2日目(みさきキャンプ場→山中湖→河口湖→西湖→精進湖→甲府)
撤収に入る。
目を覚ますと雲一つない快晴。テントを出ると、周りは家族用の大型テントとRV車でキャンプしているオートキャンパーばかりで、レンタルテントのこじんまりとしたキャンパーは我々だけだった。とりあえず、のらりくらりと起きて朝食をパンで済ませ、シャワーに入った。10分で100円とかいう類いの物なので、素早く洗髪しなければ、泡だった頭のまま水が切れるという悲惨な事態になりかねない。出発した時間は早くなかったが、今日は甲府までの短い距離なので、余裕がある。
山中湖の湖畔を一周するサイクリングロードを半周する。青く澄み渡った空に富士山、周りではしゃぐ家族連れ、太陽の光をキラキラと反射する湖面、なんて気持ちいいんだ!国道138号に乗り、河口湖を目指す。道路は渋滞していたが、自転車には関係ない。長い下り道を滑るように走る。途中、富士急ハイランドを通り過ぎた時に「寄っていこうか」案を出したが、却下された。河口湖方面の右折を間違え、少し迷う。ここまでほとんど道に迷わなかったので(そりゃ国道走ってて迷ったらオオバカモンだよ)、少々戸惑う。
河口湖もまた、観光客で賑わっていた。湖沿いを走り、芝生で寝転がっていた若い男性に写真を撮ってもらう。国道からずれた道なので、車は少ない。尻と肩の痛みも昨日に比べるといくらかは軽減し、慣れてきた。山中湖と河口湖は10キロ以上離れているが、河口湖と西湖の間は2キロもない。アメリカ生活が長くて日本の地理にうとい僕も、千葉出身のまっすーも富士五湖に関してはあまり知識がないため、当初西湖を二人して「にしこ」と呼んでいた。「さいこ」と呼ぶことを道路標識で知った後も、まっすーは「せいこ」としばらく呼んでいた。
一番落ち着いていた西湖。 
地図を見ると一目瞭然だが、ここらは洞窟が多い。まっすーのリクエストでひとつ見学することにした。道路標識を見て通り道にある国指定・天然記念物の西湖蝙蝠穴に行くことに決定。チケットを買い、いざ入場。ひんやりする洞窟内部は我々の疲れを癒してくれる。閉所恐怖症ではないが、しゃがんで進まなければならない狭い道は気分のいいものではない。それ程大きくはない洞窟。奥の方は蝙蝠保護のため立ち入り禁止となっていたが、「ひょっとして蝙蝠を見れるのでは」と思っていた自分のバカらしさに気付いた。ある探険家が洞窟内部で蝙蝠の糞によって起こる伝染病にかかり、生死をさまよった話を聞いたことがある。蝙蝠をなめてはいけない。でもいい気分転換にはなった。
洞窟を出て昼食を食べれる所を探したが、なかなか見つからず、小さな喫茶店に落ち着くまでしばらく時間を要した。しばらくアップダウンの道が続き、国道139号に合流。富士パノラマラインという文字通りパノラマを見渡せる道を猛スピードで下り、国道358号を右折する。ここは暴走族のお気に入りコースらしく、集団で信号無視をしていた。このTの字に精進湖(これは「せいしんこ」と呼んでいた...。)があるのだが、これは河口湖や山中湖と比べるといくらかしょぼい。チラっと見て通り過ぎた。
精進ブルーラインのアップダウンを走りながら、「いつになったら昨日の山上りが報われるのやら...。」と思ってたら、まもなく上九一色村に着いた。温泉の看板を大々的に掲げ、イメージアップに力を入れていた。温泉に入っていきたい気もしたが、まだ甲府まではある。リフレッシュしたところで、すぐまた汗をかくのはよろしくない。甲府で温泉に入れることを期待しつつ、先を急ぐ。そして、昨日の上りがようやく報われる時がきたのであります!イヤアアアア(またかい)!!!!!下り一辺倒。昨日の辛さを払拭するダウンヒルなのだ。狭いカーブ道なので定期的に止まって後続の車を追い越させつつ下るのだが、これだけ高度が下がると帰りがまた辛いな...と、悲しくも後ろめたさを感じてしまう。うおおおおー!!カーブを勇猛果敢(?)に攻める二人。最高時速51.4キロをマーク。ブレーキを冷ますため、途中休みつつ、景色を楽しむ。そして、昨日一番の感動が山中湖の夜景なら、今日一番の感動は甲府盆地の景色!お互いをカメラで写す二人。山道を下りた後は「甲府盆地だよー」と当たり前のことを言いながら感動に浸っていた。
甲府盆地をバックに。
それはそうと、今日はまっすーの高校時代の友人宅に泊めてもらうことになっている。ありがたや、ありがたや。途中その友人に電話をして、国道358号を北上して甲府駅の武田信玄像前で待ち合わせることにした。そして甲府も以外に(甲府市民の皆さんごめんなさい)広いもので、駅にたどりつくまでにもう1時間程走らなければならなかった。道沿いには葡萄の栽培所がちらほら。信玄餅の旗も。
実は私は武田信玄の大の信望者で、甲府に行くにあたって、武田信玄にまつわる何かを見ていけたらと思っていたので、いきなり信玄像とは嬉しい。まっすーの友人は非常にいい人で、我々に宿を提供してくれただけでなく、夕食は焼肉でもてなしてくれた。自転車で旅すると膨大なエネルギーを消費するので、肉類は涙もんなのだ。彼が夕食の用意をしてくれている間我々は洗剤を借りてコインランドリーで洗濯をした。荷物を極限減らすため、二日分の着替えしか持ってきていない。肝心の温泉は町の中にはなかったので、泣く泣く切り捨て。
夕食を食べ終わった後、さて明日はどうしようかという話になった。昇仙峡までは自転車で行けるが、時間的にもったいない。明日には甲府を出て、できるかぎり横浜に近づかなくては明後日に負担がかかる。そのため、(明日の)宿はどこにするかは決めていない。それに、僕は武田神社にも寄って行きたいし。結局、甲府駅から昇仙峡までバスが出ているというので、それを使い、一旦まっすーの友人宅に戻って、武田神社は帰りがけに寄っていくことにした。
甲府に無事たどり着けたことに安堵し、喜び、我々は床につくのであった...。
2日目終了。走行距離:およそ60キロ