3月31日 『金田一耕介に捧ぐ九つの狂想曲』

赤川次郎、有栖川有栖、小川勝己、北森鴻、京極夏彦、
栗本薫、柴田よしき、菅浩江、服部まゆみ
9人の作家が金田一耕介あるいは横溝正史に纏わる作品を書いています。

横溝さんの作品は、映画は何本か観ましたが、
実は小説は1つも読んだことがないので、
正直、話がわからない部分も多々ありました。
(元作品の知識が必要な作品もあるので)

栗本さんの作品には、伊集院大介が登場。
金田一耕介との共演は、とても楽しかったです。
他には、菅さん、服部さんの作品が面白かった。

3月19日 『滅びのモノクローム』 三浦 明博

第48回江戸川乱歩賞受賞作

骨董市で古いリールと古いフィルムを入手した日下。
ボロボロのフィルムには、釣り風景が映されていた。
広告代理店に勤める日下は、
その映像を再生させてCMに使おうとするのだが、
そんな日下の周囲で、不穏な事件が続出する。
果たして、そのフィルムに映されていたものは・・・?

序盤は、なかなかとっつきにくく、
あと少しで挫折本に・・・という感じだったけれど、
中盤以降、テンポよくよめるようになりました。
原爆投下時の長崎に始まって、
時を変え、場所を変えて語られる断片が、
1つのストーリーにつながるところは、
なるほど、と感心しましたが、
主役級の登場人物の影が薄いのがちょっと残念。

許せない事をしたから、悪い人、と、
一概に言ってしまえない、
戦時中というのはそういう特殊な状況だったのだなと、
ラストを読んで改めて感じました。

3月○日 『東京少年』 長野 まゆみ

父と始めて出会った日、
母が抱えていたという、黒椿。
幻の黒椿を捜し求める少年は、
いつしか自らの生い立ちを、そして
周囲の人たちの過去を知る事になるのだが・・・

とても穏やかで、読みやすい物語です。
この作品にも、魅力的な男性が、
それも、男性同士の愛情が描かれてはいますが、
今回のは割合にサラリとしており、
それよりも、家族とか友情とか、
そちらの方に、焦点が合っている感じです。

そして、一番気になったのが、
泡立てミルクと蜂蜜入りの珈琲・・・
どんな味なんだろう。一度飲んでみたいわ〜

3月○日 『虚空の逆マトリクス』 森 博嗣

バラエティに富んだ7作品が収められた短編集。

『トロイの木馬』:近未来のお話。
実像の世界と、PCの中のバーチャルな世界が、
複雑に絡み合って・・・森さんらしい、といえばそうですが、
正直こういう作品は、苦手。よくわからないまま、読み終えました。

『いつ入れ替わった?』:犀川先生と萌絵のお話。
謎部分はともかく(苦笑)
本シリーズが終了した後、
こんなところでこんなふうな進展があるとは、
かなり、びっくりでした。

他に、『赤いドレスのメアリィ』、『不良探偵』、
『話好きのタクシードライバー』、『ゲームの国』、『探偵の孤影』

3月10日 『覆面作家の愛の歌』 北村 薫

嫁が作ったオリジナルケーキを試食したケーキ屋の店主が、
「修行しなおしてくる」と禅寺にこもってしまった。
その話を聞いた覆面作家こと千秋さんは、
何か気になると、その禅寺に出かけたのだが・・・
(「覆面作家のお茶の会」)

覆面作家シリーズの第2弾。
大富豪の令嬢であり、天国的な美貌の持主。
覆面作家のペンネームでミステリを書く、新妻千秋さん。
一歩外の世界に出ると、べらんめえ口調に豹変する彼女が、
現実の世界の謎を鮮やかに解き明かします。

「覆面作家のお茶の会」の他に、
「覆面作家と溶ける男」「覆面作家の愛の歌」の全3編。

千秋さんや担当編集者の良介くんなど、
登場人物のキャラクターがとても楽しく、
すいすい、読みすすめられました。
良介くんと千秋さんの仲も、進展しそうな、しなさそうな・・・
ういういしくて、微笑ましくて、後の展開が楽しみです。

ただ、「愛の歌」のトリック部分の説明だけは、
何度読んでも、頭がこんがらがって・・・

3月5日 『魔剣天翔』 森 博嗣

航空ショーのアクロバット演技の最中に、
2台の航空機が接触し、墜落した。
各2名の搭乗者のうち、脱出したのは3名。
残る1人は、機内で射殺されていた。
演技中の航空機の操縦席という完全な密室において、
しかも後部座席に座っていた人間が、
背中から銃弾をあびているのはなぜなのか?
犯人は?そしてその方法は・・・?

Vシリーズの第5弾。
練ちゃんや紫子ちゃんはもちろんだけれど、
いつもは謎の人である保呂草さんや、
あまり好感の持てない紅子さん、祖父江さんまで、
今回はみんないい人っぽく(苦笑)描かれていて、
読みやすかったです。
謎の方も、割合にストレートで、
Vシリーズの中ではこれまでで一番、満足、な作品でした。

ただ、ダイイングメッセージの件は、必要なのかな?と、
ちょっと、疑問だったりしましたが。