八犬伝以外の馬琴作品(その他)

 

・作品のタイトル、発行年(月日のないものは大体私の調査不足による、すみません)、画工名、簡単な紹介、収録している本の順に表記。調査が行き届かず空欄の箇所が多々あるが、調べがつき次第随時埋めてゆく予定(「不明」とあるのは、プロの研究レベルでも解明されていないもの)。

・発行の月日まで書いてあるものは、原本の奥付の表記に拠っている。これは実際の発行日より後にずれている場合が多い。「正月吉日発行」とあるものは、大抵前年の暮には出ていたりするそうだ(現代の雑誌みたいな感覚だろうか)。

・版元、筆耕などは割愛した。その他くわしいデータを知りたい方は、※2の『滝沢馬琴集』以外はだいたい収録作品についてくわしく説明しているので、お手数だがそちらをあたって頂きたい。

・「参考」とあるのは、収録本のほかに紹介文を書く参考とした本(紹介文中に典拠を示している場合は除いた)。

・私が読んだのは収録本のトップにあげたもの。ただ他の収録本も解説などを参考にしている。

・ネタバレはなるべく少ないよう心がけたが、予備知識一切なしで読みたいという方は、「関連書籍(事務的羅列)」のほうをどうぞ。

・アイウエオ順。

  ※1 影印本(原本を写真にとり製版・印刷したもの)なので全文漢字+変体仮名。

  ※2 以前刊行(活字化)されたものをそのままコピーしたらしい。一部文字がかすれたり重なったり、あまり状態は良くない。挿絵もかなりカットされている。

  ※3 活字化されているもののところどころ変体仮名が混じる(明治期の本にはわりにあるパターンのようだ)。挿絵は新たに描き下ろしたものと思われる(とりあえずオリジナルではない)。

                                         


『伊波伝毛乃記(いはでものき)』(文政二年)  伝記

 京伝の死を受けて「江戸無名氏」の名で書かれた伝記。当時の伝記としてはもっとも詳しいそうだが、現在から見ると信用度はもう一つらしい。馬琴との口論の様子など詳しすぎて、匿名の意味がないような・・・。

『書物の王国13 芸術家』(国書刊行会、1998)、須永朝彦訳

 

『艶本多歌羅久良(えほんたからぐら)』(寛政十二年正月発行、画工 喜多川歌麿) 艶本(春画メインのエロ小説)

 馬琴の生涯おそらく唯一の艶本(ほかには『春窓秘辞』中に「飯台狂夫酔墨」の名で記した短文が一つあるのみ)。林美一『江戸艶本ベストセラー』に序文末尾と上巻本文を部分的に載せている(残りは解説をはさみつつ大意を記述)。この本の中に〈馬琴は「曲亭主人」をもじった「曲取主人」の隠号を用いている〉と紹介があるが、

1.八犬伝パロディの艶本『恋のやつふぢ』の著者(花笠文京)も〈曲取主人〉を名乗っている、

2.上記『江戸艶本ベストセラー』でも「(『多歌羅久良』の)中・下巻の本文は他作の剽窃だったり、到底馬琴の文章と思えぬものだったり」することから「馬琴はその序文と上巻の本文だけを書いた」としている、

3.林氏の著書以外の馬琴研究本でこの作品に言及しているのを見たことがない。馬琴著作リストにすら載っていない、

という3点から、〈ペンネームが別人で、文体も半ば以上は違っていて、研究者にも無視されているのに本当に馬琴作なのか?〉という疑問をぬぐいきれない。しかし『江戸艶本へようこそ』の中の『恋のやつふぢ』に関する項には、〈『艶本多歌羅久良』なる作品にも曲取主人とあるが、このほうは本物の曲亭主人こと曲亭馬琴の執筆である〉とわざわざ説明があるし、艶本研究の第一人者である林氏の言でもあり、一応馬琴作品として紹介することにした。

 ストーリーは、絶倫の女房に辟易した男が別荘に避難、綺麗な娘と浮気するが、その頃女房も間男しているのへはち合わせ・・・というもの。中国清代に楽鈞が著した『耳食録』集の中の「胡好好」という作品がモデルらしく、泉鏡花も同じ題材で『狐』という短編を書いている。

参考:林美一『江戸艶本ベストセラー』(新潮社、1991年、1995年文庫化)

