|
| |
| Fragile
Design |
| 自分の作品に対して、多くの人から「繊細ですね」というコメントを頂くが、仲の良い友人に |
| 言わせると「危うい」もののようでもある。友人の言葉は自分にとってうれしいコメントである。 |
| 私は古い長屋を住処としながら、ここを仕事場としても使っている。この1階の屋根上 |
| には物干し場が取り付けられていて、スチール製の構造体は錆に包まれ、ところどころが |
| 朽ちており、形もゆがんでいる。床にはプラスチックの板が渡してあるが、風で吹き飛ば |
| されたのか数枚程度しか残っていない。そのため、この場所に足を踏み入れる際には、色 |
| あせて割れそうなプラスチックや錆だらけで崩れ落ちそうなスチールを丁寧に、そして注意 |
| 深く感じとらなければならない。ここは、からだを動かすごとに材料や自分自身を感じとる |
| ことのできる美しい空間なのである。言い換えれば、この空間は自分を含む環境の「危うさ」 |
| を感じとらせてくれる場所であると言える。 |
| 私にとっての「危うい」という言葉は「変化することの憂い」を暗示させるものではある |
| けれど、悲観的な観測のみをもたらすものではない。「危うい」ものとの対話は「変化する」 |
| ことの喜びも教えてくれると確信している。 |
|
|
|