7月20日 『いま、会いにゆきます』 市川 拓司

「雨の季節になったら、戻ってくるから」
その言葉どおり、
澪は、戻ってきた。記憶を無くして。

司法書士事務所に勤める29歳のぼくは、
いろんな制約を抱えながら、
小学生の息子・佑司と暮している。
亡くなった妻・澪が戻ってきて、
家族三人の幸せな日々が再び訪れた。
そしてぼくは、もう一度彼女に恋をしたのだった。。。

とても、優しくて穏やかな、物語です。
別れ、の悲しさを感じながらの、
だからこそ、よけいに、大切で、いとおしい、
そんな三人のお話です。
素直に淡々と描かれた文章が、
とてもわかりやすく、やさしくて、
なんということはない言葉一つが、
とても胸に染み、涙しながら読みました。
こんなふうに、誰かを愛してくらしてゆけたら。
運命を静かに受け入れて、
その中で、幸せを見つけてゆけたら。。。

哀しくて、ではなく、
不思議な感動で、涙が止まらず、
読み終えて、ふっと幸福感が訪れる、
そんな、すてきな作品でした。

7月19日 『ねじの回転』 恩田 陸
 
7月18日 『青葉の頃は終わった』 近藤 史恵
 
7月17日 『夏のロケット』 川端 裕人
 
7月2日 『ねむりねずみ』 近藤 史恵

歌舞伎の若手女形・中村銀弥は、
いつからか次第にものの名前を忘れるようになっていた。
言葉を失ってゆくことに怯える彼を心配しながらも、
妻の一子は、別の男性との逢瀬に安らぎを覚えていた。

そんな中、舞台の最中に、
客席で殺人事件が起きる。
大部屋女形の小菊と、その友人で探偵の今泉が
事件解決に乗り出すのだが。。。

事件の真相はさておき(苦笑)
歌舞伎というあまりなじみのない世界が、
とても興味深く、ステキに描かれています。
何も知らなくても、それなりに、楽しめました。
オネエ言葉で喋る小菊さんが、好きですね。
今泉とのコンビも、おもしろいです。