石狩川水系 X沢(続き)
640×480サイズでご覧あれ
私はこいつを見つけた時、腰を抜かしそうになった。ここはニュージー
ランドか? アラスカか??
写真ではちょっと分かりづらいが(やっぱり、偏光フィルターを買っておけばよかった!!)、60cmをゆうに超えるモンスター レインボーが、
側面の虹模様を眩しいくらいに輝かせ、まるで釣り人(私)と犬(クロ)の存在を嘲笑うかのように3〜4m先で悠々と定位しているのだ。
魚とはいえ、このサイズともなれば、威厳、神々しささえ漂ってくる。
どーせ、だめだろうと思いつつも、何度もドライやニンフを眼前に流してやったが、やはり何の反応も示さない。
完全に見切られているのだ。ただ、たとえフッキングしたところで、どーしようもなかっただろう。
そして、ゆっくりと遠ざかる。その姿はまるで潜水艦のようだ。
ロシア海軍もびっくり。
このような大物を育む流れが永遠に続くことを祈り、私は親父と犬とこの地を後にした。
2日目:O川
北海道の夏は短い。草むらではキリギリスが鳴いており、秋の気配すら感じさせる。
2日目は東に数10キロ移動し、O川に到着。
初日に比べるとかなり川幅があり、気持ち良くロッドが振れる。この川は林道からすぐ入渓できるものの、
先月、親父が来た時は、やはりレインボーが入食いで、しかも44cmのやつをキャッチした上に、それよりも
巨大なやつにロッドを絞られ、ラインブレイクされた場所である。今回の釣行の大本命の川であり、期待がかかる。
ところが、釣り始めてみると、魚の反応は極端に悪い。よく見ると釣り人の足跡がそこいらにあり、つい最近
入渓したようだった。親父は「とても同じ川だとは思えない」と嘆いていた。
覚悟はしていたが、渓流での釣りは天候や水温、水量、時間帯、先行者の有無等によって、釣果が大きく左右される。
「今日はもうあまり期待できそうもないな」そう呟いた時、背後で親父の声がした。振りかえると、ロッドがバット部分から
弧を描いているではないか。上流にいた私は、ラインの先で大暴れしている魚の姿が一瞬目に入った。40cm近くある
レインボーだ。ランディングは問題ないだろうと判断した私は、このシーンをカメラに収めようとS70を懐から取り出した。
ところが、ファインダーを覗いた瞬間、そいつは一気に10m以上も下流に向かって走り出したのだ。親父と犬もそれに合わせて
下流へ突っ走る。「やばいな」と思ったが既に遅く、数秒後、ラインは切れた凧糸のように親父の手元に戻ってきた。
よく見るとティペットの先にフライは残っていた。フッキングが浅かったのか、バーブレス
フックだから外れたのか・・・?
「また、やられたよ」残念がる親父と犬。更に一言、「写真撮るより、ランディングを手伝ってくれ」
「・・・・」
気合でランディングしたジャスト30cm。北海道ではこのサイズ
では全然満足できない。
それにしても、こいつは実にシビアな出方だった。
ロッドを休め、川辺で夕食の仕度に取りかかる。
まさに至福の時。これで、モンスターをキャッチできていたら
言うことないのだが・・。
(その4)に続く・・・
いよいよ最終回!!