| 木村佳子さんのマネーコラム <第六回・2003年2月初旬 法人向け・経済講演会・講演録抄> (2003年3月13日UP) ●先日、愛知県のある都市で講演した時の講演録抄をお届けしますね。 講師/木村佳子みなさま、こんにちは。木村佳子でございます。本日は講師としてお招きくださいまして大変ありがとうございます。会場にはこの地域のそうそうたる経営者の皆様がご臨席でいらっしゃいます。 私のような若輩者が演壇に立たせていただくのは大変おこがましく、恐縮至極でございますが、専門分野の研究が何かのお役に立つかも知れないと存じ、僭越ですが、せっかくの機会ですのでお話させていただきます。どうぞ、ご寛容なお気持ちで、お聞きください。不行き届きな点は何卒、お許しいただきたいと存じます。 では、早速はじめさせていただきます。金融機関とかしこく付き合っていくために何点か、理解しておくべきことがございます。その点を順次、レジュメに従いまして、ご説明申し上げます。 @ 日経平均株価について まず、現在のところ、日本は大変な不況ということで、株価も下がっております。株式市場は実態経済より二〜三年の先行性があるといわれておりますが、日経平均株価は現在、1980〜1984年当時、即ち、バブルが始まる前の水準まで崩落しております。また、この水準で下げ止まるかどうかについて、私はまだ安値があると思っておりまして、特に2003年後半はよりいっそう厳しい展開になろうかと予測しております。1980年〜1984年頃の株価位置に近い点から、最悪の場合は目処といたしまして6880円という水準を意識しております。そこまで一気に下落するこことはないにしても、今年後半、あるいは2004年早々にかけて用心したいと思います。 経営者は、株価水準と金融機関の経営状態についての観察が必要です。と申しますのは株価水準いかんで金融機関から貸付限度額の引き下げ、融資枠の縮小を申し出られる可能性があるからです。金融機関も株式、外債、国債、為替、貸付などで資金運用しておりますので、株価が下がれば銀行のバランスシートも悪くなるわけです。直近では8000円を割りましたら、借り入れを早め早めに返済しておくことが望ましいのではないかと思います。 A 為替 続きましてお取引先の景況感について、為替の影響も大きなものがございますでしょう。そこで為替についても検討しておきたいと存じます。まず、アメリカの財赤字が膨らんでおります。さらにイラク攻撃、戦争などで戦費が増大しますとアメリカは過去のように財政と貿易の双子の赤字に陥り、投資家からは敬遠される対象になります。すなわちドル売り、アメリカ株売り、アメリカの債券売りになる可能性が高まるわけです。するとドル安・円高となってしまいます。日本の経済情勢はけしてよくありませんが、アメリカ売りで円高に持っていかれるわけです。しかし、注意しなくてはならない点はユーロやニュージーランド・ドル、オーストラリア・ドルに対して円は安値になっていることです。ユーロは戦争に非積極的で共通通貨ユーロによって商業圏を5億人規模にしようと努力している点で、有望ですし、ニュージーランド、オーストラリアは資源国で、日本にないものを持っているという点で強みがあります。ご存知のように中国では日本の高度成長期のような状態になっていまして、働いて所得を得る中産階級層の大量消費が始まっています。そのため、貴金属や石油、食料に関する消費が活発で商品市況がタイトです。 従いまして、まとめますと今年前半、対ドルに関しては予想外の円高が起こると予測いたします。これは輸出関係の企業に業績面で悪影響をもたらすと思います。ということは下請け企業にも影響が及ぶでしょう。 しかし、年の後半は日本のファンダメンタルズの悪さに焦点が移り、円安傾向が出てくる可能性があるでしょう。ただ、用心したいのはハイパーインフレの懸念も含んでいるという点です。この件につきましては次のレジュメで触れさせていただきます。 B デフレ、スタグフレーション、ハイパーインフレ 目下、少子高齢化という日本の人口動態にともない、また、円高でもあり、中国の安価な労働力の産物である激安商品流入、バブル崩壊なと゛様々な要素が絡まり、日本は物価が継続的に下がるデフレ状態に陥っています。そして、次の段階であるスタグフレーションが起こりつつあります。これはインフレを前提にした価格体系が壊れる状態を意味し、消費税引き上げ、年金支給額の減額などが現実化しそうです。次に起こる可能性があるのはハイパーインフレで日本の財政が改善しないまま、不況が続けば、円は衰え、石油などの資源を高く買い入れるような状態になりかねないというわけです。 ◆ では、どのように対策したらよいだろうかというお話に移らせていただきます。 ◆ ◎ 業績アップのための処方箋として
<まとめ> 今後、トンネルを抜けたら景気が回復していた式の景気回復はないと思います。株価回復もなかなか望めず、為替もドル安による円高が心配ですし、商品市況の上昇も日本経済にとっては痛手となる可能性があるでしょう。従って、まだまだ続く長期不況に備えて自分の身は自分で守る式の経営が強いといえます。少人数私募債、時価会計、成長分野に目を向けたポートフォリオ経営で是非、苦境を乗り越えたいものです。(愛知県の法人向け講演録抄 2003−2月上旬実施)
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