Movie Fight! アーカイヴ
東京国際&香港映画祭&ファンタで観た映画たち
私が初めて東京国際映画祭に行ったのが1997年。その後、1年置いて99年から3年連続で東京国際映画祭と協賛企画(東京国際ファンタスティック映画祭&香港映画祭)に参加しています。思い出のために、ここでまとめて書かせていただきます。また、映画祭で楽しい映画たちと出会いたいと願うのだ。
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☆2001年☆ファンタの香港映画デーにて「バレット・オブ・ラブ」以外の3作品を観戦。 『ウソからはじまる恋の話(情迷大話王)』(Everyday is valentine/2001) 監督/バリー・ウォン 出演/レオン・ライ セシリア・チャン ○大嘘つきでビンボーなスーダラサラリーマン、OK・ライ(リヨン)のことを、立派でお金持ちの人と信じこんで恋してしまったワンダフル(セシリア)。オシャレなアーバンコメディの顔をしつつ、実はまいどお馴染の王晶コメディだったこの話、終始大笑いしていたけど、う〜ん、どーゆー話だったかよく覚えていない…。寝ていたわけじゃないんだけどね、すんまそん。 『愛情ベーカリー(愛情白麺包)』(Bakery Amour/2001) 出演/ン・ジャンユー ミシェル・リー ウィリアム・ソー ステファニー・チェー ★海外に行った恋人とのすれ違いで失恋しかかっていた女性ロクトー(ミシェル)の部屋の隣に、甥(ソーさん)とともに越してきたのは探偵気取りの中年ジェット(ジャンユー)。ある日、その部屋から前の住人が盗んでいたらしいロクトー宛の手紙を発見したジェットは、失恋の危機に瀕した彼女を救うことを決意。ロクトーが食パン作りを得意とすることを知り、彼女のためにパン屋の共同経営を申し出る。パン屋は大繁盛し、やがてロクトーと帰国した恋人もよりを戻す。しかし、ロクトーを助けていたはずのジェットはいつのまにか彼女に恋をしていたのであった…。 ○もっさい田舎モンのおっちゃんで、「ジェット」なんて(文字通り)すっ飛ばした名前でいいのかねぇ?という感じで登場したジャンユー。でも最近はあくの強い役どころよりもこの映画のようなかわいい役どころも増えてきたので楽しい。映画自体は多少まとまりがないかな?とも感じたけど、ミシェルとジャンユーの「大人の恋愛」は観ていて微笑ましかったよ。 『ファイナル・ロマンス/天若有情V(願望樹)』(2001) 出演/エディソン・チャン アマンダ・ストラング サム・リー テレンス・イン チューヤン サイモン・ヤム ★亡き姉の思いを「願いの木」に託すため、新潟の湯沢高原に向かった少女(アマンダ)。そこで出会った香港人青年(エディソン)とであった彼女は、彼が姉の恋人の弟であることを知る。兄を失った青年は天涯孤独の身であり、現在はレーサーへの夢を抱きながら自動車整備工の仕事をしていた。やがて二人は惹かれあうが、香港でも有数の富豪である彼女の父親(サイモン)がこの恋を許すはずがなかった…。 ○えぢの他にサム、テレンス、そしてなんとチューヤンと豪華キャストだったこの映画だけど、どうも話がストレートすぎてちょっと恥ずかしい、というか青いというか…。青いといえばえぢの日本語台詞もかなりの青さである(笑)。あはは。 ☆2000年☆この年は「香港映画祭」が行われました。全16本中なんと8本観戦。新幹線&夜行バスで2往復して観に行ったのだ。 『東京攻略』はこちらのページへ。 『12夜』(Twelve nights/2000) 監督/オーブリー・ラム 製作/ピーター・チャン 出演/セシリア・チャン イーソン・チャン ニコラス・ツェー ロナルド・チェン ニコラ・チャン スティーブン・フォン ★誕生日の夜、パーティーに現れなかった恋人と別れる決心をしたスチュワーデスのジーニー(セシリア)。