いんさいど世界
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いんさいど世界(12)
日本が「買い」支えるブッシュに批判


ブッシュ大統領への風当たりが強まっています。ベトナム戦争時の州兵志願による徴兵逃れ疑惑が持ち上がるなど、逆風は強まるばかり。すでに旧聞に属するブッシュ批判ですが、日本ではまだ詳しく報じられていないので、紹介させていただきます。批判は、身内である共和党内からも出始めています。これまでブッシュさんの周りに結集していた保守派の足並みが乱れて来た。どうしてそうなのかというと、原因は「イラク戦争」の失敗ではなく、内政問題です。ブッシュ政権が財政赤字をどんどん膨らませていることに対する批判なのです。

共和党内の保守派はもともと「小さな政府」信奉者たちで、赤字を垂れ流しするブッシュ流に嫌悪を募らせている。これがひとつです。ふたつ目の逆風は、さきほど触れました「徴兵逃れ」疑惑がますます深刻化しそうな情勢になってきていることです。ブッシュさんの経歴を長年、厳しくチェックしてきた、地元テキサス州在住のTVジャーナリストであるジェームス・ムーアさん(あの、マイケル・ムーア監督ではなく、ジェームス・ムーアさん)が、近々、『再選するための戦争』という本を出すんだそうです。そこでムーアさんは、ブッシュさんの「徴兵逃れ」疑惑にメスを入れ、詳しく報じているそうです。
それによると、ブッシュさんって、ベトナム戦争たけなわの1968年に、テキサス州の州兵になるんですが、ムーアさんによると「空席待ち」の500人を飛び越えてなったんだそうです。「州兵」って「ナショナル・ガード」というんですが、陸軍とか海兵隊と違って、ベトナムに行かなくていい。そうしてブッシュさんはベトナム送りを免れた。おまけにブッシュさんが州兵になって配属された、第147戦闘グループというところが、ムーアさんが「シャンペン部隊」と呼んだグループ。なんで「シャンペン」か、というと、お金持ちとか有力政治家の子弟ばかり揃ったグループだったからです。おれたち、ベトナムに行かずにすんだ、シャンペンで乾杯!」なんていうことなのでしょうか? ブッシュさんはその後、どういうわけか、アラバマ州の州兵になって、政治活動に従事する。1972年の年に一度の飛行訓練に顔を出さず、飛行資格を停止されているそうなんです。こういうことが、これから暴露されて来るわけです。

で、どうしてムーアさんが執拗にブッシュさんを付けねらって来たかというと、こんな悲しい思い出があるそうです。ミシガン州フリントで高校生だった頃、一緒だった、ものすごく運動能力の高い陸上競技選手が卒業後、ベトナムに送られ、20歳で死体になって帰って来た。それと比べて、ブッシュは許せないって怒りなんですね。お金持ちやコネのある者は、なぜ戦場に行かなくていいのか? なぜ、貧乏人だけが死ななくちゃならないか?――って怒りです。
ブッシュさんへの批判は、モーリー・アイヴィンスさんという女性ジャーナリストからも出ています。モーリーさんって実は、ブッシュさんと高校で一緒で、デート友だちのひとり。ブッシュさんとはテキサス州知事時代に、ジャーナリストとして再会、以来、ブッシュ批判を続け、最近、『ブッシュワックド(待ち伏せされちゃった)』って本を出した。ブッシュさんがどれだけ福祉を後退させたか、など、事細かに事実を挙げて批判しまくっているそうです。

そんなこんなで、ブッシュさん、全米的にブーイングの嵐にあっているわけですが、米国債を買い捲り、ブッシュ政権を陰で支えているのが、日本だというのですから、わたしたちも無関係とは言えません。「円高阻止」という大義名分もありますが、日本の財政当局は昨年、2003年の年初から、円札をやたら増刷し、それでもってドル建ての米国債を買い捲っていて、その額は実に、2500億ドルにも達しているそうです。リチャード・ダンカンってエコノミストによると、この額って地球上の全人類に公平に分けると、1人40ドルずつ、になる計算。こんなものすごい米国債買いで、アメリカの財政赤字の半分をまかなっているんだそうです。ダンカンさんは「日の丸ヘリコプターがお金をアメリカにばかまいているようなものだ」と言っていますが、この先、大丈夫なのか、って不安になります。

徴兵逃れはブッシュさん個人の問題ですが、債務不履行なんてなったら、それこそ大パニック。背筋が寒くなって来ました。(2004・2・19)

          

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