10日目・8月19日【木】(網走湖女満別湖畔キャンプ場→美幌峠→屈斜路湖→和琴半島湖畔キャンプ場→摩周湖→くりーむ童話→和琴半島湖畔キャンプ場)

木々の隙間から降り注ぐ朝陽がテント内を明るくし、それが目覚ましになる大変気持ちのいい朝を迎える。ずっと取って置いたフリーズドライのカツ丼を朝食に遅めの出発。体調もベリグー。国道243号を使って美幌峠(490メートル)へ。初日越えた狩勝峠に比べると楽だが、いかんせん疲れがたまっている。休み休み上りながらも、自分で脚力がついたと実感できる。「あれ?上りで何でこんなに漕げるの?」みたいな。美幌峠は上る価値のある展望素晴らしい峠だった。屈斜路湖を一望でき、ここのお土産屋さんでは海空ひばりの「美幌峠」がリピートでかかっていた。頂上でソフトクリームを食べて休む。涼しいので、長袖を着て下る。スーパー!!めーっちゃ気持ちいいぜ!信じられない話だが、熟練のチャリダーになると下りより上りに至福を覚えるようになるらしい。僕も何となくその感じが分かってきたが、このダウンヒルの爽快感に勝るものなし。
屈斜路湖を美幌峠より望む。 
和琴半島湖畔キャンプ場に1時に到着して、とりあえずテントの設営を行う。荷物を降ろし、軽装でこれより摩周湖をアタックする。あそこは標高が高いので、余分な荷物は持って行きたくない。再度出発。が、美幌峠で体力を消耗したせいで馬力が出ない。「山王工業との死闘に全てを出し尽くした湘北は続く3回戦愛和学院にウソのようにボロ負けした―」
摩周湖への上り道、「これより先、熊が出没します。関係者以外は絶対に立ち入らないで下さい」の看板を掲げたわき道を何度も通り過ぎ、おちおち休むこともできない。熊除けに一人で大声で歌うのもバカっぽいので、わざとらしい咳払いをして自転車を漕ぐ。「ゲホン、ゴホン!」とにかく辛く、心も無になったが、世界一の透明度を誇る湖見たさに執念で上った。第一展望台、バスツアー観光客多し。空は雲っていたが、湖を見れたことは見れた。こっちが小さく感激していると、「もっとキレイなのかと思った〜ぁ、晴れた日じゃなきゃダメなのかな〜ぁ」とかほざいてる女がいた。女よ、自転車で出直して来い。そうすれば水の有り難味まで分かるぞ。
遂に肉眼で摩周湖を目にする。
第三展望台は霧だった。ここでは霧が生き物のように疾風のごとく吹き荒れる。おい、まいったな、霧か。後続の車に自分は見えてるんだろうな。イヤだよ、バックアタック食らって「ああ、霧で見えませんでした」なんてのは。少し下ると霧も晴れ、スピードを出せるようになる。最高速度、時速53.1キロマーク。自己最高更新。最初、律儀に車道の左側を走っていたが、カーブを曲がり切れず、ガードレールにぶつかりそうになったので、車道をいっぱいに使ってアウト・イン・アウトをすることにした。するとどうでしょう?キレイにカーブを曲がれるではありませんか。なるほど、このアウト・イン・アウトはちゃんと理にかなっているのか。キタキツネが道路を横切って行く。下りが気持ちいいので、「アア〜!」と絶叫しながら走る。どうせ誰も周りにいやしない。
屈斜路湖近くまで下りたところで、「くりーむ童話」というアイスクリーム屋を目指す。ここは去年の旅行で店内のらくがき帳にメモを残しており、約一年振りにそのメモとご対面できるわけです。アイスを買って席につく前に、らくがき帳の山から去年のモノと最新のモノを探す。「え〜と、去年の9月のらくがき帳は...」と探していたら、「〇〇(自分の名前)のメモはこの中!」と表紙に書いてあるらくがき帳発見(笑)。で、「どのページかな...」とページをめくっていると、ページの上にデッカク、「〇〇(自分の名前)じゃー!!」と明記してあった(爆)。こんなこと書いたのか、オレは。懐かしく内容を読んでいたら、「来年、北海道を自転車で一周する予定!」と書いたハズが、「来年、北海を自転車で一週する予定!」と書いてあった...。シ〜ン...。とりあえず、「修正by一年後」と書いて訂正しておいた。ま、とりあえず一年経っていくらかは(?)賢くなったということで...ウホン。最新のらくがき帳に新しいメモを残し、キャンプ場に戻ることにした。
キャンプ場への帰り道、林道を走っていると、みるみる暗くなっていく。幽霊云々よりクマや事故が怖い。疲れ切った体に鞭を入れて強引に飛ばす。悲惨な退却。キャンプ場に戻った時はもう真っ暗だった。サイトは混み混みで、学生の集団もいる。案の定、夜遅くまでうるさい。遠くでギターを弾いているバカ野郎もいる。誰もいないトコでやれ!もう余裕で10時過ぎだぞ。隣のテントの男達が、「ライフル持ってない?」とか話している。求む、ガトリング砲。僕は音楽の好き嫌いが激しいので、せっかくのギターも雑音にしか聞こえない。おまけに、「あ〜♪」とか言って歌ってる。うるせぇー!!な、今度はホーモニカを始めやがった。うわ〜、はたして今晩は寝れるのか...。
10日目終了。走行距離:123.4キロ