不動産を購入して、登記簿にも記載されて、権利証(登記済書)も手に入れて。これでこの不動産は自分のものになったかというと、そうならない場合があるのです。
売主が登記済書を悪用するなど不正な手段で登記を行い、所有権を取得していた場合がそうです。このような場合、真の所有者は何も悪いことをしていないので法律で保護されることになります。つまり、真の所有者は買主からその不動産を取り戻すことができるのです。そしてだまされた買主は、購入代金を悪い売主から取り返さなければならなくなりますが、とても難しいでしょう。
もちろんこのようなケースはめったにあることではないですが、親の権利書を勝手に息子が持ち出し転売して逃げるという事件は実際に起きたことです。
このように、登記簿に書いてあることを信じても、それによって権利を主張することができないことを登記に公信力はなしといいます(動産の場合は基本的に登記の公信力は認められます)。
このようなリスクを避けるためには、登記簿に記載された所有者が本当の所有者かどうか、その前の所有者に確認するなどの対策をとらなければなりません。少しでもおかしいと思ったら、購入する前に専門家に相談したほうがいいでしょう。
このように、登記には公信力はないのですが、対抗力はあります。登記をしなかった人に対しては、登記をした人が所有者であるということを示すことになります。