    林美一『江戸艶本へようこそ』(新潮社、1992年)

    林美一『江戸枕絵集成 喜多川歌麿 正』(河出書房新社、1990年)←『多歌羅久良』について図版を用いた詳しい紹介(馬琴作ではないらしい中・下巻分もふくめて)がある。

    林美一『艶本江戸文学史』(有光書房、1964年)

    尾崎行信監修・林美一編集『秘められた文学V』(至文堂、1973年)

    安田義章監修『密戯のおんな』(二見書房、1991年)

    『書物の王国9 両性具有』(国書刊行会、1998年)←『狐』収録

    前野直彬訳『中国古典文学大系 42 閲微草堂書記 子不語 述異記 秋燈叢話 諧鐸 耳食録』(平凡社、1971年)

 

『近世物之本江戸作者部類』(天保五年)  評論

 蚊身田竜唇窟蟹行散人の変名で執筆した草双紙・読本類の作家評。親しい友人たちに配ったのみで一般には流通していない。よく引用される「臭(草)草紙は馬琴京伝に及ばず読本は京伝馬琴に及ばず」や、『標注そののゆき』にまつわるトラブルなども記載。後半は200pにも及ぶ解題。『随筆滝沢馬琴』と同じく、倣岸不遜と言われる馬琴がむしろ小心の人であることを指摘するが、こちらは大分容赦ない表現である。

木村三四吾編『近世物之本江戸作者部類』 (八木書店、1988年)※1

 

『戯聞鹽梅〓(余)史(あんばいよし)』(寛政十年発行、)  噺本

 ↓と思ったらもう一つあった。一話が『笑府衿建米』より長く、内容もいくぶん面白い。もっとも面白いのは〈稗史の筋をのべてオチの狂言で笑わせる〉とあるうちの稗史の部分であったりするんだが(笑)。

『滝沢馬琴集 第七巻』(本邦書籍、1989年)※2

 

『笑府衿建米(おとしばなしゑりたちごめ)』(寛政五年発行、画工 北尾政美)  噺本

 小話数篇。正直あんまり面白くはない。四方山人(大田南畝)作の黄表紙『手練偽なし』(天明六年らしいが疑問の向きもあるという)の本文を削って絵だけ再利用、全く関係のない小咄を挿入したもので、馬琴は序文だけらしい。小咄の作者は不明。こうした出版形式は当時よくあったそうだ。

『滝沢馬琴集 第十一巻』(本邦書籍、1990年)※2

武藤〓(禎)夫編『噺本大系 第十二巻』(東京堂出版、1987(初版、1979年))

参考:棚橋正博『日本書誌学大系48(2) 黄表紙総覧 中篇』(青裳堂書店、1989年)

   棚橋正博『日本書誌学大系48(1) 黄表紙総覧 前編』(青裳堂書店、1986年)

   濱田義一郎他編『大田南畝全集 第七巻』(岩波書店、1986年)

 

『匂全伽羅柴舟(おとにきくめいきのしばふね)』(文化六己巳年春発行、画工 歌川国貞) 景物本

 『不老門化粧若水』を改題したもので内容は同じ。上野山下丸万油元結店の開店披露に配られたものらしい。様式は黄表紙風。今で言えばマンガ形式の宣伝パンフレット。化粧品の名のついた人気役者似のキャラクターがひたすら目出た続きのストーリー。開店記念なんだから当然ではあるが。

 林美一校訂『江戸広告文学 坤』(復刻版)(未刊江戸文学刊行会、1982年(原版1957年)、非売品)←絵はなしで本文のみ紹介。同時刊行の『江戸広告文学 乾』に図版がのっている(影印)が、文字が小さいうえあちこちかすれていて判読困難。

 

木村三四吾(きむらみよご)編校『京大本馬琴書簡集 篠斎宛』(私家版(発売・八木書店)、1983年) 資料

 京大文学部所蔵の、馬琴書簡(文政・天保ごろ、殿村篠斎あてに出されたもの)の写し三十三通分の翻刻。。借り物・貰い物に対する礼や家族の話、身の回りのグチ、『八犬伝』など作品に関するコメントが主たる内容。天保十一年六月からはお路の代筆となる。この書簡の原本はのち古書店を通じて日大蔵となった。

