1−1−2.[エキゾチックダイヤル購入対策]      

   ここでは、デイトナ本体は本物であるということを前提に、肝心のエキゾチックダイヤルにつ
  いての簡単な真偽判断法の鉄則を紹介します。
  (なお、デイトナ本体の真偽判断方法ついては別途紹介します。)
   以下に掲げる真偽判定法は、管理人個人の勝手な経験に基づくものであり、もちろん十分
  でなんかあり得ません。結局最後の決め手は、数多くの現物を見ることで感覚的に養われる
  ようなカンではないでしょうか(^^ゞ。

【詳細インデックス】
 
1−1−2−1.エキゾチックダイヤル自体の観察前に
 
 
[鉄則その1] ミドルケースの製造年代
 
 
[鉄則その2] オリジナルパーツの残存度合い
         

         
プッシャー
         
アクリル風防
         
ブレスレット
 
1−1−2−2.エキゾチックダイヤル自体の観察
 
 
[鉄則その3] ダイヤルのデザイン
         
観察ポイントその1.ダイヤル全体
          
ダイヤルの表面
          
ダイヤルの裏面
          観察ポイントその2.アウターサークル
          
地色
          
スクエアドット
          
夜光
          
バーインデックス
          
T SWISS T表記
        ・ 観察ポイントその3.インダイヤル
          地色
          
断面形状
          
数字


 
[鉄則その4] ダイヤルの経年劣化                

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [01/06/14.改訂]
  [02/04/20.改訂]

1−1−2−1.エキゾチックダイヤル自体の観察前に

 先ず最初に、ダイヤル(文字盤)と他の部品との相関関係に基づき、ダイヤルがオリジナルである
可能性の高低を、ある程度推測することができます。
 
鉄則その1  ミドルケースの製造年代と、エキゾチックダイヤルの推定製造年代とが、大きくズレて
 いる場合には要注意です。
   
   ミドルケースの製造年代と、エキゾチックダイヤルの推定製造年代とが、大きくズレている場合、おそらく文字盤は
  後から交換されたものであり、このように交換された文字盤は、得てしてリダンや全くの贋作である可能性が高いため
  避けるのが無難です。
   もっとも、当時のオリジナル品にあった正真正銘のエキゾチックダイヤルを、同一のRefでコンディションがもっと良い
  後期の品に付け替えたり、さらには類似の別モデル(例えばRef.6239→6241)に付け替えることもよくある話しであり、
  文字盤が間違いなく本物であるとの確証を得られた上で、後付けされた文字盤であることを気にしなければ問題には
  なりませんが…。
   
   ミドルケースの製造年代は、ケース6時側サイドに刻印されたシリアル番号から、巷に知られている[対応表]を元に
  して容易に知ることができます。 ここでシリアル番号が摩耗や傷などにより確認できないような場合も要注意です。
   エキゾチックダイヤルの推定製造年代は、一般には60年代中期から70年代初頭と言われていますが、私個人が今
  まで実際に確認してきたもの(20個程)では、それらの製造年は64年〜74年の間に相当しており、この年代に相当す
  るシリアル番号は、大凡「1714000〜4267099」の範囲(※補足1)となります。
   なお、ミドルケースは、エキゾチックが実際に確認されているモデル(※補足2)のものであることが大前提であるのは
  言うまでもありません。 Refは、ケース12時側サイドの刻印から容易に知ることができます。
   
  (※補足1)
   ミドルケースのシリアル番号と、これに対応する製造年には、確かに誤差はありますが、シリアル番号
  は意外と厳密に管理されている様でして、ROLEX OFFICIAL SITEの年表に載っている通りの製造年だと
  ほぼ推定することが可能です。 またミドルケースの製造時と、ケースを用いた時計全体の組立時の誤差
  も考えられますが、これはあっても数ヶ月程度という話しのようです。
   ここで間違えてはならないのが、製造年と販売年とは全くの別概念ということです。例えば、時計の製造
  年は70年であっても、これが店頭に飾られて実際に売れるまでに、製造日からのタイムラグがあるのは
  当然であり、製造から5年後の75年に売れて、75年の日付印がギャランティに付くことも多々あるわけ
  です。

おまけ]製造年とシリアル番号 ※詳しくはこちらをご覧ください。

  1962年 1558000〜 − X
1963年 1636000〜 − *
1964年 1714000〜 ○
1965年 1792000〜 −
1966年 1871000〜 ◎
1967年 2163900〜 ◎
1968年 2426800〜 ○
1969年 2689700〜 ◎
1970年 2952600〜 −
1971年 3215500〜 ○
1972年 3478400〜 ○

1973年 3741300〜 −
1974年 4004200〜 ◎

1975年 4267100〜 −*
1976年 4539000〜 − X
◎…2点以上実際に確認 (by管理人〜01/06/01)
○…1点のみ実際に確認 (by管理人〜01/06/01)
−…今だ未確認 (by管理人〜01/06/01)
*…エキゾチックの製造年ボーダーライン?
×…エキゾチックの製造年から多分外れる?