彼女は自分を送ってくれた友人ローラ(ニコラ)の恋人アラン(イーソン)と恋に落ちる。やはりジーニーに恋をしたアランはローラと別れ、何度かの夜を一緒に過ごすが、そんな幸せな夜は長くも続かず…。一組のカップルの出会いから別れまでの1年間を、彼らが一緒に過ごした12日分の夜の場面を切り取って描く物語。 ○いやぁ、若いって残酷なことなのかなぁ…なんて思っちゃう私はいったい幾つだ(笑)。もっとも日本の連ドラでこの映画のパクリがあったら(絶対ないと思うが)まず観ないだろうけど。セシリアの小悪魔ぶりはきっと男性にはたまらんでしょう。(そうかなぁ?)セシリアの勤務先がキャセイでもユナイテッド(参考:「恋する惑星」)でもなくアシアナ航空というのがなんとなくいい。 『公元2000』(2000AD/2000) 監督/ゴードン・チャン 音楽/梅林茂 出演/アーロン・クオック ダニエル・ウー ン・ジャンユー アンドリュー・レン ジェームズ・ライ レイ・ロイ フェリス・クオック ジジ・チョイ ★それは、シンガポール上空のジェット機爆発事故から始まった。シンガポール空軍情報戦部隊はこの事故に関与する人物として、アメリカ在住のシステムエンジニア、グレッグ・リー(レイ・ロイ)をマークし、エリック捜査官(ジェームズ)に真相を探らせる。そしてCIAのエージェント、カルヴィン(アンドリュー)もグレッグを追うが、実はカルヴィンこそこの事故を引き起こしたテロリスト集団のリーダーだった。 一方、香港で友人のベニー(ダニエル)と共に小さなベンチャー企業を営むピーター(アーロン)のもとに、彼の兄であるグレッグが現れる。再会を喜ぶのもつかの間、ピーターとグレッグは香港警察のロナルド警部(ジャンユー)によってスパイ容疑として身柄を拘束。ピーター一人だけが釈放されるが、送検される途中のグレッグが、彼の目の前で狙撃されて命を落とす…。グレッグは確かに「何か」を握っていた。その謎を追って、ピーターは兄の恋人サリーナ(フェリス)、ベニー、彼の妹で恋人のジャネット(ジジ)と共にシンガポールへ向かう…。 ○『東京攻略』とともに2000年の旧正月に香港で観たので2回目。その時は存分に遊びまわった後の夕方に観たせいかエネルギーが切れて途中を覚えていなかった…(笑)。オープニングのシンガポール空軍のシーンは迫力あり、改めて「いやぁ、なんかすごいかも…」と思い、2度目はかなり楽しんで観られた。アーロン&ひこそ(注・ダニエルのこと。今回はボケ役である)ののん気さと対照的だったのが緊迫感のあった悪役の連凱ことアンドリュー・レン(すっげーカッコよかった!)とスマートなジェームズ・ライ。銃撃シーンはかなりの痛さなので調子の悪い時は観たくないかも…。そうそう、忘れちゃいけないのが特別出演扱いながらこの演技で2001年の金像奨で助演男優賞をゲットしたジャンユー。出番は短いながらも強烈な印象を残して去っていったのであった。うーん、やっぱりゴードン・チャンは「恋戦。」なんかのコメディよりもこの手のスリリングなハードアクション映画の方が向いていると思うんだけどなぁ。 『星願 あなたにもういちど』(Fly
