友よ

鹿島槍ケ岳には行った事ないの

と言ったあなたの言葉を思い出し

譲り受けたあなたのザックを背負い

シャツも手袋も身につけて あなたと一緒に登りました

あなたの声を あなたの笑顔を思い浮かべながら

一歩一歩登って行きました

長い長い綾線をたどって登頂した時

着いたよ と声に出したとたん涙がこぼれそうになりました

あなたが逝ってしまった事が

今でも納得できないでいる私の想いを

荒々しくも荘厳な山々の彼方に 解き放つ事が出来たなら・・・

ナナカマドの実は赤く染まり

ハイマツノン中から出てきた雷鳥の羽根は

少し白くなり始めています

山はもうすぐ冬

時は確実に移り過ぎてゆくのです

平成19年9月22日〜24日

鹿島槍ケ岳