 ここで「確認」したというモノは、管理人がまず間違
いないと確信を持てたものだけに限定しています。
     
  (※補足2)
   エキゾチックが実際に確認されているモデル
  → [Ref.6239] [Ref.6241] [Ref.6240] [Ref.6262] [Ref.6264] [Ref.6263] [Ref.6265]
   なお、余計なことかも知れませんが、オイスターケースの[Ref.6263] [Ref.6265]に関しては、
  実際のエキゾチックダイヤルは非常に少ないはずであり、現在世に出回る8割は偽物との噂です。

 

鉄則その2  オリジナルパーツの残存度合いと、エキゾチックダイヤルの本物可能性は、正比例
 して高まる関係にある。
   
   針やプッシャー、風防、ブレスレットなどの外装部品に関して、今では入手困難なオリジナルパーツを多くまとって
  いる程、オーバーホール時に部品交換されたり、意図的に手を加えられた事実が少ないことになります。
   もちろん、後からオリジナルパーツを寄せ集めて組み上げた可能性もありますが、一般的にはオリジナルパーツ
  の残存度合いが高いほど、それだけ本物のエキゾチックダイヤルをまとっている可能性も高くなると言えます。
   特に針に関しては、エキゾチックダイヤルに多く見受けられる仕様の存在が知られているので要チェックです。
  以下、各々のパーツごとに順に説明します。
   

 

   針に関しては、長針および短針には別段特徴がなく、通常ダイヤルのモデルと全く同様に、その時代のシンプルな
  バータイプが採用されています。
   ただし、クロノ針と各インダイヤル針については、エキゾチックダイヤル用の特別仕様と噂されるタイプの存在が知ら
  れています。

 クロノ針について

 先ず、クロノ針の先端部の塗料色ですが、視認性を考慮してか一般的には、
  ・黒ダイヤルでは、そのアウターサークルが白であることから、その上で見映えがよい黒色塗料が採用され、
  ・白ダイヤルでは、そのアウターサークルが黒であることから、その上で見映えがよい白色塗料が採用され
   ているのが一般的です。
   
 次に、クロノ針の先端部の形状ですが、黒ダイヤル白ダイヤルの色の相違を問わず、
  ・エキゾチックでない通常ダイヤルのモデルでは、右の画像1の如く二等辺三角形で先端が鋭い
細長い矢印形が多いのに対して、
    画像1
  ・エキゾチックダイヤルのモデルでは、右の画像2の如く前記一般の矢印形よりも正三角形に近い
矢印形のものが多く、これが一般にはエキゾチックダイヤル仕様のクロノ針として知られています。
    画像2
       
 ただし、クロノ針の先端部に関しましては、前述した白黒色違いから矢印形状も合わせて、あくまでも多く
  見受けられるということに過ぎず、原則に例外は付き物のであり、ここでの説明に合致しなくともオリジナル
  である可能性はあり得ます。
      
   さらに、留意事項として、正三角形クロノ針はノンスクリュー対応のエキゾチックダイヤルでは標準仕様であったが、当時の
  Ref.6238やRef.6239等における通常文字盤でも、この正三角形クロノ針を備えたものは見受けられました。
   また、特にスクリューロックが採用されたRef.6263,Ref.6265に関しては、いつの間にやら二等辺三角形クロノ針がエキゾの
  オリジナルでも使われていたという証言もあります。
   ただ、スクリューの有無に拘わらず一般的には、やはりオリジナルのエキゾチックに関しては、たまたまその製造年代の全
  てのデイトナの標準仕様であったためか、あるいはやはりエキゾチック独自の仕様だったためか、正三角形クロノ針を備えた
  ものが圧倒的に多数派であったようです。
   もっとも、クロノ針は比較的傷みやすく、OH時にはパーツ交換される場合が多い訳でして、後年OH時にパーツ交換すると
  なると、当時の正三角形クロノ針のストックは既になく、残念ながら二等辺三角形クロノ針に交換されてしまいます。 
       
 インダイヤル針について
   
 先ず、インダイヤル針の太さですが、エキゾチックダイヤルのモデルでは、そのインダイヤル内の特有のインデックス
  に合わせて視認性を高めるために、通常ダイヤルのモデルの針(画像3)より約1.5倍近くも太目に仕上がっています。
   この太目インダイヤル針(画像4)は、エキゾチックダイヤルのオリジナル仕様としてほぼ間違いないようです。
   
