北の川から 2006 夏 その3【阿寒湖&阿寒川    
阿寒湖。
面積13ku。マリモの他、ヒメマスの原産地としても有名。
しかしこの湖を全国区にしたのはアメマスである。毎年6月のモンカゲロウがハッチするベストシーズンには、
全国から大勢の釣り人が押し寄せる。ドライフライで40〜50cmのアメマスがコンスタントに釣れるのは確かに
魅力的だ。時には1m近い大物もあがるという。その他、数は少ないがニジマスやイトウが棲息している。
我々が訪れた8月は条件的に厳しい。水温が高く、鱒達は深場にいることが多いからだ。
湖畔に到着した時には、既に日が傾きかけており、翌日分のライセンスを購入することにした。
 
ライセンスは阿寒湖・阿寒川共通で1日1500円。決して安くはない。
私が道内でライセンスを購入するのは、岩尾内湖、糠平湖に続いて確か3回目。
 
8月11日(金)早朝。釣り支度をしていると、早速監視員がやって来てライセンスの提示を求められた。
管理体制はしっかりしているようだ。
 
今年も特に湖専用のフライパターンは用意してこなかった。
5番ロッドにニンフを結び、遠投してリトリーブすることにした。ティペットは昨年の反省も踏まえ1X。
そういえば、1Xのラインは私がフライフィッシングを始めた10年以上前からベストのポケットに
入ってはいたが、実際に使用するのは今回が初めてだった。
 
小河川のインレットで数時間粘ったが、反応はなし。沖合でかなりの大物が水面からジャンプするのを見たが、
我々のロッドが絞り込まれることはなかった。
 
湖は諦め、阿寒川へ移動。
全国のフライマンで、この川の名を知らない者はいないだろう。超がつくほどの有名河川だ。
私はこのようなメジャーな釣り場よりも、誰も知らないような穴場的な川を好むのだが、話のネタに1度くらいは
トライしておいても良いだろう。ここの主役は美しくパワフルなニジマスだ。
 
阿寒湖からの流れ出し(滝口)から雄観橋までの約4キロの区間はキャッチアンドリリース区間であるが、
駐車スペースにはどこにもクルマが停まっていた。先行者の後釣りだけはしたくない、と思い、更に下流まで
クルマを走らせ、C&R区間を外れ、ピリカネップ取水口付近から入渓した。
 
駐車可能なスペースには、必ずレギュレーションの掲示がある。本州の川のようだ。
「・・・までは、再放流区域です。餌釣は禁止です。」となっている。
餌釣り師=必ず持ち帰る、という図式を表記しているのが興味深い。
 
阿寒周辺はエゾシカの生息密度が高い。
つがいが川辺で息絶えたのか。
 
阿寒川の渓相。素晴らしい、の一言。本流域にもバイカモが揺らめいている。
周辺の森は前田一歩財団の所有地。手厚く保護されてきたことで無用な開発から逃れてきた。
 
だが、魚影が濃いとはいえない。やはり餌釣り師に相当の数が抜かれているようだ。
 
ガイドのドライフライにヒット。
 
私のニンフにも。これが阿寒川のニジマス。ジャスト30cm。
ヒレピンで体高もある。この川で生まれ育った個体だろう。
釣られたショックで、直前に食べたドバミミズを吐き出したようだ。ラインは1Xのままだったから、
思い切り引き抜いてしまった。
 
それにしても、魚の反応は散発だ。漁協がしっかり管理しているといっても、国道沿いのC&R区間外である。こんなものか。
反応が遠のいたまま、しばらくの距離を歩き、すぐそばに国道が近づいた区間に差し掛かった。目の前を観光バスや
貨物トラックがビュンビュン通り過ぎる。気分が乗らないまま、惰性でキャストを繰返していたその時、いきなり水面が割れ、
50cmはあるニジマスが体全体を現しフライにアタックしてきた。一気にラインが引き込まれ、私は眠気を覚まされたように、
反射的にロッドを立てた。そいつは川底でじっとしているようでラインはテンションを保ったまま動かない。
1Xなんだ。切れる訳がない。そう言い聞かせて強引に引き寄せてみると、フライはちゃんと付いてたままラインは力なく
手元に戻ってきた。確かに切れることはなかったが、フッキングが浅かった。この間、10秒もなかっただろうか。
目の前を何事もなかったように、観光バスが通り過ぎて行った。
 
ここでタイムアップ。阿寒川の釣りはこうして終了した。
超有名河川のC&R区間外でこれだけコンディションのいい鱒が残っているとするか、
1500円も出して、この程度の魚影だとするか、評価は分かれるところだろう。
今回はC&R区間を体験できなかった。その4キロへの期待を残したまま、この場を去ることとなったが、
率直に、もう一度行きたいか?と問われれば躊躇せざるえを得ない。
なにせ道内には、タダでより多くのニジマスと遊べる川が沢山あるのだ。そう、「国道沿い川」のように。
阿寒川も国道沿いだが、C&R区間をもう少し延長した方が良いだろう。私見だが4キロでは短い。
あの渚滑川も当初8キロの区間が24キロまで延長された経緯がある。
 
 
 
 
(その4)に続く・・・