「雨の季節になったら、戻ってくるから」
その言葉どおり、
澪は、戻ってきた。記憶を無くして。
司法書士事務所に勤める29歳のぼくは、
いろんな制約を抱えながら、
小学生の息子・佑司と暮している。
亡くなった妻・澪が戻ってきて、
家族三人の幸せな日々が再び訪れた。
そしてぼくは、もう一度彼女に恋をしたのだった。。。
とても、優しくて穏やかな、物語です。
別れ、の悲しさを感じながらの、
だからこそ、よけいに、大切で、いとおしい、
そんな三人のお話です。
素直に淡々と描かれた文章が、
とてもわかりやすく、やさしくて、
なんということはない言葉一つが、
とても胸に染み、涙しながら読みました。
こんなふうに、誰かを愛してくらしてゆけたら。
運命を静かに受け入れて、
その中で、幸せを見つけてゆけたら。。。
哀しくて、ではなく、
不思議な感動で、涙が止まらず、
読み終えて、ふっと幸福感が訪れる、
そんな、すてきな作品でした。