3日目・3月14日【日】(岩本寺ユースホステル→中村市→四万十川→四万十川ユースホステル)

昨夜はドロのように寝た。朝食は6時半。学校の1限がある日の朝食より早い。同室の伊関君と食堂に行くとお遍路さんらはもう食べ終わっていた。
甲斐君、作本君、伊関君とは今夜四万十川ユースホステルで合流する形になるので、「四万十川で会おう」と言い残し、小雨の中を走り始めた。1日中降ったり止んだり。大した上り坂もなく、所々で写真を撮る余裕もあるが、靴の中はびしょびしょ。ズボンも同様。ゴアテックスは高いので、下まで買う余裕がなかった。
入江県立自然公園の海岸はどこまでも続いていて、波は荒れていた。横浪黒潮ラインを通った時も思ったのだが、土佐の海は場所によってはエメラルドグリーン。さすが南国。
中村市到着!!何故中村市にこだわるかと言うと、なにをかくそうこの地は岡本真夜の故郷なのだ。僕の好きな歌手は後にも先にも岡本真夜、ただ一人。「おお、ここが中村市...。」感動。昼時なので、近くの店で牛乳を買い、屋根付きのバス停の中で昼食を作る。バスに乗る人が来たら恥ずかし過ぎる。でも気にしない。旅の恥はかきすてと言うではないか、フン。どっか国道を外れた場所の方がいいのだが、雨でずぶ濡れになった身ではそれもおっくうだ。スパゲッティ、オートミール、コーヒー。性懲りもなくオートミールを作るのは食べ物を無駄にしたくはないのと、湯を無駄なく使えるため。しかも食物繊維が豊富。食べていると大妻女子大のグループに抜かれる。「こんにちわー」「こんにちわ」。スパゲッティは美味しかったが、オートミールは牛乳を入れたのでまずまずだった。でもお湯を捨てまいと大量(丼一杯位)に作ってしまったので、きつい。食べ物はムダにしない主義。ムリする。結論、オートミールは茶碗半分位でいい。マジで吐きそう。後ろめたさを感じながらも、残ったオートミール茶碗一杯分を草むらに捨ててしまう。「ああ、真夜の故郷なのに、ここは。でも食べ物だからね、すぐバクテリアが分解してくれるよね」なんて罪悪感を感じながらバス停に戻ろうとしたその瞬間、「ゴン!」頭蓋骨に衝撃と痛みを感じる。入り口の天井に頭をぶつけた。「つ〜」いきなり天罰か、神様のやることは早いぜ、チクショウ。痛い。そうだ、食事をしているところを写真に撮ろう。外からカメラをセットして...「ゴン!」...学習機能機がないのか、お前は...。食べすぎた。しばらく休憩。
食後のコーヒーを楽しむ。
中村市を走る気分は何だか聖地エルサレムにたどり着いたキリスト教徒。市街をそのまま突き切れたが、少し遠回りして中村駅に行く。「おお、岡本真夜も絶対使った中村駅...。」駅の売店をチェックするが、坂本龍馬グッズばかりでガッカリ。なっとらん!真夜グッズも置いとくれよ。俺が市長だったら駅前に銅像。駅前に建てられた地図を見ていると、京都からの単独さすらいチャリダーに出会った。京都から半年がかりで四国→中国地方→北海道を目指していて、今2週目とのこと。テント生活で、自転車は荷物で山積みだった。イカス。駅からしばらく伴走して、交差点で別れた。こういう風来坊チックな旅には憧れる。小さくなる彼の背中をいつまでも見ていた。「Godspeed to you...」最も、クリスチャンじゃない僕が言っても何の効力もないか。
少し迷って町をオロオロした後、四万十川にぶつかる。イエーイ。さて、今回の旅のテーマの一つは「四万十川上り」である。日本最後の清流を環境保護を胸に走るエコフェア(?)。そのため、ほとんどのチャリダーが目指す四国南西端の足摺岬は今回見送らせてもらう。僕はこのまま四万十川を上り、愛媛県に入るつもりなのだ。川沿いの道は静かで、自然に溢れていた。鷹かトンビが頭上を旋回し、おそらく数十年前はこういう景色を関東でも見れたのであろう。ペットボトルが散乱し、汚染で水が飲めなくなった川しか周りに存在しないこの時代に生まれたことを幸福と思うべきか不幸と思うべきか...。晴れていたら川沿いで岡本真夜のMDを聴きながらコーヒーでも飲もうと楽しみにしていたんだが、この雨では断念せざるおえない。ツイテない。「I shall return... byマッカーサー元帥」(え?戻ってくるのかよ!)でもここの林道は気持ちがいい。川上りと言っても四万十川は全然急ではないので、楽。自転車は本来こういう所を走るべき乗り物なんだとつくづく思う。都会で車が右肩十数センチを走り過ぎていく光景は間違っている。
日本最後の清流と謳われる四万十川。 
途中、スピードメーターのセンサー部分が水滴で作動しなくなるハプニング多発。四万十川ユースホステルに近い所から電話をかける。今日は比較的楽な道のりで一度も自転車を押さなかったというのに、ユースホステルの手前数キロが山だったので途中力尽きて押す。くやしー。四万十川ユースホステルのペアレント(管理人さん)はすごいいい人達だった。ユースホステルのペアレントとは大抵世話好きなものだが、ここは格別だ。岩本寺ユースホステルからの連中は皆既に到着していた。食事も☆☆☆☆。ここはオススメです。チャリダーらと消灯時間まで語り合って床についた。
3日目終了。走行距離:85.9キロ