お奨めの本紹介





宮城谷昌光天空の舟』上・下巻文春文庫

 その存在があったかすらまだわかっていないという中国・夏王朝。伊水の洪水によって桑の木の中に託された赤子が、その王朝の中で厨房係という最初に与えられたその卑せんな身の上を乗り越えて身に降りかかる様々な困難を克服していく話である。
 名を挙げた彼は長きに渡る隠遁の生活に入るが、その後に巡ってくる商王との運命的な出会い。身分にかかわらず彼を取り立てた商王とそれに答えた男。まさに元祖水魚の交わりといえる関係がここにある。少ない情報量からここまでのドラマを書き上げた作者の力に感嘆せずにはいられない物語である。





宮部みゆき火車新潮文庫

 クレジットカードから婚約者の過去を知ってしまった親戚に調査を頼まれた休職中の刑事が彼女の身辺を調査していく過程で見つけた謎。その謎はひょんな手がかりから一つずつ、そして読者の思いもよらぬ方向へと進んでいく。まさか現代社会でこんなことがあっていいのか。カードという便利なものの裏側に潜む恐るべき計画の正体とは・・・。言わずと知れたことだが、まさに一度読み始めたら最後まで読まずにいられない名作である。あなたは今接してる人が実はもともと赤の他人であったなどという事実がわかった時、それを受け入れられるであろうか・・・・。





陳 舜臣
小説十八史略講談社文庫

 中国の歴史、それは例えば三国志にしろ、項羽と劉邦にしろたった一部分で長い小説が書けてしまいそうな非常に膨大なものである。しかしそれを通史のような形で網羅した一八史略。この本はその名前の通り中国史に全く触れたことがなかった人でもまるで壮大な物語であるかのように中国の歴史を楽しめる魅力ある本である(全六巻)。しっかりと流れを押さえていながら内容が薄くなっていない。人と人とのつながり、まさしく中国史の醍醐味と言える人間模様を見事に描ききった大作と言えるであろう。六巻と長く感じる方もいるかもしれないが気付いたら終わってしまうというほど惹き込まれること間違いなしである。これであなたも中国史通になろう。





ブラッド・アラン・ルイス『カシタス湖の戦い』東北大学出版会

 ボートという競技。それはたしかにマイナースポーツである。しかし、精神力、体力、集中力と、非常に過酷なスポーツである。この本はそんなボート競技の頂点を極めた著者がこのボートというスポーツの全容と、世界という舞台におけるすさまじいまでの険しい道程についてすばらしい文才を以って明らかにしている秀逸の作である。
 ボートを知らない人もきっと最後まで飽きることなく読み進めてしまうであろう興味深い内容であり、また経験者が読めばさらに魂を震わせられるような絶対的な超越を感じさせるであろう名著である。ボートとは、オリンピックとは、世界の頂点で戦うということは何か。レースというたった一度の本番に全てをかける男の物語である。





大崎善生『聖の青春』講談社

 皆さんは29歳という若さで他界した天才棋士の名前を知っているだろうか。村山聖(さとし)。これはネフローゼという難病と闘いながら将棋界の最高峰A級に在籍し、夢であった名人を目前にしての早すぎる死を迎えた一人の天才の物語である。この本は真の師弟愛とは何かを、そしてどんな状況に置かれようと夢に向かって進むことをあきらめないことのすばらしさを教えてくれる。私たちはいつ動けなくなるかもわからない状態の中で精一杯の今を生きられるだろうか。そして今命がたとえ途絶えても他の人の80年に負けない人生だったといえる生活をしているだろうか。
 天寿を全うして安らかに死んでいく人がいる。夢を追いつづけたまま死んでしまう人もいる。そして今同じ地球上で人為的に殺される罪のない多くの人々がいる。この物語は、生と死という問題を我々に問いかけているようにも思う。是非読んでいただきたい一冊である。





宮部みゆき『かまいたち』新潮文庫

 主人公である医者の娘おようは偶然辻斬りの下手人を目撃する。しかしおようが下手人と思って追跡し、ついに命をかけてまで対峙しようとしたその相手は・・・・・・。我々読者が真相を逆に主人公に教えてあげたくなるような推理小説であるが、それでいて最後まで一気に読まずにいられない実に見事な時代小説である。他にも江戸時代をテーマにした短編小説が一緒におさめられているので、これはもう読むしかない!





秋庭俊『帝都東京・隠された地下網の秘密』洋泉社

 地図というものは当然現在の状況を正確に表しているものだと我々は考えている。ところが、地下鉄の線が地図の大手2社で完全に異なっているという事実がある。この書はそれを出発点にし、地下鉄というまさに暗黒のルートの解明に挑戦した傑作である。政府、関係筋は沈黙を貫き、資料は少なく、自らの仮定の真実性すらわからない状況の中、必死に細かい所も見逃さずそのたしかさを1歩1歩確かめていったその過程はまさに執念とも呼ぶべきものがある。戦前にどれほどの地下鉄が開通していたのか、なぜそれを政府は公表しないのか。その答えがこの本にある。



武光誠『古代史大逆転』PHP文庫

 この本は、私たちが今当然の歴史として考えている所謂通説を、全く違った視点から見つめなおしているという意味で大変面白い本である。古代朝廷の黒幕には渡来人の存在があったなど、実に興味深い。しかしそれでいて完全にただ突飛な考えに基いて述べているのではないところに特徴がある。一つ一つ実に丁寧かつ論理的に述べられたその文は読むものを納得させる説得力を持っているのである。今まで古代史に興味がなかった人にもお奨めできる魅力がある一冊である。



