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◆ ブレークインの実際

それではブレークインしてみよう。古いパイプメーカーの説だと、半世紀以前には次のようになされていたそうだ。

1.最初の三回まではタバコは火皿の三分の一に詰めて喫う。
  2.次の三回は二分の一。
  3.それ以降は火皿一杯。

このやり方だと一番厄介なホール付近から、カーボンがつく理屈なので、かなり有効だと思う。

次にアルフレット・ダンヒルの説では、最初の六回程は火皿の二分の一にタバコを詰め、過燃焼を防ぐため、室内でそれも火皿の上を手で覆いながら平均的な燃焼を心がけるのだそうだ。これも頷ける。平均した燃焼はカーボンを美しく仕上げる。

最後に私が喫煙具店の店員から聞いた方法は、“タバコは七分目ぐらいに詰め、優しく喫う” だ。これは感じは伝わるが、説得力がない。

また、別の方法としては、砂糖水や蜂蜜を火皿に塗り、充分乾燥させてからタバコを詰めて喫うやり方だ。これが最も多くやられる方法だ。これだと、ボールが直接熱を受ける前にカーボンが着くので一番安全な方法とも言える。しかし、メーカーによっては人工カーボン(スタンウェルでは松脂と石綿のペーストを火皿に塗っている)等でコーティングされたパイプも出ているので、販売店によく相談するのもいいだろう。

このようなブレークインを繰り返していくと、十回を越えたぐらいでカーボンケーキは完成する。丁度バームクーヘンのように。このカーボンケーキの厚さは1.5mm〜2mm程度がベストとされている。厚すぎるカーボンケーキは熱膨張でパイプを壊す恐れがあるので、リーマー(カーボン削り器)等で、こまめな手入れが必要だ。そしてブレークインの間は最後までタバコを喫い切ることが肝心だ。

今現在の私はブレークインをせずにパイプをおろしている。ある程度経験を積めばブレークインなしにカーボンケーキを造ることは可能になる。

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