本の森通信 12月号
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12月27日
おそらく、今日が今年最後の更新になるだろう。小社の年内業務は明日までで、年始は4日からの仕事始めを予定している。『網野善彦 列島の歴史を語る』の注文状況が好調なだけに、年末年始を挟むのはちょっと心配なのだが、内容から言っても急にトーンダウンすることもないと思う。
振り返ってみると、色々な仕事に巡り会えた一年だった。市販はなかったが教育用CD-ROMの製作は初めての経験だったし、仙台文学館選書の『天地有情』を発売できたことも大きな出来事だった。また前述の『列島の歴史を語る』は久々のビックネームの著作で、小社の名前を知っていただくきっかけにもなっただろう。リピーター著者の作品も多く手がけることができ、それらはまるで末広がりのように内容・販売ともに充実したものになった。東北在住の著者とともに歩めるのは、実に喜ばしいことである。
その一方で、初代社長の他界という悲しい出来事もあった。多くの方から激励の言葉を頂戴し、本当に心強かった。あらためてここで御礼を申し上げたい。
個人的には今年も素敵な本との出会いがたくさんあった。去年から今年にかけて拡がった「読書人の輪」に交ぜてもらい、それまで手にしなかったジャンルの本を読み、大いに感銘を受けたりもした。この欄で本の紹介をすることもあるが、アップするのは「書きやすい」「薦めやすい」という本を優先させてしまうので、取り上げなかった本もたくさんある。今日は最後なので、それら全てをタイトルだけでも・・・と思って昨夜本棚の前に座ったのだが、どの本をいつ読んだのやら混乱してしまうだけだった。数日前に市内某施設向けにオススメ本リストを提出したので、現地でその一部を垣間見てもらえれば嬉しい。
といわけで、ここで今年の一番本を発表! 他の媒体やサイトでは他の本を推しているので一貫しないところもあるが、新刊やジャンルの縛りのないところで挙げるとしたらこれである。ぜひご一読あれ。
皆様、今年も大変お世話なりました。また来年もよろしくお願い申し上げます。(小)
12月26日
さて、この欄をお読みいただいている皆さんの中で、「クリスマスプレゼントに本をもらった」とう方はいらっしゃるだろうか? 身の回りでは今のところ一人も見当たらないが、本当に増えているのだろうか?
進めてきた仕事の区切りを、なんとか年内につけられそうだ。仕事納め予定の28日に、著者のところへ届けることができる。まるで「年末年始にこの仕事を進めてください」と言っているようで気が引けるので、締め切りの設定はやや緩やかにしようか。年始早々に原稿アップ予定のものが二本あり、その用意もしておかなければならない。休み中には、関連書籍にも目を通しておこう。
『網野善彦 列島の歴史を語る』が好調を持続している。「電話が鳴れば書店からの注文」という状況が、今日も続いた。個人のお客からの注文電話も多く、「網野先生の本はたいてい読んでいますが、この本は珍しそうですね」「書評で知りました。なかなか興味深い内容のようですね」などと、直接お話しできるのが楽しい。売る時にこういう反応が多い本は、読後の感想や意見も多く寄せられる傾向がある。今後が楽しみだ。
仙台でまた許せない事件が起きた。アーケード街に自動車で突っ込み、買い物客七人に怪我をさせたという。北海道で新聞記者をやっている友人から「仙台はどうなっているんだ? なぜ繰り返されるんだ?」とのメールが入った。何とも返事のしようがないのが辛い。加害者は今日になって、先の類似事件を意識していたことを供述したそうだ。「自己顕示欲を満たすため犯罪」 これは罪が深く、予防するのも難しい。犯罪の数だけでなく、犯罪の質が深刻な問題のようだ。(小)
※本の森からお知らせ※
22〜23日あたりに、小社メールアドレス宛に「夜の図書館でお世話になりました」といったタイトルのメールをお送りいただいた方、大変申し訳ありませんが、こちらの不手際でメールを未開封のまま削除してしまいました。内容も拝読したいですし、お返事も差し上げたいので、お手数をおかけしますが再度送信をお願いしたく思います。本当に申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。
12月21日
昨日付河北新報夕刊に、「年末年始この一冊 書店店員さんが4ジャンルで推奨」と見出しを打った記事が掲載された。仙台市内の書店員さん4名が、「文芸」「ミステリー」「ノンフィクション、エッセー」「児童書」の4分野でそれぞれオススメの本を3冊挙げている。面白い本を選ぶ際に、“書店員の話なら間違いない”とよく言う。感想や特徴についてのコメントもあるので、購入の際の参考になりそうだ。
計12冊の中で、実際に読んだものは一冊だけ。それでも、どの分野も書評で読んだり人伝の評判を聞いていたものが多く、さすがは書店員さんならではの目で選ばれている。ある書店員さんが前に話していたが、売れる本や話題になっている本は、「なぜ売れるのか」「なぜ話題になっているのか」を確かめるために自分でも読み、中身を知った上でさらに売り方を考えるという。書店の仕事は毎日大変で、本を読む時間などなかなか作れないというのが現状だと思うが、それでもしっかりと目を通しているというのはすごい。「趣味と実益をかねて・・・」などという簡単なものではないだろう。書店員さんの話が確かなのは、そういう理由からである。
