本の森通信 5月号
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5月1日(火)
新緑が美しく、山菜が美味しい季節である。昨日の地元ニュースでは筍掘りの体験コースを紹介していた。県南の“筍の名産地”に親戚がいる幸運から、いつも掘りたての筍を山のように頂戴する。その量、ごみ用のビニル袋に2〜3つもだ。現地ではこの時期、挨拶代わりに筍をやり取りするようで、人数の少ない家などは食べるのに困る(多すぎて)ということにもなるという。昨年はその親戚から筍をもらい、クルマに積んで帰る途中に携帯電話が鳴り、「悪いけど、もう一回来てくれない? また筍が届いちゃって・・・」ということになった。いくら大量にもらっても、こちらは喜んでくれる配り先がたくさんある。来た道を引き返し、ありがたく頂戴してきた。
一昨日は、母が山形の叔父からこれまた大量のタラノメをもらって来た。その叔父は山菜取りの名手で、ワラビ・ゼンマイ・コゴミはもちろん、少々珍しいムラサキワラビ(茹でて刻んで味噌と和えると絶品)やタラノメなど、いとも簡単に山から採ってくるという。その採り場は伯母をはじめ家族にも内緒で、酔わせて言わせようとしても絶対に口を割らないとか。そんな叔父が採ってくるタラノメなので、スーパーやデパートはもちろん、産直市場や地産販売の小店で買うタラノメよりもずっと大きくて味が良い。
大きめのレジ袋いっぱいに入ったタラノメを叔父から受け取り、「これでたっぷり天ぷらが食べられる」と母が言った。それを聞いた叔父は「なんだ、天ぷらなんかで食べるのか、俺ならそうはしないな」と返した。母が「他にどんな食べ方があるの?」と訊ねると、「タラノメは味噌炒めが一番美味いんだ」と言い、早速その場で作り方を教えてもらった。その「タラノメの味噌炒め」が、昨夜の食卓に上がった。いやぁ、久々に食べもので衝撃を受けた。これまで天ぷらで味わってきたタラノメの味が10だとしたら、味噌炒めで味わえるタラノメの味は100以上だろう。タラノメのポテンシャルを十二分に引き出す料理法は、天ぷらではなく味噌炒めだった。たしかに、揚げたてのタラノメの天ぷらは美味い。身に歯が食い込むと同時に広がる香りは、この時期の旬の味の代名詞とも言える。しかし、油で揚げるという性格上、たくさんの量を一度に食べられるものではない。しかも、冷えてしまえばとても残念なことになる。一方、味噌炒めはご飯に乗せれば何杯でも食べられるし、試しはしなかったがビール・日本酒・焼酎のどれにでもピッタリだろう。おまけに冷えてからも風味は損なわれず、翌朝の食卓でも嬉しい再会を果たせる。タラノメは、味噌炒めにかぎる。
これまでどうして味噌炒めという調理法を採らなかったのか、少し考えてみた。結論は、たぶん贅沢すぎるからだろう。買うにしろ頂くにしろ、そんなにたくさんの量を一度に得ることはないので、天ぷらにして食べるのがちょうど良かったのだ。タラノメの味噌炒めは、量に恵まれた時にしか味わえないものかもしれない。前述の筍も同様、おかげで柔らかい筍がたっぷり入った筍ご飯を堪能できる。どちらの親戚宅の好物も、もちろん把握済みだ。こちら仙台は、海の幸も上質であるのが頼もしいところ。旬の恩返しには旬のものを。(小)
5月1日(火)
大型連休の谷間の平日、いかがお過ごしだろうか。ここしばらくの更新の滞りから言って、今日この欄をご覧いただいている方は相当の「通信通」であるかと思われる。こちら、しっかり働いています。久々の更新もしました。
昨夜から扁桃腺が腫れはじめ、今朝起きがけには焼けるように痛んだ。うがいをし、気をつけて食事をしているうちに少し収まったが、まだ唾液を飲み込むと鋭い痛みが走る。困ったものである。おかげで声を出すのも億劫だ。今日はかかってくる電話も少なく、人と会う予定もないので、本当に助かっている。なんとか今日・明日中に治し、明後日からの連休後半を楽しみたいところだ。
連休といえば、毎年思い出すことがある。自宅のある八木山地区には動物公園と遊園地があり、連休期間中はたいへんな交通渋滞となる。さらに数年前には大規模な結婚式場までできてしまい、住民は「一度八木山を出たら、夕方まで戻れない」「GWに外出するなら、早朝か深夜」などと言っている。そんな大規模な交通渋滞は当然のように迷惑駐車を多く生み、特に動物公園・遊園地の周辺では自宅の前にコーンを立て、路上駐車を防止する家々を多く見かける。
そんな八木山にある、よく利用する酒屋さん。ここは店舗のとなりに10台程度の駐車場がある。数年前のGWのことだが、昼間に自転車に乗っているときに、その駐車場内に明らかに場違いなスポーツ車(お隣の山○ナンバー。後付けしたようなウィングが「いかにも」な感じだった)が停まっていた。まさか奥羽山脈を越えてビールを買いに来ることもなかろう。動物公園か遊園地に来た客がクルマの置き場を見つけられずにこの店の駐車場を借りているのだと思った。なかなか理解のある店主さんなんだなと、ちょっといい話を知ったように思っていた。
同じ日の夕方。今度はクルマに乗ってビールを買いにその店に行くと、なんとあのクルマがまだ停まっている。とっぷりと日も暮れ、動物公園も遊園地もとっくに終わっているはずの時間だ。そして店に入ろうとクルマを降りると同時に、ものすごい怒鳴り声が耳に入ってきた。見ると店の裏口に若いカップルが並んで立っており、その前で店主が明王のごとき憤怒の表情で(これはホント。まったく大げさではない)カップルを怒鳴りつけていた。どうやら無断駐車だったらしい。他人が怒られているのに自分の身の危険を感じたのは、あれが初めてでそれ以降はない。ちなみに明王の怒りの表情とは、単なる激昂ではなく、「仏教の教えに帰依せず、仮の快楽に心浮かれている民衆の有りさまに心を痛る悲しみを表したもの」らしい。あの時の店主もそんな気持ちだったのだろうか。
今年のGWはあの酒屋さんに足が向かないなと思ったら、原因はこの扁桃腺かもしれない。ビールはおろか炭酸飲料でも激痛が走るだろう。とにかく今日と明日は体調を整え、残りの四日間は大いに遊ぶ。そして少しビールを飲む。(小)
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