me to the polaris/1999) 監督/ジングル・マー 出演/リッチー・レン セシリア・チャン ウィリアム・ソー エリック・ツァン エリック・コット ラム・サンサン ★小さい頃の事故により、目が見えず口も聞けない青年オニオン(リッチー)。郊外の病院で仕事をしながら暮らす彼は、熱心に自分の世話をしてくれる見習い看護婦オータム(セシリア)に密かな思いを寄せている。ところがある夜、オニオンは車にひかれてあっけなく死んでしまう。あの世の入口で、天使(エリック・コット)に「5日間だけ現世に戻してやる、ただし自分は変わらなくても他人には自分が戻ってきたと認識できないから気をつけろ」と約束された彼は、視力と声を取り戻してこの世に戻ってくる。今までオータムに伝えられなかった自分の思いを伝えようと彼女のもとへ急ぐオニオンだが、当然オータムはオニオンが帰ってきたとはわからない。しかも、病院にいた青年医師ウー(ソーさん)もまた、オータムに思いを寄せていたのだった…。 ○『ゴージャス』でひたすら笑わしてもらった“台湾の岸谷五朗”または“アジアの癒し系明星”ことリッチー。日本初登場の『ゴージャス』ではお騒がせキャラだった彼だけど、こちらではうってかわって愛する人に自分の思いを伝えることなくこの世を去ってしまった純粋な青年をしっとりと演じ、そのファニーフェイスも観ているうちにだんだんカッコよくなってくるくらいハマっていた。セシリアの泣きっぷりと、自らのウィークポイント(?)である声を逆手に取った「私の声ってアヒルみたいでしょ?」という台詞もまたまたハマっててよい。香港映画は役者の特徴を的確に生かして演出しているところがあって、そこがいいなぁって思うことがあるのだ。脇役のソーさんやエリック・ツァンも好演。あえて難を言えばラストなんだけど、まぁ、それは差し引いてもこの作品には決してマイナスになることはないだろう。非常に良心的なラブストーリーだったと思う。 そうそう、すでに知ってる人も多いと思うけど、この映画は『非・バランス』の富樫森監督の手により、『星に願いを。』というタイトルでリメイクが決定。セシリアの役割を演じるのは竹内“あすか”結子。(個人的意見だが、彼女の役名は是非オータムの中国名「秋男」にちなんで「秋緒」にしてほしい!) 『花様年華』もこちらのページへ 『千言萬語』(A
Ordinary Heroes/1999) 監督/アン・ホイ 出演/アンソニー・ウォン レイチェル・リー リー・カンション ツェー・クンホウ ★1994年にこの世を去った香港の政治活動家、呉仲賢。彼の生涯をヒントに、1980年代の香港の社会状況と民主活動をイタリア人神父(アンソニー)、水上生活者の女性(レイチェル)と、彼女に届かぬ思いを寄せ、やがて民主活動に身を投じていく青年(カンション)の姿を通して描く。 ○ごめん…実は途中途中の記憶がないの…。台湾の蔡明亮監督作品でお馴染の李康生(以下シャオカン、ちなみに私は彼を“台湾のドニ・ラヴァン”と呼んでいる。レオス・カラックス好きの方すみません)がいきなり出てきて広東語(吹き替えっていうのは承知したけど)をしゃべってたのでシャオカンどーしたの?とビックリ。シャオカンがこの映画に出演したのはアン・ホイ姐さんとミンリャンさんにつながりがあるから、のはず。 ヒロインのレイチェル・リー、彼女はかつてロレッタ・リーと名乗っており、この名前に改名して久々に映画に出演。最初に登場したときは同一人物と気づかなかったのだが、観ているうちに気がついた(笑)。 ところで、香港では極めて珍しい?メジャー作品でも社会派映画を撮りつづけるアン・ホイ姐さん。97年に観た『半生縁』も彼女の監督作品だけど、私は彼女の作品を観るたびに、ホントの香港の姿って案外知らないものなんだよなぁ…、とヘコミがちになってしまうのだ。 『小親親』(and I hate you so/2000) 監督/ハイ・チョンマン 脚本/アイヴィ・ホー 出演/ケリー・チャン アーロン・クオック テレサ・モウ エリック・ツァン マーク・ロイ チョン・チーラム ★ある日ふらっと立ち寄ったアンティークショップで、別れた恋人(チーラム)に贈ったシナトラのレコードを発見したコラムニストの秋月(ケリー)。