) 閉塞成冬
大雪十一月雪
@(曷鳥)@(旦鳥)<もず>不鳴 虎始交 茘挺(れいてい<にら>)出
冬至十一月氣
蚯蚓結 糜角解 水泉動
小寒十二月節
雁北郷(嚮) 鵲始巣 雉(始?)雛
大寒十二月氣
鷄始乳 征鳥囑(癘?)疾 水澤殷(腹?)堅
二十四節氣は日本でも多く用いられるが、七十二候は余りもちいられない。
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