日々書店廻りをしているおかげで、各店に馴染みの書店員さんがいる。「最近面白い本読みました?」などという会話をするのも楽しみの一つだ。そろそろ「今年のナンバーワンは?」という話題になるので、自分の中でもいくつかの本をあらかじめ用意している。書店員さんのほうも、数冊のタイトルはすぐに出てくる。というのも、ここ数年はクリスマスプレゼントに本を選ぶ人が増えているそうで、この時期に「何か面白い本ありませんか」と訊かれることが多いというのだ。「若い女の人に人気ですよ」「子ども向けのプレゼントならこれです」などと書店員さんに選んでもらえれば、普段本に馴染みのない人でも安心してプレゼントにすることができるだろう。特に仙台の書店員さんの中には、ざっと挙げて10人前後の「カリスマ」もいらっしゃる。そんなカリスマの選ぶ評判の一冊なら、ぜひ読んでみたいものだ。
ちなみに、そんな仙台のカリスマ書店員さんの間で、「本の森の編集者が華原朋美の写真集を2冊買っていった」というウワサが流れている(らしい)。もしかしたら実際に耳にする方もいらっしゃるかと思うので、この場で真相を話そう。そのウワサはデマです。真っ赤な嘘です。書店員さんの話には、十分気をつけましょう。(小)
12月20日
今売りの「週刊朝日」のブックコーナー「週刊図書館」の書評トップに、『網野善彦 列島の歴史を語る』が掲載されている。評者は評論家の芹沢俊介氏。家族ものの著作が有名な方だ。見出しは「日本は単一稲作民族ではなかった 自由や抵抗の意識を掘り起こす網野史観」とある。同書で網野氏が主張するところの多くを抜粋した、大変わかりやすい書評になっている。「網野史観」または「網野史学」という固有名詞が存在することからもわかるとおり、網野氏による日本史の「読み直し」は、実に斬新な歴史の見方として注目を浴びた。同書はその黎明期、新進気鋭の歴史家として登場し始めた頃の網野氏の講演を再録したものだ。
発売以降、図書館をはじめとして好調な売れ行きを見せているが、ここに来てまた広くお知らせできる機会を得た。ちょうど先週末から新聞広告も出していたので、今日はたくさんの書店さんから注文の電話が届いた。歴史ファンなら本当に楽しめる内容なので、ぜひご一読いただきたい。
記事掲載といえば、昨日付の河北新報朝刊社会面にこんな記事が出た。小社名も出ており、写真の手前は小社編集者である。記事にあるとおりこの本の企画は今年の夏からすすんでいたのだが、社外の人に話すことも、この欄で具体的に書くことも、意図的に避けてきた。理由の一つは、原稿がある程度かたちになってからでないと、どのようなタイプの作品になるのか読めなかったこと。もう一つは、お気づきのとおりとてもデリケートなテーマであることだ。今回は、著者の曳地正美さんが日々真剣に執筆に取り組んでおられ、曳地さんが信頼をおく記者の手による取材・記事ということで、最もよい形で公けになったと考えている。来春の刊行目標に向けて、関係各方面とスクラムを組んで進んで行くつもりだ。今日の午後に記事を持って書店と取次を廻ったところ、「この事件、覚えていますよ」「執筆も編集もがんばってください」と激励を受けた。こういう応援は本当にやる気につながる。
12月19日
金曜日に決まった今日の一関行き。「寒波到来」「各地で大雪」などの週末の情報を不安に思いながら聞いていた。今朝起きて雪かきをし、テレビをつけるとやはり「東北道は通行止め」の報。安価で便利な高速バスをいつもの足にしているのだが、やむなく新幹線で向かった。新幹線だと片道30分で3410円。高速バスだと片道1時間強で1500円(往復券は2500円)。移動中にじっくり打合せの資料や参考文献に目を通せることを考えれば、やはり高速バスのほうが良い。
30分少々で一関着。打合せの予定時刻より1時間も前乗りしてしまった。著者事務所内の別部屋で待たせてもらい、予定よりも早く打合せ開始。年明け早々の原稿アップと聞き、3月中の完成を約束。他にもこの時期に作業予定の本があり、2〜3冊を同時進行することになりそうだ。もっとも、今日の著者の原稿ははじめから完成度が高く、編集作業もほとんど苦にならない。十分に3月中の刊行が可能だ。他にもあたためている企画を聞き、来年も本を通しての深いお付き合いとなりそうだ。
打合せを終えて一ノ関駅へ。駅前交番で高速道路の状況を尋ねると、わざわざ高速バスの会社に電話をしてくれてバスの運行を調べてくれた。幸運にも一時間後発車の便から運行再開。駅前商店街で懇意にしてもらっている書店に挨拶をし、名物「南部かつ定食」が美味い(フライパンでカラッと揚げたとんかつを、店オリジナルのコクのある味噌ダレでいただく)「こいづみ」で昼食をとり、余裕をもって仙台に帰ってきた。
たまっていたメールに返信を打っていたら、あっという間にこの時間。月曜から慌しく始まってしまったが、今週は木曜日までの4日週間。金曜日も数ヶ月前から仕事関係で予定を入れている。25日には仙台フィルの「第九」を聴きに行こうと思っているのだが・・・。あと三日のがんばりにかかっているようだ。(小)
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