北の川から 2001年夏(その1)             

8月11日(土)
 
宅急便の手違いで正午近くになっても私のタックル一式が届いてない。今年もフィッシングガイドを務める我が親父は「もう、待てない。とにかく行こう」としびれを切らし、とにかく川へ向かうことにした。自宅から1時間ほどでお目当ての川に着いたが、先行者の車が1台止まっており断念。仕方なくさらに20分ほど走らせて次の目的地を目指した。
林道に入り少し行くと、最近立てられた真新しい看板が目に飛び込んできた。
「あの『熊出没中 注意』の看板、真新しいね?」私が尋ねると、親父は、「そういえば、最近、この辺の養魚場がヒグマに荒らされって新聞に出てた。 おっ、あれがそうじゃないか?」
ふと右手に目をやると、養魚場らしいものが一瞬見えた。
「じゃあ、この辺をまだうろついているかもね。」
「ああ、捕獲されたって話は聞かないからなぁ。」
何気ない会話を車中で交わしていると、親父は間もなく車を止めた。
 
少しヤブこぎするとすぐ川辺に着いた。
「ここからすぐに釣れだすんだ。」ガイドがそう言うんだから間違いないのだろう。
ただ、私はタックルを親父から借りていたため、勝手が違い戸惑っていた。そこは川幅3〜4mのいわゆるボサ川である。
親父が貸してくれたロッドはSAGEの#4なのだが、こいつはもともとアメリカのマスを釣るために設計されたものであり、こんなボサ川を攻めるにはheavy過ぎるのだ。それでも何とか1時間弱で小型ながらも5〜6匹のニジマスをゲットできた。
ところが、親父は非常にがっかりした様子で、「前来た時はもっとデカイのが入れ食いだったのに・・。」 
遠路はるばる来た釣り客に大変申し訳ないといった様子だ。
「こういうのは本州では『コンスタントに釣れる』って言うんだよ。」と私は慰めたのであった。
 
 
初日にキャッチした20cm強のレインボー。もちろんヒレピン。
 
 
今年もガイドを務めてくれた親父。
フィッシング ドッグの愛犬クロも忘れてはいけない。
 
 
その日、2番目に訪れた川は何故か全く魚の気配がしなかった。
親父はまたも、「去年来たときはウジャウジャいたのに・・ また川が1本死んだ・・。」
と残念そうだった。長野に比べるとはるかにいい釣りができたと思って満足げな私とは対照的である。
「明日はもっといい釣りができるだろう。」
 
 
(その2)に続く