本の森通信 6月号

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6月23日(金)
準備を始めよう。新しい区切りとなる四年後を見据えて、しっかりとした準備をすぐに始めよう。それこそが、いまできる唯一のことである。現指揮官の退任をもって現体制を終わりとするなら、その会見の翌日には新指揮官の会見と年内の強化スケジュールの発表がほしい。新指揮官の選考もスケジュール作成も、本大会の進行とは無縁のものとして進める事が出来たはずである。

現体制への思いが断ち切れないわけではない。四年間を共に過ごし、幸せな時期も経験した。悲しい終わり方かもしれないが、これ以上続かないのだから仕方がない。幸せな時期のことだけを振り返りたくても、もうその話し相手はいない。また新たな幸せな時期がやってくることを信じ、思いを断ち切るしかない。

振り返ってみれば、あっという間だった。神様という称号ばかりが先走りしていたようにも感じていたが、四年間で我々に見せてくれた表情は、神様というよりも人間だった。「王国の神様」が、母国である王国ではなく、地球の正反対にある弱小国の指揮官を四年間に渡り務めてくれたのである。はからずも今年あるスポーツの王国となった我が国。そのスポーツで「神様」に近い称号を得た人が、地球の正反対にある弱小国へ行って、その国の代表監督を務めるようなことがあるだろうか。まるで想像できない。しかし、現実に神様は弱小国の代表監督を務め、今朝は王国であり母国と戦った。勝つことは出来なかったが、唯一のゴールに喜びを爆発させていた。

グッバイ、ジーコ。Jリーグ開幕戦の鹿島・名古屋戦、あの日鹿島スタジアムのスタンドで、あなたのハットトリックを観た。その後あなたは、Jリーガー出身の最初の日本代表監督になってくれた。アジアカップは心から感動した。W杯予選も熱くなった。それら全て、あなたが率いた代表チームのおかげである。どうか日本に良いイメージを持って、去っていってほしい。その背中には素直に「ありがとう」と言おう。あなたにだけ送る「ありがとう」だ。できることなら、あなたを含めた代表チームに言いたかったのだが・・・。(小)
6月19日(月)
望みはつながった。残念ながら自分たちの力だけで次に進むことは出来なくなったが、やるべきことは残った。まだやるべきことがあるという事実を、素直に喜び、真摯に受け止めよう。そしてもう一度顔を上げ、決して諦めず、悔いの残らないようにしよう。そのついでに、勝とう。

最後の相手は「王国」である。最高の舞台でこの王国と戦えることを幸運と思いたい。たとえ相手が手を抜こうと、控え選手中心のメンバーであろうと(それでも昨日の相手よりも数倍強いが)、国際Aマッチの最高峰であるW杯の一戦だ。ここでの勝ちは、国内でやる親善試合の勝ちとは比較にならないほど意義がある。その舞台で、勝とう。

王国の慢心に期待する声がある。また、指揮官の母国であることが有利にはたらくという声も。そんな不確かなことより、もっと心強いことがある。それは、指揮官が負けず嫌いであるということだ。もし彼が、王国を相手に「やってやる」と世界で一番強く思っているなら、その思いが選手にもしっかり伝わるなら、勝機はそこに生まれるはずだ。失うものは何もない。勝てば次につながるという望みは、競技者のモチベーションとして何よりも大きい。それを力に、勝とう。

相手が大会前から持っている「優勝」という目標と、こちらが現在直面している「一勝」という目標、どちらの方が総合力が必要かといえば、もちろん前者であろう。しかし、一つの試合にかける集中力や瞬発力、そして総力戦を挑む準備と決意なら、後者のほうがずっと有利である。相手がトーナメントに進む前の、格好の踏み台になる? とんでもない。相手FWの大会最多ゴール記録更新の舞台になる? そんなわけがない。ロックオンしているのは、むしろこっちの方だ。狙い撃ちしてやる。全力で守り、全力で攻め、カナリア色よりもピッチで映えるブルーを全世界に見せてやろう。そして、勝とう。(小)


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