女主人(テレサ)に聞いてみるとすでに先約があり、買った相手は人気DJのジョン・ユン(アーロン)。すぐさま秋月はジョンに電話で抗議するが、このやりとりを面白がったジョンが自分の番組のネタにしたから秋月はぶちキレ。彼女も翌日の自分の新聞コラムに取り上げて逆襲したことが大いなる話題を呼び、マスコミを巻き込んで秋月とジョンの対立はますますエスカレート。でも、そんな秋月をジョンは気になり始めて…。 ○『ゴージャス』『東京攻略』などの美術デザインを手がけているハイ・チョンマンの監督作品は、『アンナ・マデリーナ』もそうだったけど軽妙でオシャレな印象を受ける。アンティークショップの内装やケリーがお風呂でラジオを聴く場面など、観ていて「これはいいかも!」と思えるシーンが満載。日本の連ドラやアメリカの軽い映画にもありがちなストーリーなんだけど、アーロンとケリーなら楽しく観られるかな。この二人の恋愛はちょっとなぁ、という方には久々登場のテレサ姐さんとエリック・ツァンのなかなか楽しい恋愛模様にもご注目。 『わすれな草(半支煙)』(Metade Fumaca/1999) 監督/イップ・カムハン 出演/エリック・ツァン ニコラス・ツェー エレイン・チン
ケリー・チャン スー・チー スティーブン・フォン サム・リー テレンス・イン ジョー・コック ★若い頃、自分の女(すーちー)を奪った男九龍(サム)を殺すべく、30年ぶりにブラジルから香港へと帰ってきた初老の男、ヒョウ(エリック、若い頃はスティーブン)。彼は不良少年スモーキー(ニコラス)の腕を見込み、自分の復讐の手伝いをさせる。スモーキーは娼婦の母親(エレイン)を持ち、父親を知らない。自分を慕ってくれているディーディー(ジョー)という幼馴染がいるけど、いつも自宅付近を警邏している警察官(ケリー)に恋をしている。九龍を探すうちに心を通わせていく二人だが、やがてヒョウの言い分と現実の事件が微妙に違うことにスモーキーは気づく…。 ○私はこの作品でニコを役者と認めました!彼が演じるスモーキーはいきがって悪ぶっているガキだけど、それは父親がいない孤独感や母親への愛を隠すための行為であり、突然目の前に現れたわけのわからんおっさん(ヒョウ)にどこか父親めいたものを多少感じつつ、彼に共感し、時に反発しながら友情を築いていく姿が印象的だった。病により、自分の記憶がどんどん失われていくことを恐れるヒョウは、帰郷して自分の過去を振り返り、まるでスモーキーに自分の未来を託すようにして崩壊していく。古い時代へのノスタルジーと失われるものへのせつなさ。しかし、ビターな幕切れにもかかわらず、未来への希望がどこかに感じられるのは、人は決して後ろ向きな思いだけで生きているからではなく、未来を若者に託すことで前を向いて歩いていけるのだ、といわれているような気がしてならない。とてもやさしい映画で、宝箱に入れておきたい作品である。ディーディーへの誕生日プレゼントにと、廃棄処分となったグランドピアノをかっぱらって彼女のもとへ運んでいくスモーキーとヒョウの姿は心にしみいる。 ☆1999年☆この年がファンタ初参加。開会式の熱気はすごかった! 『ゴージャス(玻璃樽)』(Gorgeous/1999) 監督/ヴィンセント・コック 脚本/アイヴィ・ホー 出演/ジャッキー・チェン スー・チー トニー・レオン リッチー・レン エミール・チョウ チェン・ソンヨン エレイン・チン タッツ・ラウ チャウ・シンチー他豪華ゲスト ★台湾の海岸の町で暮らす少女プー(すーちー)は、ある日「君を待っている」というメッセージの入ったガラス瓶を拾う。