参考:『八木書店出版部ホームページ』 http://www.books-yagi.co.jp/pub/

 

安藤謙吉編『偉人の尺牘』(青木嵩山堂、1901年)  書状

 鎌倉時代から江戸末期にいたるまでの著名人について、文人武人を問わず取り上げ、その手になる書状を紹介したもの。馬琴については「本書は天保七年八月江戸柳橋万八楼に於て七十の賀莚を催したる時の状を報ずるものなり」(原文旧字)との前書きを付し、馬琴の書状の文面を載せている。会の盛況ぶりを多分に自慢気に報告している。

「近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/index.html)でオンライン閲覧が可能。

 

『花洛之水浪速風炉臍沸西遊記(きやうのみづおほさかのふろへそがわかすさゆものがたり)』(享和三年正月発行、画工 喜多川秀麿) 噺本?

 享和二年の関西旅行(『羇旅漫録』『著作堂一夕話』参照)に取材した黄表紙体裁の小咄(とは言え文章は長め)。序文に「過ぎし西遊の日、話となるべき事を書き集め、西遊語(ママ)と名づく。」とあるが、どこまでが実際に見聞した話や噂なのやら。

林美一校訂『絵入江戸小咄』(復刻版)(未刊江戸文学刊行会、1958年、(復刻版、 1980年))

 

犬夷評判記』(文政元年発行)   評答集

 馬琴ファンの三枝園主人(殿村篠斎、伊勢在住)による『八犬伝』『朝夷巡嶋記』の批評と馬琴の回答を櫟亭琴魚(殿村精吉、篠斎の義弟で馬琴の門人格)が校訂したもの。『巡嶋記』は初編、『八犬伝』は二編までなのが惜しい。たぶんに辛口の評だが、馬琴は「(評者は)具眼の人」だとほめている。時には押され気味だったり、ごまかしたりもしているが。服部仁氏の「読本評判と稗史七法則」(『読本の世界−江戸と上方−』収録)でくわしく触れられている。

『徳川文藝類聚第十二』(非売品?)(国書刊行会、1914年)

中野三敏『江戸名物評判記集成』(岩波書店、1987年)

『馬琴日記鈔』にも饗庭篁村による論評つきで収録。

追記−中野三敏『江戸名物評判記案内』(岩波書店、1985年)に『犬夷評判記』がのちの評論のスタイルに与えた影響について詳しい言及あり。

 

木村黙老著・曲亭馬琴補遺『水滸伝考』  考証文

 黙老が『忠義水滸伝』について記した考証に、黙老の依頼によって馬琴が補遺を加えたもの。『水滸伝』の著者、内容、二次作品などを紹介。それらに馬琴が詳しい説明を付していく。詳しすぎて補遺の方が本文よりはるかに分量が多いというのがすごい(笑)。

佐藤悟『木村黙老著・曲亭馬琴補遺 『水滸伝』考−解題と翻刻−』(実践国文学会『實踐國文 第五十二号』(実践女子大学内・実践国文学会、1997年)

 

『独考論』  ?

 奥州在の才媛・只野真葛が、妹を通じて馬琴の添削出板を依頼してきた論文(?)『独考』に対する反駁の書。真葛の論についてその独創性を認めながらも、主として儒教的教養の不足から来る臆断が多いとして、さまざまの書物を引用しつつ痛烈に批判している。良くも悪くも馬琴の知に貪欲な、一本気な性格が現れている感がある。その書きぶりは、〈誤った知識を正さなくては〉という馬琴流の正義感と見所のある相手を教え導こうとする親切心が感じられるものの、なんとも容赦がなくて読んでるこちらまで身がすくむ。もし今馬琴が存命だったなら、うちのサイトなんてこてんぱんだろうなあ・・・。

『只野真葛集』(国書刊行会、1994年)←同書収録の『奥州ばなし』にも、「解云」などの書き出しで馬琴の一口感想があちこちに書き込まれている。

 

『増補 俳諧歳時記栞草』(嘉永四年辛亥十一月発行) 歳時記

 季語・季題を季節ごとにいろは順に(さらにその中で月ごとに分けて)分類、言葉の意味やルーツを多くは例文つきで紹介した俳諧の辞典。馬琴が享和三年に上梓した『俳諧歳時記』に藍亭青藍が大幅に加筆したもの。現代ではまず使うことのない美しい季節の言葉がたくさん収録されており、俳人のみならず日本語に関心のある人には大いにおすすめ。「芭蕉忌」の項がなぜか(さすがに、というべきか)やたらと長い。

