「株は値下がりするので嫌だけど債券なら買ってもいい」という人がいます。いわゆる資産家のポートフォリオには確かに債券の比率が高いものです。
しかし、債券もそれを発行する母体=発行体によっては株と同等のリスクがあります。その割りにリターンが低い場合が多いので購入に際してはよく検討したほうがよいでしょう。
つい先般もマイカルの民事再生法申請に伴って同社の社債が債務不履行になりました。このマイカル債がわずかな金額でも弁済されるかどうかは今のところ全くわかりません。万一弁済されるとしてもかなり時間がかかる上に、せいぜい額面の10%程度だと思います。
これまで個人向けの一般的な社債が債務不履行になったことはなかったので、「債券は安心」と頭から思い込んでいるなら再考をお勧めしたいのです(注意・転換社債では債務不履行になったものはこれまでにもあります)。 このところの株安で株式投資や株を含む投資信託の不振が続いているので、「社債ならまだマシかもしれない」と興味を持つ人もいるでしょうが、実際のところはマイカル債のようなものも混じっているのですからよく銘柄を吟味しましょう。
折からの不況に加え、アメリカの同時テロ発生の影響も考慮しなくてはなりません。不良債権処理や経営基盤強化のために合併準備に追われる銀行に融資余力が有り
余っているとは思えません。 銀行から融資を断られ、増資による資金調達も困難となれば、無担保でも発行でき る社債に高い利率をつけて売りだそうと考える会社が出てきてもおかしくない…、そんな視点も持ち合わせていた方がいいと思います。
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| ★第二のマイカル債をつかまないために
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さて、そこで社債を購入する時のポイントを押さえておきましょう。 まず、「株は怖いが債券なら安全」という考え方ですがこれは間違いです。債券ならなんでもローリスク・ローリターンではないのです。ハイリスク・ローリターンのものが結構あります。
例えば前述のマイカルの場合、2000年10月に起債された第27回無担保社債の表面利率は3.25%だったのですが、確かに今の金利水準から見ると利率はいいように思えます。
しかし、利率の高さはリスクと比例しているという点は忘れてはなりません。この社債の償還日は2004年10月12日の予定でしたが、4年間持ち続けるリスクと利率を比較するとハイリスク・ローリターン商品といえたのではないでしょうか。
ここで一般的にハイリスクといわれている株式と比較してみましょう。 |
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株と社債の違いを比較 |
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株の場合、確かに価格は始終変動します。しかし、株なら100円で買ったものが50円になるリスクもある代わり200円になることもあるのです。
ということはハイリスクでもありますがハイリターンも望めるわけです。 債券の場合は、100円払って無事に償還されても100円が戻ってくるだけです。この点はよく覚えておきたいものです。
利率に目を奪われて投資した場合、償還までの期間、債務不履行のリスクを負い続 けるのですから多少利率がよくても一考したほうがよいといえますね。
債券は利率よりなにより確実な償還を重視して銘柄を選ばなくてはなりません。こ れが債券投資の基本中の基本です。 確実な償還が見込めそうな債券は概ね利率は低いものです。そして、もっといえば、社債を発行する必要がほとんどないような会社もあります。
例えば株主資本が九割以上もあるような会社です。株主資本は会社四季報などですぐ調べられる数値ですが中には1%にも満たない会社もあります。
株主資本が豊富な会社なら銀行融資を頼みにしたり高い利率を約束して社債を発行しなくても資金が必要になったら株主が株を引き受けてくれる期待が持てます。
ちなみにマイカルの場合、株主資本が連結ベースではたったの5.7%しかありませんでした。あとの94.3%は他人資本、つまり借金だったのですから、累積債務の数字とあわせて検討すれば事前にかなりリスクの高い商品だとわかったのではないでしょうか。
もう一つの注意点ですが、債券の場合、格付けがよく参考にされますが格下げされても投資家にそのつど告知されるものではないのでリスクの高い債券をあえて購入する人は用心して欲しいものです。
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ポイント |
| 販売を引き受ける証券会社は企業から引き受け手数料をもらいます。 企業は無担保でも社債の発行ができます。
社債販売の際の格付けは社債を発行する企業が格付け会社にお金を払って格付けしてもらいます(ちなみに格付け会社が頼まれもしないのに勝手に格付けする場合は勝手格付けといいます)。
誰がもっとも大きなリスクを取るのかといえば投資家なのです。 投資家は自分のお金を守るためによいモノを見分ける目を養う必要がある。そう思いませんか? |
| ★ 次回は国債の暴落リスクについてアップする予定です。
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