運命を感じた彼女は手紙の住所を頼りに一路香港へ。しかし、やっと出会った手紙の主でメイクアップアーティストのアルバート(トニー)はなんとゲイ。ショックを受けたのもつかの間、彼女はアルバートのところに居座って「運命の人」探しを続行。ある日、海に出たプーは海上で悪漢に襲撃されていた実業家チェン(成龍さん)を救出。これぞ運命の恋と感じた彼女はアルバートの力を借りてあの手この手でチェンに接近しようと試みる。しかしチェンは人付き合いを好まない孤独な男だったり、そんな彼を陥れようとライバルの実業家ロー(エミール)が次々と刺客を放ったり、プーを慕う幼馴染のロンイー(リッチー)が台湾からやってきたりとさまざまなトラブルの中、果たしてプーの恋は成就するのか? ○今までの成龍映画を見慣れている人には、この映画はかなり物足りないと感じる人もいるであろう。でも、これは成龍作品の中でもある意味画期的で刺激的な作品ではないだろうか。成龍さんが初めてラブストーリーに挑戦したということはもちろん、トニーやすーちーなど、ここ数年の香港映画で注目されてきた俳優とコラボレーションし、チャウ・シンチーとコンビを組んでいたことで知られる俳優のヴィンセント・コックに監督を任せ、『ラヴソング』など香港ラブストーリー映画の第一人者であろうアイヴィ・ホーに脚本(あ、原案だったかな?)を任せた、というあたりにその意気込みが伝わってくる。さらに脇役の異常な豪華さ(特に星仔の使い方)!これは、ラヴストーリーであると同時に、ハリウッドで成功を遂げた成龍さんが香港と香港映画に対しての愛を「玻璃樽」の中に入れたラブレターなのかもしれない。 で、もうちょっとだけ。ここは一応トニーのサイトでもあるので(笑)、「トニーに首ったけ(笑)」的に 【偉仔の見どころ】。 全身ピンクのコーディネイトで決めまくった、自称「アジア一のメイクアップアーティスト」アルバート。ハンサムなんだけどかなりオネェが入りまくっているゲイ。強引に居座られたプーを邪険(?)に扱いながらも彼女の恋を応援し、いつしか良き姉妹(笑)のようになっていく。まるで『ブエノスアイレス』のセルフパロディ(というより、あっちがややリアルなのに対してこっちはいかにもなステロタイプかも)のような役柄を楽しそーに演じていて気持ちがいい(笑)。ゲイ役をやるのも吹っ切れたってことだろーか(^_^;)。でも、こういう役も大好きだ。 『風雲・ストームライダーズ(国際版)』(The Storm Riders/1998) 監督/アンドリュー・ラウ 出演/イーキン・チェン アーロン・クォック 千葉真一 クリスティ・ヨン スー・チー マイケル・ツェー ジェイソン・チュー アンソニー・ウォン ロイ・チョン アレックス・フォン ★ある時代の中国。天下統一を目論む武闘家の雄覇(千葉ちゃん)は、占いで出た「“風”と“雲”を手に入れれば天下を取れる」という予言を信じ、武闘家の息子風(イーキン)と刀鍛冶の息子雲(アーロン)を幼少時にさらって弟子にする。一流の武闘家に成長した二人は雄覇の娘孔慈(クリスティ)をめぐってもライバル関係になる。 『ジェネックスコップ(特警新人類)』(Gen-X cops/1999) 監督/ベニー・チャン 出演/ニコラス・ツェー スティーブン・フォン サム・リー グレース・イップ ダニエル・ウー テレンス・イン エリック・ツァン 仲村トオル ★日本人テロリストの通称「赤虎」(トロ)が密かに香港に潜入して新型燃料を強奪、チンピラのダニエル(彦祖)を巻き込んで行動を始めた。