『増補 俳諧歳時記栞草』上下(岩波文庫、2000年)

 

『天理図書館善本叢書和書之部第十二巻 馬琴評答集』(八木書店、1973年) 評答集※1

 愛読者・小津桂窓(伊勢在住)による『八犬伝』『侠客伝』などの馬琴作品の批評とそれに対する馬琴の答評(一部石川疊翠による批評もあり)。桂窓らの評はたいていベタぼめだが、馬琴の答は「附会の評」「智者の一失」とクギをさしたり、「佳評」「見巧者」とほめたり、馬琴の作品に対する意地を感じることができる。

 

『馬琴日記』・・・暉峻康隆他校訂『馬琴日記』参照。

  

『馬琴日記鈔』・・・饗庭篁村『馬琴日記鈔』参照。

 

『耽奇漫録』(文政七年五月〜八年十一月)  ?

  雑学者山崎美成主催による耽奇会(会員が古書画・古器材などの珍品を持ちよって批評する好事家サークル)の記録。馬琴は、西原梭江(筑後柳川藩士、古参メンバーの一人で『耽奇漫録』の命名者)の誘いで第八回目から参加。その後、十五回、十七〜十九回以外は最後の二十回まで参加。第十二回の出品作「大名けんどん」は馬琴・美成の論争と仲違いの原因となった。メンバーは同時期に行われていた「兎園会」とおよそ重なっている。毎ページひたすら展示品が収録されていて、展覧会のカタログのような感じ。〈写本〉とあるからもともと出板されたものではないらしい。研究家以外にはあまり面白いものではないかも(私もしかり)。

『日本随筆大成・第一期〈別巻〉 耽奇漫録』上下(吉川弘文館、1993年)

 

大澤美夫(おおさわよしお)・柴田光彦(しばたみつひこ)・高木元(たかぎげん)『日本大学総合図書館蔵 馬琴書翰集』(八木書店、1992年) 資料

 日大が所蔵する、馬琴の文政〜天保期の殿村篠斎あて(一通のぞく)書簡の翻刻。83年出版の『京大本馬琴書簡集』と原本がほぼ同じため内容は大方だぶっている。なお2002年9月から、本書収録書簡をも含む『馬琴書翰集成』シリーズ(翻刻)が八木書店より刊行されている。出版予定と先行書簡集の歴史については八木書店のホームページに詳しい。

参考:『八木書店出版部ホームページ』 http://www.books-yagi.co.jp/pub/

 

『俳諧古文庫』(天明七年) 俳文集

 蕉門下の許六による『風俗文選』にならって、二十一歳の馬琴が長兄羅文(滝沢興旨)の集めていた俳文を編集したもの。作者は吾山、姑山、文篁、山帯、時得、扇波、羅文、鶏忠(馬琴の次兄)、および馬琴。自作はのち(寛政十一年?)に作者名を削ってしまった。今から思えば下手くそで見るに耐えん、ということらしい。

『続燕石十種 第二巻』(中央公論社、1980年)

 

柴田光彦・神田正行(かんだまさゆき)『馬琴書翰集成』(八木書店、@A2002BCDE2003、別巻2004)  資料

 知人宛の馬琴の手紙のうち、これまで方々で発表されてきたもの全てと、初出のもの若干を収載する馬琴書簡集の決定版。作品への質問に対する回答、随筆に見られるような考証的文章など、研究者のみならず馬琴ファンにも美味しい内容。二段組のレイアウト、字の大きさなど読みやすさも配慮されている。2004年刊行の別巻をもって完結。

    

『化競丑満鐘(ばけくらべうしみつのかね)』(寛政十二年発行、 画工 北尾重政)   浄瑠璃

 タイトル通りの妖怪もの。白狐之介とろくろ姫のカップルが、それぞれの家宝である白狐の玉と文福茶釜(笑)を奪われたため、生木を裂かれ家宝を捜す旅に出る、というお家騒動もので、忠臣たちの活躍は『八犬伝』の古那屋ばりだが、雪女の偽首が途中で溶けてしまい身代わりが露見するとか、ろくろ姫を首だけ上座に直してみるとか、要はコメディーである。個人的には馬琴のコメディーで(知ってる限りで)一番好きな話。

