1.傭兵陽平
「岡崎、僕は今日から優等生を目指すっ!」
「ああそうか、おまえは目を開けたまま眠れるんだったな。分かったからさっさと脳内で悶えながら因数分解でもしてろ」
「取り付く島も無いっスね!!」
珍しく二人とも出席の授業。
「あー、この問題は誰に解いてもらうか……」
教師のだるそうな声。
春原はみてろよ、と呟くと、バッっと手を上げる。
「春原」
「はいっ!」
ヤツは嬉しそうに叫び、立ち上がる。
どよどよとざわめく教室内。
「春原、おまえにこの問題が解けるのか」
「え、ええ……多分」
笑顔に見える冷や汗。
目前に地雷を見ながら突き進む傭兵みたいなヤツだな。
……陽平ですから……プッ。
――カッ
チョークの音が響く。
「出来ました」
「……うむ、正解だ」
どよどよどよ
さらにざわめきの増す教室。
……なにがあったんだ、アイツ。
そのとき、
「ありがとう、ことみちゃんっっ!!」
アイツは高らかに知り合いの名を叫んだ。
2004/5/13
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