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| ◆ 薔薇の根っこ | ||
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最近知己を得た大阪のMさん(私も大阪ですが、Mさんの方が随分と都会です)。この方は衣料品店を経営しておられて、御自分でホームページも開設されています。そしてこのMさんのホームページの中に『パイプ大好き』と云うコーナーが有ります。私はホームページを作って貰った関係で、つい最近パソコンを購入したのですが、使い方の勉強を兼ねて、ネットサーフィンですか?ホームページの管理人さんに教えて貰った検索エンジンを使って煙草、パイプ、喫煙具等に関するホームページを探し倒してます。まあ、殆どは喫煙具関係のお店のホームページなんですが、中には個人でパイプに就いての記事を載せておられる方もいます。Mさんはそんな方のお一人です。 Mさんの『パイプ大好き』を読んで感じた事は、他の人とは違うとな云う事でした。こう云うと失礼かも知れませんが、個人でパイプページをお持ちの方の記事を読ませて貰うと、殆どのホームページが、その人の人物が見えてこないのです。中にはJTのホームページを丸写ししているようなホームページも有ります。 又パイプクラブ等のホームページを時折見掛けますが。 これも定例会の報告や競技会の結果発表に終始しているものが殆どです。その点、昔のJPSC会報で有る『PIPE』は会員に文人が多かった所為か小冊子乍ら、中々読み応えが有って面白かった物でした。私のホームページやその他のホームページのような体裁の物で無く、出来るなら、昔の『PIPE』のようなホームページに出てきて貰いたい物ですが、実際には音楽、文学、絵画等の清談が交わされる環境には無いのが現状です。 今、パイプを始めようとする人は非常に厳しい状況に有ります。パイプを始めようにもテキストが無い。喫煙具店で教えて貰おうと思っても、満足に教えて貰えない。これに就いてはパイプを喫え無い店主や従業員が殆どと云うのだから、呆れて物も言えないのが事実です。なのでどうしても喫煙行為自体に言及しなければ成らないような、我々のようなホームページばかりに成ってしまうのでしょう。しかし、そんな中でMさんは独学で喫煙法を覚えていき、その過程での経験や失敗を正直にホームページの中に綴られています。そこには初期の喫煙経験を後の専門書や教本学習等で通説や伝承に知らず知らず置き換えてしまった我々とは違うMさんの視点が有り、読物としての面白さが存在するのです。
『薔薇の根っこ』これは今でも古物商等では良く云われる説明文句で、また、昭和30年代以前の書物には大家と云われる方の著作でも結構見られた記述です。職人の立場から言わせて貰うと、材質等はどうでも良いので有って、要はパイプさえ焦がさなければ我々職人に執っては良いスモ−カ−なのです。角純パイプの佐藤純雄氏も修理パイプの余りの悲惨さに「どうやったらこんな酷い状態になるのかねえ?」と哀れむような眼差しでパイプを見詰めて居られましたが、これが佐藤氏御自身のパイプなら尚更の事でしょう。佐藤氏のパイプはTUTOMU FUKASIROと同じく完璧に近い。故障が有るとすれば、殆ど間違い無く喫み手の方にあります。 最近、大阪に在る老舗の喫煙具専門店に芸能人がよくパイプを買いに来るそうなんですが、パイプの健康状態は最悪だと云う事です。まあ、芸能人ですから、如才無くお追従を云っておけば高額なパイプを買ってくれるかもしれませんし、そこは商売人、決して抗うような事はしないようです。しかし、燃えないとされるブライヤ−をいとも簡単に燃してしまうに就いては如何な物でしょう。私自身は色々なパイプを持っています。ブライヤ−、ビラン、カショウズミ、クルミ、オリ−ブ、コーンコブ、メシャム、クレイ、セラミック、メタル、備長炭(?)等。しかし、何れのパイプも焦がした事は有りません。余談ですが、備長炭(?)のパイプは凄い!喫い始めでは流石のフレスコでも適わないぐらいに美味い!けれど、非常に熱く成る事が欠点で、そこが改善されれば、これ以上に美味いパイプは無いでしょう。 先程私はテキストが無いと云いましたが、本当に無いのです。私自身、初心者から喫煙相談を受けた場合、手持ちの『パイプ党入門』『パイプ&シガ−』を勧める事にしていますが。相手の立場に成って考えてみると、あんな物や何処かのメーカーの有料カタログ等では正しい喫煙は出来ません。入門と云い乍ら、喫煙解説は古くから伝わる煙草の詰め方の伝承を紹介しているだけで、肝心の喫い方に就いては殆ど何も書かれていません。全くの初心者では理解出来ない事です。そこで私は『パイプ喫煙の手引き』を作って配っていたのですが。そこにも落し穴が有りまして、チェンバ−って何?シャンクって何?アーミープッシュって何?ドロ−ピングって何?てな具合で、こちらが当たり前だと思っている専門用語が理解されない。熟考えてみると、『喫煙用語辞典』のような物が日本には無いのです。馬鹿げた我慢比べの競技会に血道を上げるぐらいなら、全国のパイプ倶楽部はパイプ喫煙の裾野を広げる為にも、『パイプ辞典』『喫煙辞典』を編纂するぐらいの努力はして貰いたい物です。 今有るテキストとしては『ダンヒルたばこ紳士』(子ダンヒル作、團伊玖磨訳)『THEパイプ』(梅田晴夫著)が日本ではベストでしょう。『パイプ党入門』『パイプ&シガー』は余り役には立ちませんが、用語解説ぐらいには成ります。『パイプ党入門』『パイプ&シガー』の作者は何故古い伝承しか書かなかったのかが疑問です。自分自身の喫煙経験を書けば、もっと伝わる物が有った筈です。テキストは上記の物ぐらいで、実に貧弱な有様なのが日本の現状です。しかし、日本のパイプ−ラが結集すればダンヒルや梅田晴夫を凌ぐパイプ教本が必ず出来ます。 パイプの修得には永い年月が掛かります。その所為か、パイプ−ラがテキストを書ける程の経験を積んだ頃には、パイプを喫い始めた頃の事は忘れてしまっているのが殆どです。Mさんの『パイプ大好き』はそんなパイプを始めた頃の思い出を鮮明に蘇らせてくれる、唯一肉声のホームページです。そしてパイプを始めたいと思う方には、是非見て頂きたいホームページなのです。 (2003.2.16)
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