       比較対象となる通常ダイヤルのモデルが近くに無い場合には、
インダイヤル内のスクエアドットをほぼ覆い得るかを見て、太め
針であるのか判断することができます。
  画像3       画像4    
 
 なお、旧いデイトナRef.6238,Ref.6239等では、エキゾチック以外の通常ダイヤルにおいても、極太のインダイヤル針を備えた
  もの(オリジナルではなく後でたまたま交換されたモノとの説があるが・・・)が確認されていますが、逆にオリジナルのエキゾ
  チックでは殆どが極太インダイヤル針であり、通常の細さのインダイヤル針が当初より備えられたものは無かったようです。
   その一方、当時のRef.6238やそれ以前のクロノグラフでは、極細のタイプの秒針(先が尖がったペンシル状でなく、先がフラ
  ットな感じで細い棒状)がオリジナル仕様として使われていたが、Ref.6239やRef.6241の初期ロットでもその存在は知られてお
  り、これらのエキゾチックダイヤルにおいても、極太針の代わりに極細針がオリジナルとして使われていた可能性もあります。
               
 次に、インダイヤル針の塗料色ですが、これは以下の如く通常ダイヤルのモデルとまったく同様です。
  ・黒ダイヤルでは、インダイヤルは白色であり、その中の針は黒色です。
  かかる黒色針の場合、その回転中心部から先端部にかけて総て均等に黒色に塗られています。
  ・白ダイヤルでは、インダイヤルは黒色であり、その中の針は白色です。
  かかる白色針の場合、その回転中心部は何故か着色されず地金が覗けており、回転中心部に連なる
  基端側から先端部にかけてだけ白色に塗られています。


 
プッシャー(プッシュボタン)

   プッシャーに関しては、ノンオイスターケースに見られるラウンドプッシャーや、オイスタケースに見られる
  スクリューロック式プッシャー共に、それぞれオリジナルパーツとスペアパーツには明確な違いが見受けら
  れます。
   
 先ず、ラウンドプッシャーでは、オリジナルでは外周部にスジ溝がないタイプ(画像5)であるのに対して、
  最近の交換用スペアパーツは、たいてい外周部にスジ溝があるタイプ(画像6)となります。ただし、パーツ
  の在庫ないし供給上の都合によるものなのかは不明ですが、後年のOH時にスジ溝がないタイプに交換さ
  れる場合も結構あるようです。
  ・ラウンドプッシャーを備えたモデル
   → [Ref.6239] [Ref.6241] [Ref.6262] [Ref.6264]
   
  画像5     画像6
         
 次に、スクリューロック式プッシャーでは、当初からおよそ80年代前期頃までのオリジナルでは、外周部に
  スジ溝がないタイプ(画像7)でしたが、およそ80年代中期頃から外周部にスジ溝があるタイプ(画像8)に変
  更されています。スクリューロック式プッシャーの最近のスペアパーツは、ほぼ例外なくスジ溝があるタイプと
  なるようです。
   したがって、年代によっては、オリジナルで外周部にスジ溝がある場合もありますが、かかるスジ溝ありタイ
  プは、何れにせよエキゾチックダイヤルの推定製造年代とは残念ながら合致しません。
  ・スクリューロック式プッシャーを備えたモデル
   → [Ref.6240] [Ref.6263] [Ref.6265]
   
  画像7     画像8


 
アクリル風防(通称プラ風防)

   アクリル風防に関しては、実に様々な情報が交錯しており、特定の年代別にデザインの相違を系列化することは困難な
  ものがあります。
   ただ、研磨効率の観点よりデザインが変更されてきたのは事実であり、一般的には、完全ドーム段付ドームフラット
  のような変遷を辿っています。
   
 一般的には、以下のように定義することが出来ます。
  「完全ドーム」とは、ベゼル内縁に接する下端縁からすぐに傾斜してドーム形に湾曲するタイプの風防です。
  「段付ドーム」とは、ベゼル内縁に接する部位は直角に立ち上がって円柱状の段となっており、その段の上端縁から
    ドーム形に湾曲するタイプの風防です。
  「フラット」とは、段の上の表面がほんのわずかしか湾曲しておらず、ほとんど略水平に見えるタイプの風防です。
   
  画像9   画像10   画像11
  ◆完全ドーム
 当初〜70年代後半?
  ◆段付ドーム
 60年代後半?〜80年代中期?
  ◆フラット
 80年代後期〜
   これらの画像に示すプラ風防は、すべて手巻デイトナ用のものであり、旧いシードウェラーなど他のモデルの
プラ風防とは、ドーム曲率や厚みなどの形状や年代が実際は異なるようです。
           