香港警察の異端児チャン警部補(エリック)は鍵を握るダニエルをマークするため、警察学校のお荷物トリオ−ケンカっ早い熱血漢ジャック(ニコ)、プレイボーイのマッチ(ステ)、お調子者のエイリアン(サム)を潜入捜査官に任命し、赤虎に刑事である兄を殺された少女Y2K(グレース)も仲間に引き入れて彼らの陰謀に迫る。 ○この映画を観た頃は、ちょうど日本の人気タレントたちが次々と合作で香港映画に出始め、香港で日本ブームが席巻していた頃で、「なんでこんな作品ばっか作るかなぁ〜」と余計な心配ばかりしていた。そんなときに知ったのが、ニコラスを始めとした香港の若手明星たち。若いし、カラダもよく動くし、それぞれ個性も強いし、スタントなしでアクションもできる。その点においてはこれからの香港映画に期待を抱かせてくれる作品だったと思う。あと、やっぱり特筆すべきはトロさんこと仲村トオル。「ほえんあいわずとえるぶいやーずおーるど、あいそーあごーすと。」という台詞回しはともかく(爆笑)、なんだか楽しそう(?)に悪役をこなしていた。この後トロさんは『東京攻略』や韓国映画『2009ロストメモリーズ』など、東アジア映画に出始めたけど(新作は中国映画でチャン・ツーイーと共演だとか)、この悪役ぶりも今までの香港映画に見られるような「なんちゃって日本鬼子」ではなく、ハリウッド映画に出しても遜色ないようなクールな悪役だったと思う。パート2にもさりげなく「赤虎の双子の兄黒龍」とかいって出てほしかったかな(おいおい)。 ☆1997年☆この年、初めて東京国際映画祭に参加。香港明星ではないが富田靖子と黎明を生で拝めて感激この上ない秋であった。 『kitchen/キッチン(我愛厨房)』(1997) 監督/イム・ホー 原作/吉本ばなな 音楽/大友良英 出演/富田靖子 チャン・シウチョン ロー・カーイン カレン・モク ラウ・シウミン ロー・クンラン ★返還直前の香港の町の片隅、天涯孤独の身で虚無感を漂わせる少女アギー(富田)がいる。過酷な運命も知らず、軽いノリで生活を甘受する青年ルイ(小春)がいる。愛する人を失い、忘れ形見を守るために母親になった男エマ(カーイン)がいる。少女は彼女を受け入れた二人に戸惑いつつ、引きこもりながらも、じょじょに心を開いていく。3人は清潔な台所で一緒に朝食を食べ、自分の物語を語り、感情を通わせる。そして「家族」となっていくが、「母親」の突然の死により、青年はかつての少女のように孤独感に覆われる。少女は青年のために、香港から中国大陸の奥地へと奔走する…。 ○ストーリーは原作に忠実だ。人によってはこの映画をラブストーリーととる人もいるかもしれないが、私はこの映画を、人間関係の構築と血のつながりのない「家族」の再生を描いた人生の物語ではないか、と思っている。 最初に日本で映画化された時、(1989年製作、監督森田芳光、主演川原亜矢子、松田ケイジ、橋爪功)私は新聞の紹介記事と写真を見て、この映画を観に行く気を失った。私の中に抱いていた『キッチン』のイメージとは全くそぐわないキャスティングのルックス(この頃の川原亜矢子が全然かわいくなかったのも我的マイナスポイントだった)と、「死と生」というテーマを全く無視した、いかにも流行だからという感じでオシャレに作られた現実離れしたあらすじに失望したのだ。彼の他の映画に好きな作品があるので森田監督に罪はないし、あの時代がバブリーだったからしょうがないと思うけど、いくら原作者が認めても私はこの映画を認めなかった。もともと本やマンガが好きな私は、自分の好きな作品が映画化されるなら絶対このキャストで…、というような妄想を抱きやすい性格である。そのため、一時期はこのように好きな作品の映像化に拒否反応を示したことも多かったが、今はもういい大人なので、原作つき作品を観る時は、自分の価値観とは全く違う(たまに同じ場合もある)監督や脚本家による解釈を楽しもうという姿勢で臨んでいる。 