15.疲れてきたな春原


「球技大会を開催することになった」

 放課後の生徒会室、赤みを帯びた太陽の光をその背に受けて、それとなく腕組みしながら言い放つ智代。
 現在、当初の予定通り智代から事情を聞いている。

「何故こんな展開になっているのか、私にはどうも理解が出来ない」

 俺も俺も。

「全部春原のせいにしようぜ」
「いや、なに言ってんですかアナタ」

 要約すると、以下のようである。
 春原がボウズになったので球技大会が開催されることになりました。以上。
 知ってるか、風が吹いたら桶屋が儲かるんだってよ。

「ちなみに野球、サッカー、バレー、バスケットからの四択だ」
「参加拒否という幻の五択目を俺は選択する」
「医療診断書と呼ばれる崇高な神器が無ければ認められないな、それは」

 つまりはさ。

「春原が悪いんだろ。全部」
「ああ。全部な」
「いや、僕のせいじゃないって!」

 智代は、逸らしていた視線を俺と春原に戻し、やっぱり腕組みをしながら言葉をつむぐ。

「しかし、こういった活動的な企画が催されること自体には何の異論も無い。むしろ歓迎するぞ、私は」
「僕のおかげだねっ!」
「静かにしてろ」

 まあ、そうなっちまったものはしょうがないし、受験うんぬんも俺たちには関係ないわけだし。

「……懇親誠意を尽くして見学するかな」
「視姦?」

 殴っておいた。

「まあ、そういうわけだから、朋也と春原も参加種目の練習をしておいた方がいいぞ。今週の金曜日だからな」

 今日は火曜だから、合わせても三日しかないな。

「……ちなみに俺たちは何に参加するんだ?」

 春原が返す。

「放課後のHRで決めるって言ってたけど」

 HR抜けてきたから今俺たちは此処にいるわけで。

「……すげえ嫌な予感がする」

2005/3/12


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