A judge ruins Japan
 (下記の本の英文review)

 It is the talk which throws one question at the organization of a trial of Japan. Though everyone believe that a trial is what judges people correctly and they should think that it is natural, this book mentions an actual judicial precedent as an example, and let us know amazing actual condition. There is a fact that the judge refuse the bereaved family’s hoisting a photograph of a deceased person.
 I was honestly surprised to read this book although I did not have the question about the organization. There are judges who make decision everyone think it is not true. This book makes me consider whether present judge training system which eliminates a situation thoroughly and focuses on a requirement is the best method. Of course, this book is written at the view point of journalism, so we can’t believe all the things written in it easily. But even if we think of it, existing judging system has a serious problem.
 A judge is the man who gets onto the fast track, so called elite. A fundamental problem exists exactly in their elitism that the consciousness of holding a dominant position. This is very sorrowful affair that they behave haughty and think their a promotion ladder in spite of that we people believe them because we think they are selected person and they judge us impartially. I think we meet the day when we should think again the today organization of a trial of Japan. The problem is not only judge’s consciousnesses but also the whole system of trial. To judge according to the law and conscience, we, I think, must reexamine it earnestly.



門田 隆将
『裁判官が日本を滅ぼす』新潮社・2003/06

 日本の裁判の体制に一つの疑問を投げかける話です。国民は誰でも裁判は正しく人を裁いてくれるものだと信じているでしょうし、それが当然であると思っているはずです。しかし、この本は実際の判例を例にあげてその実情を憂いています。かくいう私も裁判に対しておかしいと言う疑問を持ったりしたことはありませんでしたが、この本を読んで正直驚きました。どうみてもおかしいと思える判決を下す裁判官がいるのです。事情を徹底的に排除して要件のみを搾り出す現在の裁判官養成システムが果たして本当に正しい判断を下すために最善の方法であるのかをこの本は考えさせてくれます。もちろんこの本はジャーナリズムの視点から書かれていて全てを鵜呑みにしていいとは思いませんが、それを割り引いてもやはり自己の良心において判断しているとはどうみても言いかねる部分があると思います。出世のためにはできる限りたくさんの件数を効率よくこなしていかないといけないいう現状にも問題があるでしょうし、あながち裁判官のみのせいとは言えないと思います。日本の裁判制度自体の見直しを迫られる時期に来ているかもしれません。




柘植久慶
『戦略戦術の三国志』中公文庫

 三国志に見られる、様々な状況における軍団や将の行動を分析し、現代にも通用するその奥深さを教えてくれる本です。この本の面白いところは、演義で完全無欠の軍師として描かれている孔明の戦略にも疑問を挟んでいるところです。北伐において本当に魏に打撃を与えたかったら首都を狙うなど、興味深い指摘がなされています。そして同じような事象を、世界史の中から抽出している点も面白いところです。ナポレオンのすごさもどこが悪かったかもわかります。三国志での心理戦、軍の統率における様々な方法は実に高度で、現代社会に生きる我々にも色々なことを教えてくれます。




南條範夫おのれ秀吉我敗れたり文芸春秋

 斎藤道三、宇喜多直家など、英雄に対して梟雄と言われた一癖も二癖もある戦国武将たち、もしくは丹羽長秀や佐々成政など、信長の死後に天下を狙える実力がありながら秀吉に先を越されてしまった人物たちの物語です。
 共に一代でのし上がった謀略の鬼毛利元就は英雄で、まむしの道三は梟雄なのは何が違うのか、格下の秀吉に丸め込まれた長秀の最後の無念など、興味は尽きません。
戦国に詳しくない方でもきっとこの人間関係に魅了されることでしょう。




北方謙三
『黒龍の柩』毎日新聞社

 上下2巻です。新撰組の副長土方歳三の物語です。
 新撰組を新たな方向へと進ませたい土方に対し、あくまでも昔のままでいようとする近藤・沖田。その兄弟・親子のように強い絆に反して両者の思惑が離れていく葛藤を見事に描いています。
史実では不可解な山南脱走についての解釈も実にすばらしいと思います。蝦夷地への壮大な夢を馳せた幕末志士の大作です。



池波正太郎『真田太平記』新潮文庫

 全12巻です。3度にわたり徳川を翻弄した真田親子の物語です。
 「もし自分が関ヶ原にいたならば、家康の首を討ち取っていただろう。」
熱くなる名著です。

 あなたも戦国の世を、忍びの働きを体感しましょう。


『経済のニュースが面白いほどわかる本』

まったくの初歩から解説してあり、予備知識がなくてもわかります。
会話形式なので、楽しみながら経済がわかります。
イラストが豊富で、飽きがきません。
あっという間に読めてしまうのでオススメです。



大平光代
『だからあなたも生き抜いて』講談社

 子供の頃割腹自殺を図り、その後極道の妻を経験し、その後司法試験に合格し、今は弁護士という波乱万丈の人生を歩んでいる人のお話です。
 考えさせられます。



高畠穣諸葛孔明の兵法三笠書房

 千人に一人の天才といわれる諸葛孔明。その大胆にして確実な計略は、今でも僕たちの心を魅了してやみません。
 何を考え、どう行動すべきか。その答えがこの本にあります。



竹内均頭にやさしい雑学読本三笠書房

 全5巻です。日常でふと思う小さな疑問。
 そんな興味深い疑問をわかりやすく、丁寧に解説しています。これを全部読めばあなたも歩く百科事典!?



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