そんな分別がついた頃に、香港でのリメイクを知った。主演は自ら原作のファンを公言する富田靖子(ちなみに彼女も梁朝偉ファンらしい。うれしー)。『南京の基督』で、声は吹替えられながらもきちんと広東語を覚え、純粋で激しい少女を演じ、裸身までも銀幕にさらした彼女の見事な女優魂を私は高く評価したので、文句はなかった。何より、娯楽性を重視する香港映画界で、最初の映画化以降、いつのまにか国際的ベストセラーになっていた原作を、きちんと映画化権を取得して日本から出資してもらい、脚本から丁寧に作り上げた文芸派イム・ホー監督の「死と生を重く語らず、主人公達が人生の困難をまごころをもって克服する姿にひきつけられる」というこの小説の捉え方に私は共感した。大ヒット作ではないし、作品自体粗が目立つところもある。でも、彼の『キッチン』に対する愛が私にも伝わってきて、実際に映画を観た後で、自分にとって大切な香港映画の一本となったのだ。 ついでながら、この映画を観た直後は、こういう感じに製作のみで日本が香港映画にかかわってくれるのなら大歓迎だ、これからも日本出資の香港映画が増えてくれれば…と思っていたのだが、それから2年後、1本の映画を観たことにより、私はその考えを根本から否定することになる。それはまた別の話だ。 『ラヴソング(甜蜜蜜)』(Comrades, Almost a
Love Story/1996) 出演/レオン・ライ マギー・チャン エリック・ツァン クリスティ・ヨン クリストファー・ドイル ○今ほどブレイクしていない頃のメグ・ライアンがビリー・クリスタルと共演した『恋人たちの予感』(1989)。「男女の友情は成立するのか?」をテーマに、ある男女が友達同士から恋人になっていく10年間を描いたこの映画を、『ラヴソング』を観た時に思い出した。でも『恋人たち』よりも『ラヴソング』の方が心に残るのは、レオンとマギーの親しみを抱かせる端正な演技と、80年代から90年代半ばの香港と中国の揺らぎを背景に、時代に呑みこまれながらも中国大陸→香港→ニューヨークと渡ってたくましく生きていこうとする二人の姿に、彼らの友情が恋愛へと変わっていく過程を盛りこんで、素直な感動を呼んでくれたからだ。 天津から来た北京語しか話せない男シウクワン(レオン)と、香港の隣の広州から来た女レイキウ(マギー)。移民である「同志」の二人はお互い目標に向かって邁進しながら、姉と弟のような関係から親密になっていく。それが恋愛であることを自覚しないシウクワンは故郷の婚約者を香港へ呼び寄せ、彼女に与えたものと同じ指輪とレイキウにプレゼントして顰蹙を買う。当たり前である。 また、この物語はただのラブストーリーではなく、二人をめぐる人々にもそれぞれのドラマがある。株で大損してどつぼにハマったレイキウを想う男(エリック・ツァン)がいる。シウクワンの師匠となる中華料理店のシェフ(ジョー・チョン)がいる。若い頃、ウィリアム・ホールデンに会ったことを心のよりどころとする老女(アイリーン・ツェー)がいる。海の向こうからやってきて、破滅的な行動をとりながらも憎めない、広東語がしゃべれない酔いどれ英語教師(クリストファー・ドイル)がいる。彼らの姿にはそれぞれ、1990年代の香港にひしめき合う名もない人々が投影されているのだろうか。 『君の名は』のように(古い!)何度も別れと再会とすれ違いを繰り返し、90年代後半のニューヨークで邂逅した二人。しかしそれがハッピーエンディングであるかどうかはわからない。あれから約5年、テロ事件を経たあの街で、不器用なシウクワンと強気なレイキウがどうやって生きているかということも想像したくなる。 |