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| ◆ ブレークイン(パイプの調教・馴致) | |
さて、パイプを買って何をするか。いきなりインテリアとして飾っておく人はないだろう。パイプを買った後はそれでパイプを喫うはずだ。しかし、“パイプ” 新品のパイプには色々とやらなければならない“調教”がある。それがブレークインだ。中にはブレークインを嫌がって中古のパイプを買い求める人もいるが、それは高級品の世界だけの話だ。従ってブレークインは避けて通ることはできない。 では何故調教が必要なのか?例えば、いくら良血のサラブレッドでも何の調教もせずにレースには臨めない。前章に“パイプは生物”と書いたようにパイプもそれなりにスモーキングに適した状態に創り上げてやらないと本格的なスモーキングには耐えられないのだ。タバコの持つ100%の旨みを発揮させるには、パイプの火皿にカーボンの皮膜 ―カーボンケーキ― を作っておく必要があるのだ。 だが……本当に燃えないのだろうか?いや、燃える。ブライヤーパイプのハンドメイドに挑戦した人には、やった経験が必ずと言っていい程あるのが、ブライヤー屑を燃やすことだ。 そして思うのは『本当に燃えないのかな?』である。それで火を着けてみる。燃えるのだ。それもごく簡単に。“木”であるブライヤーは条件さえ揃えば、“ブレークインは無用”と豪語するダンヒルでさえ簡単にこげたり燃えもするだろう。それを防ぐのがカーボンケーキの形成、ブレークインなのだ。
カーボンケーキと言っても洋菓子ではない。我々の言うところのブライヤーパイプとはホワイトヒースの根株、仏語でブリュイエールが誤訳され、ブライヤーとなったものだ。すなわちブライヤーというのは“木”なのだ。そのブライヤーが粘土や海泡石(メシャム)、他の木材を押しのけて、パイプの王座にあるのは、耐熱性、耐久性が群を抜いているからだ。燃焼時800度にもなるタバコの熱に耐え、尚かつ熱を外に伝えず、割れもしない。これが理由だ。 だが……本当に燃えないのだろうか?いや、燃える。ブライヤーパイプのハンドメイドに挑戦した人には、やった経験が必ずと言っていい程あるのが、ブライヤー屑を燃やすことだ。 そして思うのは『本当に燃えないのかな?』である。それで火を着けてみる。燃えるのだ。それもごく簡単に。“木”であるブライヤーは条件さえ揃えば、“ブレークインは無用”と豪語するダンヒルでさえ簡単にこげたり燃えもするだろう。それを防ぐのがカーボンケーキの形成、ブレークインなのだ。 カーボンケーキにはこげ予防の他にも効能がある。其れはタバコの最良の燃焼(注)と、煙の乾燥だ。“クールアンドドライ” これがパイプの仕事なのだ。パイプは喫い方やタバコの詰め方で驚く程味が変わってしまう。しかし、喫い方やタバコの詰め方が良くても問題がある。それは水分だ。詰め方が強すぎて、吸引がきつくなり、ジュース (燃焼時に発する水分) をわかしてしまいズーズー吸っているのは、これはスモーカーの責任だが、詰め方が良くても燃焼には水分が伴う。シガレットの場合火種の四方はあいているので気付かないが、パイプの場合上しかあいていないのだ。どれだけ上手に吸ったとしても水分は出る。その水分を吸収してくれるのがカーボンケーキなのだ。適正なカーボンケーキがつくとタバコの味は格段に美味くなる。そのためにもカーボンケーキを上手くつける必要がある。 (注) 「最良の燃焼」の反対が過剰燃焼。ボールの詰まり及び過剰吸引で、必要以上の高い温度で燃焼させてしまうこと。 |
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