本の森通信 7月号
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7月17日(火)
久々の更新で寂しいニュースを報告しなければならないのが残念なのだが、東京・神田神保町の書店「書肆アクセス」が今年11月に閉店するという。
経営元の(株)地方・小出版流通センターから、「アクセス閉店のご連絡」という手紙が届いた。
実は先週、仲良くしてくれていた店長さんからも直接お電話を頂戴していたのだが、あらためてショックである。
地方出版社や小規模出版社にとっては、大きなニュースである。
同時に、大きな打撃を受けると言っても差し支えないだろう。地方・小出版流通センターの直営店として、本の街・神保町のすずらん通りに店舗を構えるアクセスは、全国の地方・小出版社の象徴のような存在であった。
壁一面に地域別に並ぶ、郷土色豊かな本の数々。それに囲まれていると、百花繚乱の地方出版の息吹に圧倒されそうな気持ちになったものだ。
この店だけが持つ匂いは、あの神保町の書店群をして、他に二つとない独特のものだった。
アクセスが神保町にあり、そこに自社の本が並んでいるということだけで、一体どれだけの地方出版の担い手たちが勇気と誇りを持ったことだろう。
個人的には、大学時代から通った思い出深い店でもある。もちろん、その頃はたくさんの客のうちの一人だったわけでが、故郷・東北の本、ルーツのある山梨甲斐の本をよく手に取った。
卒論の参考文献を求め、地方新聞社刊行の古い本を探したのもアクセスだった。やがて出版界に入り、故郷で地方出版に携わるようになり、アクセスに"凱旋"した日のことは忘れられない。
これから自分が作る本は、以前の職場で作っていた雑誌のように全国の大型書店には並ばない。
でも、ここアクセスの棚には並ぶ。その喜びが胸いっぱいに広がり、"地方出版編集者"としての自分を自覚した瞬間であった。
11月の閉店までは、まだまだ時間がある。もちろん、上京して挨拶するつもりだ。
自分と神保町を繋いでくれている大切なものを失うような気がして、他の書店の閉店とはちょっと違う感慨がある。
上京は、秋に予定されているOB会になるだろうか。もう一度あの壁を目に焼き付け、匂いを胸いっぱいに吸い込んできたい。(小)
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