 といった処でして、3タイプの出現順はほぼ間違いないのですが、それぞれの推定年代はかなりいい加減です(^^ゞ。
  と言いますのは、アメリカでは、当時の80年代製オリジナルの[Ref.6263]でも完全ドームが付いていただの、あるいは
  フランス辺りでは、60年代の[Ref.6264]で既に段付ドームが付いていただのと、諸々の情報や噂を集約しかねるからでして…。
   更には、オリジナルのアクリル風防であっても、長年に亘る研磨によって表面形状や厚さにかなりのバラツキが生じている
  という事実も相俟って、もはやカオスの世界でしょうか…。
   
 ただ間違いなく言えることは、エキゾチックダイヤルのオリジナルのアクリル風防は、完全あるいは段付何れかのドーム風防
  であったと言うことです。
   ただし、外装パーツの中では、このアクリル風防はその材質上最も傷付きやすく消耗品として捉えられているため、アクリル
  風防に関してはむしろ交換されている方が当たり前であり、オリジナルでないことをさほど気にする必要はないかと思われます。
   なお、現在日ロレで入手可能なアクリル風防(スペアパーツ)は、すべてフラットタイプのみとなっています。


 
ブレスレット

   このブレスに関しても、エキゾチックダイヤル(正確にはこの年代のモデル全般)に多く見受けられるタイプの存在が知られて
  おり、これに該当するか否かも要チェックです。
   一般的には、
  60年代中期のモデルには、リベットブレスが、
  60年代後期のモデルには、リベットブレスまたは巻き込みブレス初期型が、
  70年代初期のモデルには、巻き込みブレス初期型巻き込みブレス一般型が、
  それぞれ、オリジナルのブレスとして多く見受けられます。なお巻き込みブレスは、カシメブレスとも称されます。
   
 リベットブレス    
   リベットブレス [ブレスRef .7205  フラッシュフィットRef .71 ]

 過去確認した該当モデル(by.管理人)
 →[Ref.6239][Ref.6241][Ref.6240][Ref.6262]
  画像12  
       
 巻き込みブレス初期型    
   巻き込みブレス初期型 [ブレスRef .7835 フラッシュフィットRef .71N]

 
なお、フラッシュフィットRef .71Nとは別に、外観形状がほぼ同一の
 フラッシュフィットRef .271Nというモノも在ります。


 過去確認した該当モデル(by.管理人)
 →[Ref.6239][Ref.6262][Ref.6263]
  画像13

 
  ・ 巻き込みブレス初期型とは、左上画像13に示す如く「3連巻き込みブレスにおいて、フラッシュフィット(弓管)
   の中央部が、両側部の外端縁より凸状に突出しているタイプ」を指します。
  ・ 3連巻き込みブレスで、この初期型は60年代後期から70年代初期にかけての僅か数年間だけ製造された
   非常に珍しいタイプであり、通常は上記リベットブレスと同様に、下画像14に示す如く「フラッシュフィット(弓管)
   の中央部が、両側部の外端縁と直線状に並び略水平に見える」タイプが一般的です。
   
 巻き込みブレス一般型  
   巻き込みブレス一般型 [ブレスRef .7835 19 フラッシュフィットRef .371]

  
なお、これとは別に、外観形状がほぼ同一の巻き込みブレスで、
 [ブレスRef .7835 フラッシュフィットRef .271]というモノも在ります。
  これは、Ref .371よりも少し前に出現したようでして、Ref .371との違い
 は、フラッシュフィットRef .271はブレスRef .7835から外れる構造である
 のに対して、フラッシュフィットRef .371はブレスRef .7835 19から外れな
 い一体型に構成されている点で、両者は異なります。
  画像14

 ただし上記各ブレスは、年代的にエキゾチックの製造年とほぼ合致するため、エキゾチックに多く見受けられ
  るということであり、前述した針の場合とは異なりエキゾチック仕様という訳ではありません。この年代のエキゾ
  チック以外の通常ダイヤルにも、実際に前記巻き込みブレス初期型が当初より装着されている場合は多々あり
  ます。
   
 なお、下画像15に示す3連無垢ブレスは、一般的には70年代中期以降に登場したと推定されており、何れ
  のエキゾチックダイヤルとも年代的には合致しませんが、もちろん後から無垢タイプに付け替えたものは多く見
  受けられます。
 無垢ブレス [ブレスRef .78350 19  フラッシュフィットRef .571]
  画像15  
  ・ この3連無垢ブレスでは、上画像15に示す如く「フラッシュフィット(弓管)の中央部が両側部の外端縁より
   時計ケース側に向かい凹む」デザインとなっています。
   
   
[注意] もちろん上記オリジナルパーツの説明はあくまで一般論としての推定にすぎず、
これらの説明に合致しない場合も大いにあり得ます。当HPでは上記説明と相反する例外
について情報を広く募集しております。


1−1−2−2.エキゾチックダイヤル自体の観察

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