『滝沢馬琴集 第十一巻』(本邦書籍、1990年)※2

『曲亭馬琴翁叢書 下巻』(銀花堂、1889年)※3

追記−アダム・カバット「「創作」としての妖怪-馬琴作『化競丑満鐘』の笑い−」(小松和彦編『日本妖怪学大全』(小学館、2003年)収録)にこの作品についての詳しい説明あり。

 

『雅俗要文(がぞくようぶん)』  往来物

 世間に出回る用文集がもっぱら俗文であるのに対し、「文辞に志はありながら材足らずして綴りがた」い人を対象とした、雅文による用文集。雅文というより漢文であり、手紙を受け取った側も読むにはかなりの教養を要求されたことだろう。「茶ノ懸幅(かけもの)ヲ評シテ友に示ス書」「他郷ノ人家相ノ吉凶ヲ於博士ニ問フ書」などという例文があることからいっても。

丹和浩『近世庶民教育と出版文化−「往来物」製作の背景−』(岩田書院、2005年)

 

『民間當用女筆花鳥文素(みんかんとうようによひつくわてうふんそ)』 往来物

 時候の挨拶やその返事の女性向け例文集。さすがというべきか、「七夕につかはす文」などため息の出そうな美文である。最後に「かしく」(注・「かしこ」のこと)の意味やら仮名文字の書き方(崩しすぎるのは良くない、ということで)を載せているのも馬琴らしい。

丹和浩『近世庶民教育と出版文化−「往来物」製作の背景−』(岩田書院、2005年)

 

『戯子名所図会(やくしやめいしよづゑ)』(寛政十二年歳次庚申春正月発行、画工 一陽斎豊国) 劇書

 役者・芝居の演目・小道具などを名所旧跡に見立てて名所図会風にまとめた、変わった形式の劇書。のっけから「勘三楼(かんざぶらう)」に笑わされる。文体が大真面目なだけに内容とのギャップが楽しい。のちの『松株木三階奇談』はこの作品をもとに物語風に書き改めたもの、のようだ。

台帳をよむ会『馬琴の戯子名所図会をよむ』(和泉書院、2001年) 

 

『吾佛乃記(あがほとけのき)』(天保十四年)  家記

 馬琴が子孫の為に書き遺した家記。先祖及び家族についての細かい記録と、子孫への戒めを記している。「秘めて人には視すべからず」と冒頭にあるこの家記がなぜ世に出たのかは巻末の「馬琴の書箱」(木村三四吾氏筆)に詳しい。

木村三四吾他編校『吾佛乃記』(八木書店、1987年)

 

柴田光彦編『早稲田大学蔵 資料影印叢書 国書篇 第四十二巻 南総里見八犬伝稿本(一)』(早稲田大学蔵資料影印叢書刊行委員会、1993年) 資料

 馬琴の原稿(+挿絵)の八輯巻之一〜五、第九輯(中帙)巻之七〜巻之十三之十四(ママ)、巻之十八収録。巻之十八は結構保存状態悪し。

 

柴田光彦編『早稲田大学蔵 資料影印叢書 国書篇 第四十三巻 南総里見八犬伝稿本(二)』(早稲田大学蔵資料影印叢書刊行委員会、1995年) 資料

 第九輯巻之十九、二十一、二十六〜三十三収録。あとへ行くほど文字のにじみ、書きなおし多し。

 

柴田光彦編『早稲田大学蔵 資料影印叢書 国書篇 第四十四巻 南総里見八犬伝稿本(三)』(早稲田大学蔵資料影印叢書刊行委員会、1995年) 資料

 第九輯巻三十四〜三十五、四十一〜四十四収録。四十一以降1ページ六行に。文字の乱れとかすれで判読困難。自筆の挿絵もどんな構図なのかさっぱりわからない。視力の悪化の程が見て取れる。

 

柴田光彦編『早稲田大学蔵 資料影印叢書 国書篇 第四十五巻 南総里見八犬伝稿本(四)』(早稲田大学蔵資料影印叢書刊行委員会、1995年) 資料

 第九輯四十六〜四十八、五十〜五十三上収録。百七十七回(巻之四十六)途中からお路の筆に、大変読みやすくなる。

 

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